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法制審家族法制部会第19回会議議事録3~石綿幹事・菅原委員・北村幹事・武田委員

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やっぱり、読書会していきたいなー

そんなことを想いながらの議事録読み

○石綿幹事


 幹事の石綿です。水野委員、棚村委員の御発言と重複する点も多いのですが、発言させていただきます。まず、冒頭に北村幹事から法制審の部会についての一般論の御説明があり、水野委員、棚村委員の御発言もあったことですが、法制審の部会というのは、法務大臣からの諮問を受けて部会として独立して見解を示すのが役割であると理解しております。その点から考えますと、前回までの議論を踏まえて、予定どおり本日の部会で中間試案を取りまとめるというのが原則的な進め方であると考えております。また、理論的には特定の政党や団体からの意見に法制審議会の議論の内容、進行が拘束されるものでもないと考えております。この点は、大変僭越ながら、今後の本部会の議論、進行のみならず、他の法制審議会の部会の在り方にも関わってくる問題であると考えておりますので、重ねて発言させていただきたく存じます。
 しかしながら、本部会で問題になっている離婚後の子の養育に関する問題については、部会内での今までの議論からも明らかなように、子の利益を第一にという思いは共通しているものの、具体的な制度の在り方については部会・国民の中に様々な意見があるものと理解しております。そのような状況であっても、法制審の部会に参加する者としては、今後、中間試案を経て最終的に取りまとめることになる要綱案が国会で審議され、最終的に国民に広く受け入れられていくものであってほしいと思っております。そして、本部会での検討課題は、父母が離婚した家庭の子の利益を実現していくということを考えると、立法的な対応をしていくことというのも不可欠であると考えております。子の利益のために立法する、そして、その立法が広く社会に受け入れられていくということを考えるのであれば、本部会の検討課題について、国民の様々な意見に耳を傾けながら、国民に納得していただけるように議論を重ねていくという視点も重要なのではないかと考えます。
 したがいまして、中間試案を提示しパブリック・コメントを募集する前に、棚村委員からの御発言があったように、分かりやすさや説明の仕方等について更に議論等をするということを再検討し、本日の段階での中間試案の取りまとめを先送りするというのも一つの選択肢として考えてもよいのではないかと思います。
 最後に、それを踏まえて、もし本日、中間試案の取りまとめを先送りした場合、今後どのように何を議論するかということが次の課題になるのではないかと思います。この点も棚村委員の御発言と重複いたしますが、発言させていただきます。現在の中間試案の案は複数案が併記されている状況でして、これを一つの案に収斂していくことを目指すのかといったようなことも問題になるかと思います。これに関しましては、例えば、直近の法制審議会の親子法制部会での懲戒権の規定等も中間試案の段階では複数案が併記されていたというような前例もあったかと思いますので、今後の中間試案の取りまとめについても、現在の案のように複数案を併記しつつ、同時に補足説明等で丁寧な説明をし、広くパブリック・コメントで意見を聴いた上で、最終的に要綱案の段階で部会として一つの案に絞って提案をしていくという当初の予定どおりの方向性は排除されるものではないと私自身は考えております。
 長くなりましたが、以上です。よろしくお願いします。
○大村部会長 ありがとうございます。石綿幹事からも、基本的には今まで御発言があった水野委員、棚村委員のお考えと同方向の意見が示されたものと理解をいたしました。分かりにくいのではないかという問題はあるとしても、甲案、乙案が併記されているというのは、中間試案の段階では普通に見られることなので、それを統一する必要はないだろうという具体的な御意見を頂戴いたしました。さはさりながら、説明について工夫するといったことについては、石綿幹事も、あってよいという御感触であると受け止めさせていただきました。
 たくさん手が挙がりましたので、申し訳ありませんが、菅原委員のところで一旦切って、武田委員の御質問に事務当局からお答えを頂いて、武田委員、戒能委員、池田委員という順番で進めさせていただきたいと思います。

