2点あります。1点目は、水野委員がおっしゃった、欧米にはある規定を日本でここで明らかにするということなのだと、やっと追い付くのだという話なのですけれども、それって欧米の20世紀に追い付く話なのです。もう21世紀になっているのです。もう20世紀の法とか政策というのは変わっているのです。それを20世紀に追い付いてどうするのだと私は思います。欧米の国が植民地をさんざん作って、それに少し遅れて日本が植民地を作り始めて、みんなに怒られたということがありますけれども、何かそれと似たずれ方を感じます。ですから、父母の責務をはっきりさせることではなくて、今大事なのは、父母だけでは育てられないということをはっきりさせるのが21世紀的だと思うのです。という意味で、何かそういうものを、だから、父母がその責務なり権利・義務なりを負うなら、それを実行できるように国がサポートするとかいうことがやはり書かれるべきだと思うのです。そうではないと21世紀にならないと思うのです。これが1点です。
それからもう1点は、養育と扶養のことですけれども、私もやはり養育という方がよいと思っていまして、扶養というのはやはりお金とか体のことだけみたいな。人格的な関わりというのがやはり親子関係とか養育というときには重要だと思うのです。だから、そこまで入れないでお金だけ出させるというのは何なのだろうという。発想が逆転しているような気がして。何人かの方は養育費を別居親からどうやって取るかというところから話を始めていませんか、それは逆転していると思うのです。やはり理念から決めるべきではないのですか。理念から考えるのだったら、父母がこどもに対してすることは、ただ体を育ててあげる、お金を出すことではなくて、人格的な関わりも通して本当の意味で人間として養育することですよね、それを否定するような書き方になるのはまずいだろうと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。落合委員からは2点、一つ目は20世紀的、21世紀的というお話がありましたけれども、先ほどおっしゃっていた社会的支援について書き込むことが是非必要だという御趣旨の御発言かと思います。それから2点目は、先ほどから出ている扶養、養育で、ここは意見が分かれているところだと認識いたしましたが、養育の方がよいという御意見として承りました。