当たり前を手放してみる
世界陸上が始まります!
2年に一度行われる世界最大のスポーツイベント「世界陸上」。7月15日~22日の間、アメリカ・オレゴンにて開催されます。
心を燃やして全力で取り組み最後まで諦めない世界最高のパフォーマンスに感動し、寝不足覚悟ですが、今から楽しみで仕方ありません。スタートラインに立つまでには、凄まじい程の努力と苦労の積み重ねがあったのだろうと思うと胸が熱くなります。
無理して背伸びしていた自分
実は私も僧侶になる前に、本気で日本一を目指した時期がありました。
住職でもある父が空手の先生だったこともあり、わたしは小学二年生から空手を始めました。
強い相手との真剣勝負に心が燃え、その為の努力を積み重ねていくことが好きだったのですが、大学4年間は好きというより絶対に勝たなければならないというプレッシャーとの戦いでした。日本一に何度もなっている空手道部では、朝から晩まで空手漬けの日々、先輩も同級生も後輩もみんな全国トップレベルで、部内選考会でまず勝たなければ試合には出られず、試合前になると勝たなければならないプレッシャーで眠れない夜が何度もありました。
そんな大学3年生の秋、全日本大学選手権を優勝した翌日に、次期主将に選ばれたのです。前年も日本一になっており、3連覇がかかった年の主将となったのです。
チームをちゃんとまとめることができるだろうか。みんなはちゃんと付いて来てくれるだろうかと。さらなるプレッシャーを感じていました。
前主将は個人でも日本一を連覇し、実力でも言動でも部員をドンドン引っ張っていってくれました。自分も前主将のようにしなければ、みんなは付いて来てくれないと考え、無理にカッコつけて、指示や指導をしていました。
しかし、空回りばかりで部の雰囲気も悪くなっていきました。そんな時、当時の監督から呼び出しがありました。
こんなんじゃ、日本一は無理や。お前はどこか勘違いをしとるんとちゃうか。お前は前主将のマネばかりして練習中も指導ばかりしとるけど、成績も実力もないお前のアドバイスなんか誰が聞くか。お前はお前や。自分の練習を全力で一生懸命すればいいんや。その一生懸命をみんなが見るんや。ドアホ!
と、バリバリの関西弁で怒鳴られてしまいました。でも、その時は怒鳴られて怖かったのですが、「監督はちゃんと見てくれていたんだなあ」って嬉しくもありました。
それで、やることがはっきりと分かりました。自分は背伸びばっかりして、主将とはこうじゃなきゃいけない。「理想の主将とは」ばかりを考えていました。
自分は自分。自分が今やらなければならない事「今、この瞬間を一生懸命」を忘れていました。3連覇はできませんでしたがそれ以上に人生の大切なことを教えて頂きました。
今、この瞬間を一生懸命に
ハードルは越えるって誰が決めた?
くぐる人もいれば、よける人もいる。持ち上げていく人もいる。人生にレールなんてない。人と同じじゃなくてもいい。
大切なのはその時その時に出来ることを精一杯やること。そして失敗する時もある。立ち止まる時もある。人と比べたり、比べられたりするかもしれない。でも自分は自分。みんなそれぞれに違って、いいとこも悪いところもあって、それを認めていけたらきっと心豊かに一日一日歩んでいける。
人と比べなくていいんだよ
仏さまのお浄土という世界には綺麗な蓮の華が青色、黄色、赤色、白色と様々な色の花が咲いており、しかもそれぞれがいがみ合うことなく、それぞれがそれぞれを認め合い、どの華も光り輝いているそうなんです。
それはそのまま仏さまのお心を表されており、「みんなそれぞれに光り輝くと尊い存在なんだよ。人と比べなくていいんだよ。もっと自分を好きになっていいんだよ。君しかできないことは何?今見つけられなくてもいいよ。きっとみつかるよ。一緒に見つけよう。いつでも一緒だよ」って、おっしゃってくださいます。
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上毛組 (こうげそ) お寺の掲示板とは…
福岡県豊前市・上毛町・吉富町にある18のお寺でつくる浄土真宗本願寺派 (西本願寺) のグループ「上毛組」が、20年以上に渡って毎年制作している伝道ポスターです。仏教の教えや、仏さまのお心が伝わることを目指しています。
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このコラムを書いたお坊さんは…
福田 浄円 (正圓寺 副住職) さん
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