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ピカピカしましま【短いお話】/シロクマ文芸部

星が降る?
今、まさしく星が降ってきた。
星は空の中ほどでピカッと強く光ったかと思うと、ポンッと音を立てて消えた。
あとにはモクモクの白い煙が浮かんでいるだけ。
ええっ、隕石だったのかも!?

珍しいもの見ちゃったと、テンション上がり気味に帰宅した部屋に星がいた。

…まん丸で全体が金色に光ってる。下半分は茶色っぽいしましま模様。丸まった子猫くらいの大きさで浮かんでいる…

いやいや、そんな訳ない。

自己紹介を始めちゃったよぅ。

「名もない星ですがどうぞよろしくお願いします」
キラキラ。

どうしろと?


ぐぅーと、あたしのお腹の虫が鳴いた。このタイミングで。
こんな時でもお腹はすくんだな。

おそるおそる星に聞いてみた。
「ごはん…食べます?」
星はなぜか頬を(かどうか分かるわけない)ピンク色に染めて
「いえいえ、ごはんは、アレは、いやぁ~、ちょっとですねぇ、ご遠慮しておきますハイ~」と。

なんだろ、これ…


あたしがごはんを食べている間も、星は相変わらず金色に光りながら浮かんでいる。
そしてあたしがどうにも落ち着かなくてつけたテレビを観ている。相撲中継を。
勝敗が決まる時、星の金色が一段と明るく光る。

へぇ~、お相撲好きなのかな。なんか可愛い。
じゃなく!
受け入れつつあるのもおかしいことなのよ。
これ夢?夢なのかな?
いやいや、あたしは眠ってなんかいませんよ。その証拠にほら、これからベッドに入っちゃうもんね。
取りあえず眠ろう。考えても解決しない時は眠ろう。
明日起きた時は、あたしのワンルームの部屋には星なんかいない、いつもの朝を迎えられるよきっと。


「星、おやすみなさい。電気を消しますね」
「ハイ。おやすみなさい、良い夢を」


んんん!
星が!
明るすぎて!
眠れない!!


to be continue…  



シロクマ文芸部のお題「星が降る」で書いてみました。
今回が初参加です。ドキドキ。

#シロクマ文芸部
#星が降る




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