藍羽放浪記・・・ミルティノ地方編#3
相棒になってくれてツタージャと共に、僕は仲間を探す為、ロクショウタウンから旅に出ることにした。
できるだけくさポケモンのいそうな場所を探してロクショウタウン近辺にある平原まで足を運ぶ。
平原には木々が少しだけ生えていてサバンナにも似たような雰囲気を感じさせる。
木陰では、イワンコやガーディ、オオタチ等が体を寄せあって昼寝をしている姿が見える。
なんだか少し微笑ましい。
そうして平原を歩いているとお腹の虫がなる。
「そろそろお昼かぁ。ここらでピクニックしてみるのもいいかもなぁ。」
そう思って空いてる木陰を探して、僕は小さな簡易テーブルと椅子を開いて昼食の準備をする。
今日のお昼はサンドイッチにしよう。
ハム野菜サンドなんてツタージャも喜びそうでいいかなぁ。
そんなことを考えながら僕はサンドイッチを完成させてツタージャの入ったボールを手に取り、宙に投げる。
「ツタージャ、ご飯だよ。出ておいで〜。」
「ツタージャッ!」
ツタージャはボールから出てくるなりサンドイッチを見つめると食べていいか?と聞くように僕に目線を向ける。
なんだかすごく愛らしいなぁと思いながら僕は首を縦に振る。
するとツタージャは飛びつくようにサンドイッチを食べ始めた。
お腹がかなり空いていたのかもしれない。もう少しちゃんと食べさせてあげないとなぁ…
僕はペットだったりそういうのを飼うことが苦手で中々どうしたらいいか分からないことがあった。
これからはこの子のためにも少しづつポケモンの気持ちをわかるようになっていこう。
「痛った!?」
突然頭上に鋭い痛みが走った。
木からなにか落ちてきた…?
自分の座っている横をなにかがコロコロ転がるのが見えた。
(りんご…?)
違う、カジッチュだ。
(そういやこいつもくさタイプなんだっけ?)
..…
僕は頭を抑えながら、もう片方の手でふと新しいボールを投げる。
…
..…
.....…
カチッ..…
入った。
不幸中の幸いというやつだろうか。頭痛はするが仲間は増えた。
ふと、ツタージャに目を向けると未だに頭を抑えて痛そうにしている僕をツタージャが心配そうに見つめていた。
僕は痛む頭を抑えながら、ツタージャに軽く笑顔を向けて
「2人目の仲間、ゲットしたよ」
と言うとツタージャも笑って
「ジャッ!」
と返してくれた。
こうして僕のパーティに新たな仲間が加わった。
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