幸せは正多面体 [#幸せをテーマに書いてみよう]
コロンっと賽を振ります
幸せの目が出ました
今日はとてもいい日になりますよ
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人はみな、賽(サイ)を持っています。
人生という双六を進むため、毎日毎日、何度も何度も振っているのです。賽の目には “幸せ” と “試練” が同じ数だけ書いてあります。
続けて試練の目が出るとツライです。どうして自分ばかり…と泣きたくなります。逆に幸せの目が出続けても不安です。
「こんなに幸せでいいのかな?」って。
賽のカタチはサイコロみたいに安定していません。多分、正多面体でもっとも球に近い正二十面体です。ふわふわ軽い賽は、いつも幸せと試練の間でゆらゆらしています。
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賽には風が吹きます。
せっかく出た幸せの目を試練に変えようとします。弱い風の時は家族や友達の力を借りて、そして自分の力で幸せの目が変わらないように賽を守ることができます。
裏切り、憎悪、妬み。
ときには、身近な人に賽の目を変えられてしまうことがあります。とてもツライことです。でも、そんな人にも力を貸してくれる誰かが必ずいます。遠い場所からエールを送ることでも賽の目は変えられるそうです。
災害という突風が吹くこともあります。
このときは自分の周り、全ての人の賽が試練の目になってしまいます。しかも、ふわふわしていた賽は急に鉛のように重くなって試練のまま動きません。来る日も来る日も試練のままです。
でも、賽は少しずつ軽くなっていき、いつか賽を振れる日が必ず来ます。そんなとき、最初の一振りは幸せの目が出ることが多いそうです。
事故や病気、人生の途中で賽が振れなくなる方もいます。切ないです。
その方の賽が少しでも幸せの目が多かったことを祈るしかありません。
側で見守っていた人の賽は悲しみで真っ黒になってしまいます。どこが幸せでどこが試練か見分けがつきません。賽を振る気力もないでしょう。
でも、賽は時間をかけて少しづつ明るくなるんです。いつか、ここが幸せかな?とうっすら賽の目が見えてきます。それまでは、無理に賽を振らなくていいんです。前に進まなくていいんです。立ち止まって大丈夫なんです。
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ある期間、幸せや試練に偏る賽の目も、長い月日をかけると半々に収束していきます。誰もが一緒です。幸せの目しか出ていないように見えるあの人も、幸せと同じ数の試練の目が出ているんです。
嘘だと思うならサイコロを六千回振って下さい。各々の目は千回ずつ、限りなく1/6に近似していきます。決して偏りません。
長い長い、とても長い双六の最後。
ゴールの1マス前。あと一回、賽を振ればゴールです。最後の目は幸せが出て欲しいですよね。最後の最後に試練の目が出たらどうしよう? と不安になりますよね。
でも大丈夫。
最後に振るときは、特別な賽を使います。
その賽には、20面すべてに “幸せ” と書いてあるそうです。
ホントですよ。
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