【連載】みんなの前で話す技術(第7回):聞き手の目線で話す。
金曜日は「みんなの前で話す技術」講座を連載しています。今回は7回目です。
前回は「プロットを作り、原稿なしで話す」ということを言いました。今回は「聞き手の目線で話す」ということを言いたいと思います。
この連載では「話す技術」について書いていますが、本当は文章を書くことが私の仕事の中心です。ですから本心としては私の書いた書籍やWeb上の記事を読んでほしいのです。たぶん、皆さんが知りたいことはほとんどそこに書いてあるんじゃないかなと思います。また、そう思うからこそ時間を割いて文章を書くのです。
それにもかかわらず講演やワークショップをやるのはなぜかというと、書かれた文章以上のダイナミックなものがそこにあるからだと言えます。書いてきた原稿を読むだけではそれは起こりません。ですので前回「原稿なしで話す」ということを言ったのです。
ダイナミックなものは、聞き手と話し手の間で何か化学変化のようなものが起こって生じるものです。しかし、これはいつでも生じるものではありません。話し手が懸命に話しているのに聞き手は白けているということもよくあります。その一方で、聞き手と話し手が一体となって良い雰囲気が会場を満たすこともあります。
聞き手と話し手の一体感を作るためにどうしたらいいのでしょうか。それが「聞き手の目線で話す」ということです。これは比喩的なものではなく、とても具体的なことです。
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