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理解の秘密

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この短い連載では、ワーマンの『理解の秘密』を取り上げます。
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#ワーマン

【理解の秘密】(9)オンラインの会話は全部、怒っていることを伝えるだけ(かも)

2024年7月27日(土) 前回は、コミュニケーションの大部分は、相手にしてほしいことを伝えるためのインストラクションであり、残りはあいさつや雑談や情報交換だといいました。同様に、ベイトソンは、コミュニケーションには「伝達 (report) と指令 (command)」が含まれているといいます。そして「指令」以外はすべて「私は怒っていませんよ」ということを伝えるだけだというのです。

【理解の秘密】(8)会話は全部、怒っていないことを伝えるだけ

2024年7月20日(土) ワーマンはコミュニケーションの大部分は、相手にしてほしいことを伝えるためのインストラクションだと言います。そうするとインストラクション以外のコミュニケーションは何かと言うと、あいさつや雑談や情報交換ということになります。こうしたコミュニケーションは直接相手に何かをしてほしいということではなくて、ただ情報交換をしているだけです。 この点について、ベイトソンはもっと明確に言っています。ベイトソンは、コミュニケーションには伝達 (report) と指

【理解の秘密】(7)職場や組織におけるインストラクションの意味

2024年7月13日(土) 職場のインストラクションは、より大きな文脈の中でなされなければならない。これは職場だけでなく共同体全般においても言えることだろう。 まず、組織としての目標を設定する。そして個人の目標と組織の目標をできるだけ一致させる。こうすることによって、「〜しなさい」という命令の形を使わないで、自然な形でインストラクションを出すことができる。個人の目標が組織の目標に沿ったものであれば、個人の意思を曲げてすることがなくなるだろう。したがって組織も命令することな

【理解の秘密】(5)相対的メッセージから絶対的メッセージの幅を考える

2024年6月29日(土) 前回は、インストラクションは、使命、最終目的、手順、時間、予測、失敗の要素からなるということを説明した。特に、使命(Mission)と最終目的(Destination)を区別する。たとえば、卒論を書いてもらうことは最終目的だけれども、その使命は問題提起、データの読み取り、文章による説得といった応用範囲の広い基礎スキルを身につけてもらうことだ。

【理解の秘密】(3)インストラクションは、送り手、受け手、内容、チャンネル、コンテクストからなる

2024年6月15日(土) 前回は、組織においてはインストラクションがコミュニケーションの中心になることを説明した。なぜなら組織においては単なる情報交換ではなく、自分がやりたいことと相手にしてほしいことを伝え、行動を求めることが仕事の中心だからだ。

【理解の秘密】(2)組織においてはインストラクションがコミュニケーションの中心になる

2024年6月8日(土) ワーマンがこの本で言っている「インストラクション」とは何だろうか。明らかに学校での授業や教育ではない。学校の中のことではなく、毎日の生活や会社などの組織の中で、相手にしてほしいこと、できるようになってほしいことを伝えるということだ。その証拠にこの本では学校や教育の話がほとんど出てこない。それにもかかわらず、私にはインストラクションということを学校や教育の場面で強く意識することが必要だと感じている。

【理解の秘密】(1)ワーマンの『理解の秘密―マジカル・インストラクション』

2024年6月1日(土) ちょっとしたことがきっかけで、ワーマンの『理解の秘密―マジカル・インストラクション』(NTT出版, 1993)を読み直している。