037 [教える技術] レッスン/ゲームモデルと3ステージモデル
レッスン、授業、研修はすべて外の世界にある現場で活躍できるようにするためのものです。現場で使えなければレッスンの意味はありません。しかしレッスンだけで完結してしまうことも少なくありません。今回は、向後のオリジナルであるレッスン/ゲームモデルと3ステージモデルを紹介します。
レッスン/ゲームモデル
「レッスン/ゲームモデル」は私のテニススクールでの経験から作ったモデルです。トレーニングをして自分の技能を磨くという活動のすべてに当てはまると考えられます。それはスポーツであろうが、料理のような技能であろうが、学校で学ぶ知識と思考法であろうが、すべて当てはまるでしょう。
このモデルは、単技能の練習や典型的な練習ばかりのレッスンをやっていても上達しないし、かといってゲームばかりやっていても上達しないという視点からできています。上達するためには、レッスンで練習したことをゲームで使うことが必要であり、同時に、ゲームでできるようになるためにはレッスンに立ち戻ってトレーニングする必要があるということです。つまり、レッスンとゲームのモードを行ったり来たりすることが重要なのです。

レッスンとゲームを行き来することによって、その中から創造的なものが生まれてきます。それはレッスンで習わないことを自分で発見したり、独自の工夫をするようになることです。そうすることによって、レッスンを超えることができるのです。
一般的な学校教育の弱点は、リアリティのあるゲーム場面がほとんどないことです。この意味でテストはゲームではありません。テストは楽しくないですし、喜びでもないし、リアルな社会や生活の中で活かせるようなものでもありません。にもかかわらず、テストで良い点を取ることをゲームのゴールに置いていることが、学ぶことの楽しさと有用さを体得するということについて失敗している原因です。プロジェクト学習や課題ベース学習はレッスン/ゲームモデルを実働化したものと捉えられます。しかし、時間がかかるところが欠点です。もっと軽く、楽しく、同時に真剣なゲームを教育の中に導入するために、工夫が必要です。
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2017年から継続して書いているマガジン「ちはるのファーストコンタクト」からテーマに沿った記事を編集して公開します。テーマは、アドラー心理…
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