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降りろの向こう側

────エッセイ

オリローって知ってます? 訓練のときに体験した人もいるかもしれませんが、避難器具のオリローです。今日、歯医者の待合室で壁に貼ってあった使用法のポスターを見て、懐かしいなと思ったんですよね。

ぼくが小学生の頃、オリローは製品名でした。教室で誰かが「オリロー!? ダジャレかよ」と大笑いしていたのを覚えてます。2018年から社名もオリロー株式会社に変更したみたいです。日本の商品名ってダジャレが多いですよね。商品名を覚えてもらうのにダジャレは最強のツールだ、みたいなことをマーケティングの授業で習いましたが、まさにその通りかも。

でもね、ふと思ったんです。「オリロー」って漢字で書くと「降りろー」、ちょっと命令っぽいなって。感嘆符を付ければ「降りろー!」と命令口調が強まります。今どきのSNSだと、こういうのにいちゃもんつける人いそうですよね。「降りろは命令形で威圧感がある!名前を変えるべきだ!」なんて炎上しちゃったら笑えません。

このたび、消費者からのお声を真摯に受け止め社名を変更することになりました。新社名は「ORIYO株式会社」です。

なんか緊迫感がないですよね。そういうことも踏まえて「オリロー」という名前を付けたのかな、とも思います。こんな感じで、昔は全然気にならなかった名前も、時代が変わるとちょっと違和感出てくることってあるんですよね。

例えば、ぼくが大好きな「GYAKUSOU」っていうランニングブランドがあったんです。「逆走」って意味なんですけど、代々木公園を逆回りに走るのがきっかけで生まれたブランドです。服のデザインもブランドコンセプトもカッコいいなぁ、と毎シーズン新作を購入するほど大好きなブランドでした。

画像引用元:https://leak.tokyo/2019/02/nike/nikelab-gyakusou-sp19/

でも、数年前にいきなりなくなっちゃったんです。ビジネス的な理由もあるだろうけど、ランニングコースの逆走って禁止しているところが多いじゃないですか。もしかして、そういうコンプライアンス的な理由もあったのかな、と考えたこともありました。

日々の生活や仕事でも、コンプライアンスって大事ですよね。でも、あんまり真面目すぎると人生が干からびちゃう気がします。ほどよい緩みを保って生活したいなと思います。

みなさんも、昔あった面白い商品名とか、今だったらちょっとアウトかも?って思う名前、思い当たるものありますか? そんなネタを肴にお酒を飲んだら楽しそうですよね。



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