「オトナの研究」3本(2017年7月のnote記事より)
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今回は、2017年7月のnote記事から、「オトナの研究」3本をまとめてお届けします。
04 研究の視点を持つと現場で頭を悩ませるすべてのことが研究のネタとして見えてくる。
05 今自分が問題だと感じているこの問題は、一体どういう問題なのかということを考え、観察していく。
06 自分の現場の問題が限定された工夫にとどまるか、社会に還元できる研究になるかの分岐点。
04 研究の視点を持つと現場で頭を悩ませるすべてのことが研究のネタとして見えてくる。
前回は、「ラボノートを用意しよう」と題して、一冊のノートを用意して、そこに自分の研究トピックに関することをすべて時系列順に記録していこうということを書きました。
今回は「研究の視点を持つと現場で頭を悩ませるすべてのことが研究のネタとして見えてくる」ということを書きたいと思います。
第1回目にこんなことを書きました。大人は必ず自分の「現場」を持っています。現場のリアリティから離れたところで研究を語ってみてもそれは長続きしないものになります。現場のリアリティ(Reality)と、現場との関連性(Relavance)が「オトナの研究」には必要なのです。
現場のリアリティとそれと自分との関連性を感じるところから研究がスタートします。関連性というのは、現場で起こっていることが自分にどのような意味を持っているかということです。その現象は問題なのか、問題だとすれば、それはどのような点で問題なのか、そしてそれをどのように変えていけばいいのかということが、関連性ということに含まれています。
このように問題が起こっている場として自分の現場を捉えていくという視点が、オトナの研究者に必要なことです。そうすると、日々起こっている仕事の問題、そこにいる人同士の協力とコミュニケーションの問題、非効率的なこと、マンネリになっていること、不満を抱えていること、クレームを受けていること、こうした頭を悩ませるすべてのことが研究のネタとして見えてきます。これが研究の視点を持つことの効果です。
現場の問題を感じたら、どんなささいなことであっても、それをラボノートに書き留めておきましょう。いきなり解決策を考えだそうとする必要はありません。まずは、現場で起きている現象をよく「観察」することです。自分の「こうあるべきだ」という思い込みをできるだけ少なくして、現場の問題を「ありのまま」に記録することが大事です。
自分の思い込みをできるだけ捨てることは特に大切なことです。「こうあるべきだ」という思い込みが強いと、現場の問題は「誰々がそうあるべきことをしていない。その人が原因だ」ということにすり替えられてしまいます。そのように人の問題にしてしまうと永遠に解決しませんし、そう考えないことこそが「研究者の視点」なのです。
「人の問題ではなく、システムや構造の問題」だと考えることが研究の始まりです。
05 今自分が問題だと感じているこの問題は、一体どういう問題なのかということを考え、観察していく。
前回は、研究の視点を持つと、日々現場で起こっている悩みごとや困ったことが研究のネタとして見えてくるということを書きました。
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