結局のところ、先送り案へ


○菅原委員


 ありがとうございます。では、手短に発言させていただきます。今、御発言がありました水野委員、武田委員、それから石綿委員、棚村委員と私も基本的に同じような考えを持っておりますので、そのことを表明させていただきます。本来ですと今日の会議で中間試案を取りまとめると、そういうふうに私も思っておりましたけれども、北村幹事もおっしゃられるように、この問題に対する国民の関心は非常に高く、また、改正後に影響を受ける方々も多くいらっしゃり、特に離婚家族の子どもたちにとっては非常に大きな影響が及ぶことになります。
 私自身はこの間、とても難しくて分かりにくかった案が少しずつ整理されてきて、選択肢がはっきりして分かりやすくなったと思いましたけれども、やはりこの間の様々な報道や国民の意見を見聞してみますと、まだまだ分かりにくいというところがあり、やはり誤解がなきように正確に伝わるようにしなければいけないと感じております。ですので、中身そのものについて大きく外部に影響されるということは、私も全く正しくないと思っておりますが、少なくとも誤解がないように伝えられるように、もう少しブラッシュアップしていくということは非常に重要であると感じております。
 ですので、今日、取りまとめを無理に完了させるというよりも、もう少し検討する時間を取って、よりよいものを提出するという選択肢も一つあるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。
○大村部会長 ありがとうございました。菅原委員からも、これまでの発言と同方向の御意見を頂きました。様々な方々、広く国民の日常の生活に関わる問題であるので、分かりやすい説明が必要なのではないか。もっとも、分かりにくい、分かりにくいと言っているわけですが、今の御発言にもありましたように、最初の段階から見ると、ずいぶん分かりやすくなったと私自身は思っております。さはさりながら、それはこれまで長い時間を費やしてこの場で議論をすることを通じて私たちが共通の前提を持つに至っているので、理解ができているということもあります。また、そもそも問題自体が難しいということもあります。いずれにしても、更にもう少し工夫する必要があるのではないか、そういう御意見として今の菅原委員の御意見を伺わせていただきました。
 では、先ほど武田委員から、様々な意見というのはどのようなものか、再考するとしたらどのような方向かといった御質問がございましたが、その辺りについて事務当局の方で今の段階で何かありましたら、お答えを頂ければと思います。

先送り案可

○北村幹事 


事務当局でございます。先ほど様々な意見というふうに御説明させていただきました。また、具体的にどんな発言があったのかといった御質問もあったやに思います。一般的に政党の部会については公開されているものではございませんので、それを私の方から何か御説明するということは差し控えさせていただきたいと思いますが、いろいろな形で様々な意見がこの部会に対しては寄せられている、その中の大きなものとしては、やはりこのパブコメの対象となる中間試案の中に原則、共同親権の原則、共同監護といったような案が分かりやすくなっていないであるとか、複数の案が併記されており、それが分かりにくい、あるいは、また逆に非常に慎重な御意見をも多々頂いている、様々な意見というものは、そういう御意見を、既に部会の中でも頂いているわけではありますけれども、更に部会の外から多数の御意見を頂いているところでございます。
 そういったものを踏まえ、では、どういう方向で何をどう進めるのかについて、先ほど棚村委員、石綿幹事からなどからも御指摘がございました。ただ、何をどうするのかにつきましても、現時点で事務当局としてお答えできるところがまだあるわけではなく、むしろ御議論を頂きつつ考えたいと思っている状況でございまして、申し訳ございません、今の段階で明確にお答えできるところは余りないところでございます。

原則共同親権共同監護案もあるってことよね?

○武田委員

 ありがとうございました。本日時点の現状は理解をいたしました。であれば、冒頭、水野委員、棚村委員、石綿幹事、菅原委員から御示唆いただいたように、本日時点、今日をもってこの中間試案を取りまとめるということは見送るしかないというのが現実解かなというのが私の率直な思いでございます。私のように法学者でもなくて、今回、法制審、こういう会議体に参加させていただいた立場であっても、ほかの委員の先生方がおっしゃった、中間試案の取りまとめは飽くまでも部会の中で決めることということに関しては、本当にそうだと思っています。なので、異論も含めて、ほかの先生方の御意見も聴いた上で、最終的な見解を出したいと、そんなふうに思いますが、現時点では今日は見送るしかないというのが現実解と、そのように感じます。
 少し余談になりますが、1点だけ。私はこの部会が設置されることが決まって、委員に任命されることが決まった直後、私はこの活動を、ボランティアでありますが、8年ぐらいやっておりまして、長年御支援いただいた超党派議連の国会議員の先生から言われた言葉があります。具体的には、これは子どものための法案であると、祝福されて生まれるように、みんなに祝福されて生まれる法案であってほしい、これが1点です。これを実現するために、この会議体に出席する際には禍根を残さないように議論を進めてほしいという助言を頂いたことを今回の件でもう一度思い出しました。いろいろと個人的な思い、それはありますけれども、改めてこのアドバイスを思い出して、今もそのように思っているということをお伝えしたいと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。武田委員からも、先ほど御質問に対するお答えを踏まえて、今日のところは見送りということではないかという御意見を頂戴いたしました。

え?差別との闘いになるのに???



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弁護士古賀礼子
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