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早稲田大学の全学LMS ”コースナビ” をふりかえる
2022年3月18日(金)
2022年3月末をもって、早稲田大学独自開発のLMS(学習管理システム)であるCourse N@vi(以下「コースナビ」)がアーカイブ化されます。それ以降は、簡単にアクセスすることはできなくなります。2007年から2019年の13年間の授業のデータはこの中にあります。ですので、せめてゼミ生の名簿データをダウンロードしておきたいと思います。
2020年度からは、コースナビに代わってWaseda Moodle (WM) が運用されています。現在はWMになって丸2年が終わったところで、私もやっとWMに慣れてきたという感じです。
コースナビは2007年から全学で運用が開始されました。しかし、それより前に2003年に開設された人間科学部通信教育課程(eスクール)で運用が始まっていました。当初は OIC (Ondemand Internet Classes) と呼ばれていました。その意味で、eスクールは早稲田大学全体のオンライン教育の先端を行っていたのです。言い方を換えればeスクールという場でオンライン教育の先端的な実験をしていたわけです。しかし、それはオンライン教育の試みを続けていたという意味で誇れることだと思います。
私もその当時、コースナビを学習者に使いやすく、しかも教育効果の高いものに改善するためにさまざまな提案をしていました。そしてそのいくつかは具体的に実装されていきました。その結果として13年の長期にわたって大学独自のLMSとして使われることになりました。
そのコースナビも、中身があまりにも複雑になりすぎたことと、増加してきたモバイル端末への対応に限界があるということで、2020年度からWMに切り替わりました。コロナ禍と時期を同じにしたということも、なんだか奇遇ではあります。
ふりかえってみると、私の授業運営のベースとしてコースナビが占めるものは大きかったです。もちろん大きなシステムですので、小回りが効きにくく、使いにくいところはありました。そのために、ゼミなどでは「サイボウズLive」という無料のグループウエアを使っていました。このサービスも2019年で終了しています。
今思うのは、大学が統一的にサービスを提供するLMSの役割は大きいものがあったということです。そしてそれはますます大きなものになりつつあります。大学は1つの情報産業なのです。
(参考文献)
西村 昭治 (2005) e-Learning による大学通信教育課程の実践― 早稲田大学人間科学部 e スクールの取り組み ―. メディア教育研究 第 1 巻 第 2 号, 45-57
https://www.code.ouj.ac.jp/media/pdf1-2/No.2-06tokusyuu05.pdf
平手 勇宇,木村 浩章,永間 広宣,楠元 範明,瀧澤 武信,深澤 良彰 (2008)
授業支援ポータルWaseda-net Course N@viの開発・運用と今後の展望
https://waseda.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=20695&file_id=162&file_no=1
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