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春野菜七宝 #春野菜塗り絵コンテスト
今回はgmさんと仲さんが共催されている塗り絵企画への参加作です。
ある日、Twitterのタイムラインで目にした塗り絵の原画。この原画を好きなように塗ったり加工して、みんなで楽しみましょうというのが企画主旨です。緻密かつ精緻。驚きの原画がこちら↓
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すごくないですか?これ? どこが塗りでどこが白地にすればいいか分からないくらいの細やかな線、まさに大人の塗り絵ってヤツです。
いよぉっし、いっちょやったるかぁ~と筆を取りました。
線を塗る
人とは違った塗り方がしたいなぁと思ったんです。だから、まずはアイデアを練ります。色々考えて、最初に思いついたのが線を塗るです。普通、塗り絵って面が主役で線は脇役ですよね。それを逆にしたら面白いかも、と考えて出来たのがこの作品。
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線は塗るのではなく、写真をトリミングするという手法にしました。春野菜のシルエットで切り取った写真と、切り取られた写真を並べて間にコピーを置く。
うん、いい!
でも……
ビジュアルとしてはとても好きなんですけど、なぜかしっくりこない。なんでだろうと考えて、気づいたんです。
作業時間が少なすぎたから?
上の作品、着想から完成まで30分弱なんですね。多分、gmさんは原画を描くのに何時間もかけてるはず。写真も、無償でネットに公開されている、フォトグラファーが時間をかけて撮影したものを使っている。人の褌で相撲を取る感覚でしょうか。
これじゃいかん!と思ったんです。いや、もちろんこの企画にルールはないから、ササっと描いたらいけないなんて誰も思ってないのですよ。きっとどんな作品でもgmさんは、参加してくれたら嬉しいはずです。あくまでぼく個人の感覚。マウスを握る手が痺れるくらいの途方もない作業の先にある光(?)を見てみたい、そう思ったわけです。
そうは思ったものの、アイデアが浮かんできません。イラレで描き起こすのは仲さんが既にやってるし、カラフルな色使いのデジタル塗りはgmさん自身がやられそうだし……。と、思い悩むこと数日。いいアイデアが閃きました!
3Dで塗り絵をする
原画を3D化して、様々な素材をあてこんで素材の色で塗るというアイデアです。これは面白そうだと、早速塗り絵を開始しました。
① まずは3D化の準備
原画の解像度をPhotoshopで4倍くらい拡大します(4000×5500pixelくらい)。そうしないとパスの自動作成の精度が落ちるからです。
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結果も良い感じでした。しかし、こうして見ると原画の緻密さが際立ちますね。ここから、3Dソフトで読み込める形式(dxf)に線画を変換して3D化の始まりです!
② 3Dソフトで立体化
最終的に素材で色付けするので、木のパズルみたいな立体をイメージしました。真上から見た大きさはA4サイズくらい。厚さ1cmくらいで押し出して立体化するのがゴール。まずはラインデータを3Dソフトに取り込みます。
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おぉ、いい感じです。まずは土台となる最外形を立体化してみましょうか。
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あれ? なにこれ?
立体にならずに帯になっちゃった!?
これでは色をのせられません。これは線が閉じてないと起きる現象。おかしいなぁ、ちゃんと線同士をコネクト(結合)して閉じた線にしたはずなんだけど?? 解析コマンドを使ってどこに隙間があるかを探します。
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あった! でも、パっと見には繋がってるように見えるけど……。どれくらい離れてるか確かめてみましょうか。
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ひゃーー! わずか0.0099mm
これは見ただけでは気が付かない。すき間を繋いで立体化すると、ようやく梅の木のカタチをした薄い板ができました。
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ふぅ、ここまでで既に1時間が経過。けっこう疲れたなぁ。この原画、何個の線でできてるんだろう?と思いプロパティを見てみます。
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1109個!?
えっ、ちょっと待って。線のどこが閉じてないかを調べて隙間を繋げて立体化するのに、どんなに急いでも1分はかかる。単純計算で1109分。ということは、1109/60=18.48時間!
立体化するだけで20時間近くかかる、そこから色を割り当てるとすると……どう考えても24時間以上かかるかも!!!
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まっ、いいか (*´ω`*)
もともと、効率よく塗ることが目的じゃないから時間がかかるのは苦ではないんです。仕事の合間を見つけて、ポチポチ、ポチポチと隙間を埋めていきます。幸いにも半分以上の線は閉じていたので、3日ほどで問題なく立体化できました。
ジャン!!
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長くかかった下準備もここまで。いよいよここからパーツにマテリアル(素材)を割り当てて色を付けていきます。この色もいいな。いやいやここに指し色を入れた方がいいかも……と悩みながら色をのせていきます。この試行錯誤の時間が一番楽しいですね。そして、ついに作品が完成しました!
春野菜七宝
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当初考えていた素材の色(木なら茶色とか)で塗るのはやめて、あるモチーフで色付けしました。そのモチーフは、七宝です。七宝とは、主に金属の素地にガラス質の釉を焼きつけて装飾する技法のこと。
ここまで細かな七宝焼きをリアルに作るのは相当大変ですが、3DCGならできる。美術館で展示されている姿をイメージしながら、光源を調整しレンダリングしました。
個人的に気に入ってるのは、アスパラガスの光沢とその傍らにいる梅の花のコントラスト。
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ウドとカブの葉も色味を微妙に変えています。タマネギの後ろから出てくる春菊もかわいい。
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この梅が欠けてるところもワビサビの美しさを感じます。欠けているからこそ、美しい。ミロのビーナスのようです。
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小さいときに大好きだった、塗り絵の楽しさを思い出しました! gmさん、そして仲さん、ありがとうございました~!
*Twitterへの投稿は締切り日である2/15に投稿します。