【本】大竹文雄『競争社会の歩き方』:経済学的視点を自分に取り入れる。
木曜日はお勧めの本を紹介しています。今回はこの本を取り上げます。
大竹文雄『競争社会の歩き方』(中公新書, 2017)
■要約
モノやサービスの「私的価値」と「市場価格」を比較することで、売り買いという経済現象が発生する。そこでは常に心理的な変数が介在する。これが行動経済学の進展となった。たとえば需要に応じて価格が上がるという市場システムは、個人としてはフェアではないと考える人が多い。人気のあるチケットもそうでないチケットも同じ価格で入手できる方がいいと考えるのが一例。
心理的変数と同様に重要なのが「正/負の外部性」だ。外部性とは金のやりとりがない領域のこと。自分のところだけを考えて、共有されている外部を荒れたままにすると、結果としてシャッター街が生まれる。それはコモンとしての商店街を醜いままにした負の外部性によるものだ。
■ポイント
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