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(034) 在宅勤務の意味は「結果を出す」ということ:オンライン授業も同じ
緊急事態宣言が全国に出されました。大学では、春学期は完全にオンライン授業です。コロナのピークアウトはまだまだ先になりそうですので、秋学期もオンラインになる可能性も十分あります。そうすると、2020年度は、全国の通学制大学がオンライン大学になった年として記録されるかもしれません。
緊急事態宣言下で、在宅勤務体制も長引くことになるでしょう。半年以上この体制が続くとなれば、在宅で仕事が回る人は永続的に在宅勤務でいいということになるかもしれません。
広瀬隆雄さん(@hirosetakao)はTwitterでこんなふうに言っています。
“在宅勤務って何だ?
それはとどのつまり「結果だけ出す!」ということだろ?”
在宅勤務って何だ?
— じっちゃま (@hirosetakao) April 12, 2020
それはとどのつまり「結果だけ出す!」ということだろ?
在宅勤務であれば、ただ出席だけが求められる会議にも出なくてもよくなります。同僚とむだ話ができないのはちょっと残念かもしれません。しかし、うわさ話や悪口を聞く必要もなくなり、精神的な健康は保ちやすくなります。むだ話は、気の合う人だけを集めてZoom飲みをすればいいのです。
・オンライン授業は「教室にいる」ということでなく「結果を出す」ことになる
そうすると、在宅授業ともいえるオンライン授業もまた「結果だけ出す!」ということになります。もちろんリアルタイム配信であれば、スクリーン上の顔を見て出席をとることもできます。また、オンデマンド配信であれば、視聴履歴を確認することもできます。しかし、これらは形式的なことであって、実質的なことではありません。
実質的なこととは、授業に参加して「結果を出す」ということです。結果を出すということは、リアルタイム授業であれば、そこで発表したり、発言したり、質問したりすることです。オンデマンド配信であれば、BBSで質問や議論をしたり、クイズを解いたり、レポートを作成したりすることです。これらの活動がすべて結果を出すということであり、それが評価されるのです。
・「履修主義」から「修得主義」へ
このように考えると、学生がビデオを最初から最後まで視聴したかを監視するのはナンセンスなことです。それは必要条件であって、十分条件ではありません。オンライン授業は、形式的な「履修主義」ではなく、何を身につけたかが実質的に評価される「修得主義」に転換するきっかけになるでしょう。
もし授業ビデオの内容が、その人にとって十分理解できるのであれば、1.5倍速で視聴してもいいし、スライドを見ながら話をとばして視聴してもいいのです。そうして節約した時間を、参考文献を読んだり、レポートを作成する時間に充てるのです。こうしたことをいかに効率よくやるかということがその人の修得スキルを長期間にわたって押し上げることになるでしょう。
・自己制御スキルのトレーニングが重要になる
オンライン授業が普通のことになる時代では、ITスキルが必須のものとして求められるでしょう。それは情報教育というよりは「読み書きスキル」と同列のものです。パソコンを読み書きと、何かを「生産する道具」として使いこなすということです。スマホは、自分の目や耳、手足の延長として機能するでしょう。それに対してパソコンは、自分の脳の拡張として機能するのです。記憶したり、整理したり、発想したり、そしてそれを表現する。そのためのキャンバスとして機能するのだと思います。
このパソコンスキルと並行して自己制御スキルが重要です。オンラインコースでは、学生が簡単にドロップしてしまうことがすでに明らかになっています。オンラインコースではドロップしないことが大事なのです。続けていけばなんとかなります。それは結果を出し続けることだからです。しかし、ドロップしてしまえば何も残りません。
ドロップしやすいのは、他の人たちと同じ時間に同じ教室に集まることによって生まれる同調圧力がなくなるからです。誰も声をかけてくれません。自分でパソコンを起動して、その場にアクセスしなければなりません。そういうふうに自分を律することができるかどうかが重要です。
そうすると教員やティーチングアシスタントの仕事も変わってきます。ただ授業を運営するだけではなく、授業を通じて学生自身が自分の自己制御スキルを伸ばせるようにコーチングしていくことが必要となってきます。それは授業のあり方も変えることになるでしょう。
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