事前テストを作って学習者の診断を行っておくとメリットが大きい。
火曜日は「教えること/学ぶこと」のトピックで書いています。ここしばらくは、授業や研修の設計と実施について書いています。
前回は、授業や研修の設計原理としての「メリルの第一原理(Merrill's First Principles of Instruction)」を取り上げました。コースを設計するために、トピックを順番に並べるのではなく、現実世界の重要な問題をまず取り上げて、そこからスタートするという原理(問題中心原則)です。問題解決に必要なスキルや知識は、そのつど提供され、学習者が問題解決をするプロセスの中でマスターしていきます。
問題中心のコースであっても、まず最初に、学習者の診断を行っておくことはさまざまな面で効用があります。この診断を、「事前テスト」あるいは「プレテスト」と呼ぶこともあります。「テスト」と呼んではいますが、正誤問題や選択肢問題、あるいは穴埋め問題のような成績をつけるためのテストとは違います。
事前テストでは、学習者の
(1) 行動(特定の行動ができるかどうか)
(2) 知識(特定のことを知っているかどうか)
(3) 態度(特定のことについてどのような価値観や信念を持っているか)
を測っておこうとするものです。
たとえば「子育て」のコースであれば、事前テストでは次のようなことを測っておきます。
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