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「仲がいい二人」の絵をAIに描いてもらったら、ジーンとくるシーンの連続だった
画像生成AIで盛り上がった8月。少し落ち着いた印象もありますが、画風を学ぶイラストサービスが批判を受けて配信停止したり、AIが描いた絵が米国の美術品評会で優勝し物議を呼んだりと話題に事欠きません。今年の流行語大賞は「AIアート」かもしれませんね。
ただ、ネットにAIアートが溢れたせいか、飽きが出てきたのも事実です。1年前なら神絵と崇められた下のような絵も、「あっ、AIが描いたヤツね」と今では冷静に見られてしまいます。人の慣れって怖いですね。
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やっぱり、人間が描く味のある絵には敵わないのかなぁ、と僕も思い始めてました。ところが、8月末に公開された「Stable Diffusion」というオープンソースのおかげでAIの作画能力が劇的に進化したんです。色々試した結果、人間味があるイラストも生成できるようになりました。
最近話題の画像生成AI。幻想的で写実的なイラストやアニメ的な萌絵が多く目につくけれど。こんな「人生の物語」を感じるイラストも作れるんですよね。
— こげちゃ丸 (@Koge0_ozeki) September 1, 2022
見てるだけでジーンときてしまう。#midjourney #stablediffusion pic.twitter.com/nIZcEbspGy
「年を重ねた二人」がテーマのAIイラストは見たことないな、と思ったんです。生成するたびにジーンとくるシーンの連続で、ぼくは夢中になりました。
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今回、一番驚いたのがこの絵です。この二人はどこにいるのでしょうか? 教会? それとも病院の待合室でしょうか。嬉しい瞬間なのか悲しいシーンなのか、二人の表情からは読み取れません。物語性を強く感じる一枚です。
AIのアップデートで大きく変わったのは構図なんです。今までは、人はなるべく顔を大きくしたバストショットが基本でした。AIは手足を描くのがとても苦手なんですね。それが改善され、構図が大胆になった印象です。AIが余白や余韻を描きだしたと思うと、ちょっと恐ろしさすら感じますね。
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画像生成AIは、文字通り日に日に進化しています。AIが描いた絵とはパっと見に判別できないレベルに近づいています。この急激な進化に、法制度や見る人の感情が追い付いていない状態です。AIが進化するほどに、それを使う人間にはモラルが求められるでしょう。トレパク(トレースをした悪質なパクリ行為)した作品を自分のオリジナルとして販売し炎上するのと同じように、AIアートも使い方を間違うと大変なことになりそうです。
ただ、AIは正しく使えば、その人のクリエイティビティを刺激する素晴らしいツールであることは間違いありません。
AIアートは、インターネットに漂う膨大な画像をつぎはぎして生成されたコラージュともいえます。コラージュの歴史は古く、1000年近く前から技法としては存在していたそうです。でも、芸術として認められたのは、20世紀初頭。ジョルジュ・ブラックとパブロ・ピカソが、その表現を芸術の域にまで高めたからです。
いま、AIアートを芸術と呼ぶには抵抗がありますが、将来芸術として認められる日が来るのかもしれませんね。