いっしょうけんめいのんびりしよう
「頑張る」の本来の意味は…
「今日も一日頑張りすぎない」と聞いて、違和感をもった人もいるのではないでしょうか。「今日も一日頑張りましょう」というほうがシックリきます。
小さい時から私たちは何をするにも親や先生、周りの大人から、学校に行って勉強を頑張れ、家に帰れば宿題を頑張れ、習い事を頑張れと言われ続けて成長してきました。大人になっても仕事を頑張れ、家事や子育てを頑張れと完璧を求められてきたのではないでしょうか。
「頑張る」は自分を励ましてくれる言葉ですが、本来の意味は我を張る。自分を押し通し、競争し、自分の利益を優先させるこという意味でした。
他と比べられ、勝ち負け、優劣を付けられ、損か得かでしか評価や判断をしなくなったのが今の世の中です。そんな現代社会に行き辛さを感じている人がこの言葉を見て、少しでもホッとしてもらえればと、この言葉を選びました。
ついつい頑張っちゃう自分にブレーキを!
私はお寺に生まれ小さい時から、「仏さまはいつでもどこでも見守っているよ、大丈夫だよ。そのままのあなたで素晴らしいんだよ。あなたを丸ごと認める仏はもう届いているから安心してね」と呼んで下さっている仏さまのお話を聞いて育ちました。
今私は、年長さんから小中高校生・大人の方へ、仏教の教えを取り入れながら空手の指導をさせてもらっています。試合や演武会に向けてみんなで頑張っています。
道場は昔ながらの板張りの武道場です。冬の稽古では隙間風がいつも入ってきて、手足が凍るように冷たくなります。その中をブルブルと震えながらでも頑張って寒さに耐えて道場にくる子ども達にまずは、「寒さに耐えて頑張ってよく来たね。すごいね。そんな自分をまずは褒めてあげてね」と言うようにしています。
しかし、練習に熱が入り、寒い中、頑張って来た事を忘れ、ついつい「もっと頑張れ、もっと真剣に練習しなさい」と言ってしまいます…。
「みんな寒い中すでに、よく頑張って来てるんだから、完璧にしなくたって、少しくらい頑張らなくてもいいやん。少し早く終わってあげたら」って、仏さまが私に言っている声が聞こえてきます。
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「良いな」と思ったら、掲示板の写真を撮って、ハッシュタグをつけてSNSでシェア!友人・知人にもあたたかな言葉のおすそ分け。
#お寺の掲示板
#こうげそ
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上毛組 (こうげそ) お寺の掲示板とは…
福岡県豊前市・上毛町・吉富町にある18のお寺でつくる浄土真宗本願寺派 (西本願寺) のグループ「上毛組」が、20年以上に渡って毎年制作している伝道ポスターです。仏教の教えや、仏さまのお心が伝わることを目指しています。
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このコラムを書いたお坊さんは…
福田 浄円 (正圓寺 副住職) さん
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