法制審議会家族法制部会第4回議事録9第2部4~菅原委員・武田委員・藤田幹事
怒涛の調停ハシゴを終えて、思いのほか、疲弊しているようだった
そんなときに、記事をストックしておいたことは、過去の自分に感謝したい
議事録を読む、読み合う、そこから次のアクションに繋がっていったり、種まき活動はいつか芽吹くかも!!
手作り法制審アクションもあるみたい!!
さて?
○菅原委員 菅原です,よろしくお願いします。
ヒアリングについては,ほかの委員と共通するところが非常に多いのですけれども,発達心理学の立場で参加させていただいているという点で,特に前半のところでお話を頂戴しました,離婚を経験したお子さんの立場からという3名の方のお話からは,これまで様々発達心理学の中でも言われてきた,子どもにとって養育費の問題,経済の問題が重要であるということ,それから希望や事情に沿って面会交流が自由にできることの大切さ,また発達段階によって子どもの希望や事情はいろいろ変わっていくということを踏まえることの重要さを確認することができました。また,子どもが相談できる場所があることが大事だということも出てきましたが,その辺りにつきましては,子どもにとって重要なことであるというエビデンスも既にあるところですので,今後の法制度の制定のところに生かしていただきたいと思います。
明石市の泉市長のお話も大変感銘を受けました。非常に細やかな制度をもう作っていらっしゃって,地方行政の中で実行されているというところで感銘を受けたのですが,泉市長が出された資料の中に,法制審議会へのお願いというものがありまして,1番目に子どもの権利の明確化というところで3点挙げられていました。子どもの権利としての養育費の請求権と面会交流を求める権利というのを明記してほしいということ,また離婚に際しての子どもの意見表明権の保障をしてほしいという3点でした。この辺り,私は法制度の専門家ではないので,今回の改正の中でどう生かされるのか詳しくは分からないのですけれども,是非これらが実現される方向性で,子どもの権利として位置付けていただけるような法制度の議論を本部会でしていくことが必要だと思っております。
今後の進め方ですが,親権,監護権,それから未成年養子の問題,財産分与権は全て離婚後の子どもにとって非常に重要なことですので,一通り議論を先に進めていただいて,適宜必要なものはまたヒアリングをしていくという方法に賛成です。
それから,海外の制度については非常に奥が深いことだということも分かりましたが,やはり一覧表にしていただいたガイドがあると,私たち領域外の者もおりますので,有り難いと思います。その際に,公的な支援の制度を持っている国については,そのことも一緒に一覧表に入れていただけると大変有り難いと思いました。
以上です,よろしくお願いいたします。
○大村部会長 ありがとうございました。ヒアリングについての感想のほか,進め方として,一通りまず全体を見渡すことが必要で,子どもの権利という観点から,そうすることが望ましいのではないかという御意見,それから,外国法については,一覧性の高い資料というのが欲しいという御要望を頂きました。
そのほか,御発言いかがでございましょうか。はじめに,ヒアリングについての感想をと申し上げましたので,最初の方で発言された委員,幹事の中には,進め方ということであれば,また別途意見があるという方もいらっしゃると思いますので,そういう方々の御意見も含めて御意見を頂ければと思いますが,さらに御発言はございますでしょうか。
○武田委員
進め方ということで,ちゃぶ台をひっくり返すわけではないんですが,私は元々,やはり離婚後の子の養育の在り方,ここは議論が錯綜するとか空中戦になるとかという御指摘はそのとおりだと思うんですけれども,本来はそこから方法論として入り,面会交流,養育費ということには個別論として入っていく,そういうアプローチの方が元々はよいのではないかと思っておりました。ただ,今日の先生方のお話をいろいろ聞きまして,養育費と面会交流から分けて検討するという流れについては,それはそれでアプローチとしてよろしいかと思いますので,賛同いたします。
これも委員の先生方皆さんおっしゃっていただきましたが,面会交流,養育費ともにどちらも重要ということの共通認識の上で,進め方をどう進めていくのかというお話になろうかと思いますので,大筋後半の先生方がおっしゃっていただいた進め方に賛同をいたしたいと思います。
ただ,やはり私どもは当事者団体でございますので,この養育費と面会交流の関係ということに1点だけ,意見を述べさせていただきたいと思います。
養育費の重要性,全く異論ございません。子のための養育を考えた場合,養育費という経済面,非常に重要です,ただ,それのみで本当によいのかというところが,非常に私どもが昔から懸念を持っているところでございます。面会交流ができなければ養育費を支払う必要はないと,こういう条件付けは,当然間違いだと思っています。しかしながら,一方,養育費について合意がある,合意どおりに遅滞なく養育費を払っている,しかしながら,一方,面会交流に関しては,裁判所の調停に話合いを委ねて,約1年は合意に至らない,合意に至るまで1年掛かる。合意した場合も,月1回2時間程度という,現状の相場かと思っています。昨今,1年以上,このコロナの影響で親子の交流が断絶してしまっているというケースも非常に多くなっています。法務省さんからの1年前に見解が出ましたけれども,あれで改善する兆しは正直ございません。そういう相談が今,止まらないような状況であること,当然DVはない前提でのお話でございます。こんな中,心がおかしくなったり,それによってリストラされたり職を失う,こういう例も散見されます。
先生方にお伝えしたいのは,子どもとの交流が多ければ養育費が適切に支払われるという関係,これは,私がこれまで別居親を支援してきた中,実感としてございます。子どもと離れて暮らす親の気持ちとして,是非先生方に御理解いただきたい。すなわち,面会交流を適切に実施するということは,養育費の確保にもつながる。養育費を数年払って終わりとは思っておりません。やはり支払い続けること,これが非常に重要だと思っております。そういった継続的な支払を確保するという観点からも,面会交流の適切な実施を図ることは重要なのではなかろうかと,こんなふうに思っております。
また,先に面会交流がなされるケース,安全・安心にきちんと面会交流ができたということになりますれば,養育費の請求をちゅうちょしていた監護親の皆さんに,安心して養育費を請求する動機付けにもなろうかと思っています。したがって,子どもたちのためにも,具体的な議論の順序は別ですけれども,関連付けて議論させて終着点に至るのがよいと,このようなことを皆さんにお伝えしたいと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。養育費と面会交流とを一応分けて議論をするということでも構わないけれども,しかし,その間には関連性があるということについては,留意をして議論を続けたいという御発言として受け止めさせていただきました。
ほかにも御発言があろうかと思いますけれども,今,具体的な議論の順番の話も出ております。部会の最初で説明がありましたが,事務当局の方で議論の進め方のたたき台として,ごく大まかな一案を作っていただいておりますので,具体的なイメージを持ってこの後のことを考えるために,これについて説明していただいて,更に御意見を頂いたらいかがかと思います。事務当局から御説明を頂けますか。
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