藍羽放浪記・・・13ページ目
あれから僕は夏希と連絡先だけ交換して、喫茶店を出た。
交換したとて、環境どころか世界が違うなら通信なんてできないだろうと思っていたけど…
元の世界の僕のスマホにLI〇Nが来た。
いったいどんな理屈で届いているんだとびっくりした。
僕の向こうの体は今、あのあと見つけた宿に泊まっている。無論、動くことは無い。
思えばこっちの世界でちゃんと日記を書くのは初めてだろうか。
向こうの話ばかりでいいからまとめておこうと思って書いていたけど、不思議なことがこちらで起こったから書くことにする。
僕はよくYou〇ubeで占いの動画を見る。
というか、寝る前に垂れ流しにして見るという感じではあるけども…
不思議なこと、と言うのは占いの結果があの「老父」の言ってたことと酷似していたこと。
そしてめくられたカードは
「恋人」
「隠者」
「女帝」
「愚者」
「正義」
「塔」.…
ここで気がついた事は、あの噴水で見た人たちのイメージがそのままカードに出ているという事。
あの時感じたどこかで見たような感覚がわかってとてもスッキリしたと共に、これからの自分の運命がちょっと怖くなった。
早めに向こうでの調査を済ませた方がいいかもしれない。
さて、今日は定時で帰れそうだ。
会社で日記書いてるのかって?
休憩時間だよ。
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