【連載】生涯学習時代におけるオンライン大学のこれから(4)
水曜日はフリーテーマで書いています。連載で「生涯学習時代のオンライン大学のこれから」というテーマで書いています。4回くらいで完結の予定です。
4.学習継続の条件は友人とのつながり、そして睡眠と休息
オンライン大学への入学動機としては、まず「仕事と専門」、そして「可能性と挑戦」が強かった。その一方で、「友人と人脈」の要因は強くなかった。入学動機はそうであるとして、実際にオンライン大学に入学して学習を開始すると、そこには乗り越えなければならない阻害要因が出てくる。卒業生のアンケート回答からは、仕事や家庭との両立をすること、勉強時間が足りなかったこと、睡眠時間が足りなかったことといったことが大変だったことが明らかになっている。
では、こうした学習への阻害要因を乗り越えて、学習を継続していくために必要な条件はなんだろうか。田中・向後(2016)は3年間に渡ってオンライン大学の1年次生を対象にして学習の状況についての調査を行った。その結果、237人の有効回答数を得た(平均 43.4 歳, SD=10.48; 男性96人, 女性141人)。
質問項目の因子分析をしたところ、4つの因子が抽出された。第1因子は「学友とのつながり」(項目例:学友とうまくコミュニケーションをとることができた、学友に勉強の相談をすることができた)、第2因子は「学習の計画と遂行」(項目例:課題の提出期限を守ることができた、学習計画通りにすすめることができた)、第3因子は「教員・コーチとのコミュニケーション」(項目例:教員とうまくコミュニケーションをとることができた、教育コーチとうまくコミュニケーションをとることができた)、第4因子は「睡眠と休息の確保」(項目例:十分な睡眠を取ることができた、休暇日を適宜設けることができた)であった。
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