法制審議会 家族法制部会第3回議事録10~養育費及び面会交流に関する論点
無事合同勉強会終了 フリートークが白熱しすぎましたが、前半30分小出し このあと、貴重な共同養育コーチによる対話力を学ぶ講座で、さらに盛り上がる、アツい夏夜となりました!!
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議事録読み進めていかないと! 気づけば、ヒアリングが終了して、意見交換となる
本日は,部会資料3に基づいて,養育費及び面会交流に関する論点の検討ということで御意見を頂きたいと思っております。
○原田委員 すみません,進行について少し御意見を言わせて……
○大村部会長 短くお願いいたします。どうぞ。
○原田委員
今,ヒアリングの結果についての共有のお話も少しありましたけれども,今までのヒアリング,前回と今回のをどんなふうに受け止めているかということを前提として,今回提案された資料の中で,ヒアリングに基づいているのかなと疑問を感じるところも多々あるので,このままの議論というよりは,この中でそういうことがあれば,それについての意見を途中でも差し挟ませていただければと思っております。
○大村部会長 部会資料3についてこれから御議論いただきますけれども,その中でヒアリングと関連付けて御発言いただくというのは結構かと思いますので,御意見を頂ければと思います。また,それとは別にヒアリング全体についての御意見をお持ちの方も多々いらっしゃると思いますので,それはそれで機会を設けて伺うことができたらと思っております。
○赤石委員
ヒアリングについての意見交換はいつということでございましょうか。
○大村部会長 最後に少し,これ以降の進め方について,時間が限られていますが,お諮りをして,皆さんに御意見を頂きたいと思っております。そのための時間を考えますと,部会資料3については今日は余りできないと思っております。しかし,せっかく準備いただきましたので,少しだけ検討に入りたいと思っています。赤石委員の今の御質問に差し当たり私の考えを申し上げますと,次回に時間を取ってもらおうと思っております。そのことも含めて最後に改めてお諮りをさせていただきたいと思っていますので,今日の最後のところまで少しお待ちいただけますか。
○赤石委員 はい。
○大村部会長
では戻りまして,部会資料3について御説明を頂こうと思いますが,この中に出てくる論点の中で問題になるDVの現状や検討状況について,内閣府の方から最新の状況を提供していただいてはいかがかと考えております。前回会議で内閣府が参考資料として提出されたDV対策の今後の在り方,男女間における暴力に関する調査報告書に基づきまして,内閣府の難波幹事から簡単に御説明を頂き,その後に部会資料3についての御説明を頂く。その上で時間があれば,それについて多少意見交換をし,次回の内容について皆さんにお諮りする時間を残すという形で残り時間を使いたいと思っております。
赤石委員,それでいいですか。
○赤石委員
私としてはもちろんヒアリングについての意見交換をし,そしてヒアリングの足りない点について,いろいろ多々あると思いますので,それを議論するのが本来のやり方だと思っております。ですが,御用意されているものがあるということなので,意見を言って,その後にきちんといかしていただきたいと思っております。
○大村部会長 ありがとうございました。御意見はよく分かりましたので,これから用意しているものについてお話を頂いて,その後,この後の取扱いについて少しお話をしたいと思います。
ということで,まずは難波幹事の方からお願いをできればと思います。
○難波幹事
内閣府男女共同参画局男女間暴力対策課長の難波でございます。本日はよろしくお願いいたします。私の方から,先ほど部会長の方から御説明がありましたが,現在どのようなDV対策がとられているかということと,今後どのような方向で検討がなされていくかということにつきまして,前回会議に参考資料としてお配りさせていただいた資料に基づいて御説明をさせていただきます。
まず,参考資料2-4を御覧いただければと思います。こちらの資料がDVの現状といたしまして,本年3月に公表いたしました男女間における暴力に関する調査の結果の概要になってございます。この調査は,男女間における暴力に関する実態把握のため3年に一度調査をしているものでありまして,全国の二十歳以上の男女5,000人を対象に行っているものでございます。
このうち3ページ目からが配偶者からの暴力に関する調査の結果となります。まず一つ目ですけれども,配偶者からの暴力の被害経験につきましては,全体で22.5%,約4人に1人が配偶者から暴力を受けたことがあるという結果が出ております。暴力の種別では,殴ったり蹴ったりなどの身体的暴力が一番多く,次いで暴言を吐く,長期間無視するなどの心理的攻撃が多くなっております。その下の2のところですけれども,配偶者からの暴力の被害経験を男女別に見たものでございます。身体的暴力,心理的攻撃,経済的圧迫,性的強要,いずれの行為におきましても,男性よりも女性の方が被害に遭った経験の割合が高く,女性の25.9%,約4人に1人が被害経験があると,10.3%,約10人に1人は何度も暴力を受けたというような結果が出ております。
次に,4ページ目になりますけれども,配偶者からの暴力の相談経験について聞いたものになります。被害を受けた女性の約4割,男性の約6割はどこにも相談をしていないという結果が出ております。次に,配偶者からの暴力被害を受けたときの行動,相手との関係をどうしたかということについて聞いたものでございますけれども,男女全体では相手と別れたという人は15.5%となっております。女性では,別れたい(別れよう)と思ったが別れなかったというのが44.1%で最も多く,男性では,別れたい(別れよう)と思わなかったというのが40.6%で最も多くなっております。
5ページ目になりますけれども,配偶者による暴力への被害経験について聞いたものでございます。子どものいる被害者の26.5%。約3割が子どもへの被害もあったと回答をしているところでございます。その下の,配偶者からの暴力被害により命の危険を感じた経験について聞いたものでございますが,被害を受けたことのある人全体では13.2%,約8人に1人が命の危険を感じたことがあると,特に女性では18.2%,約5人に1人が命の危険を感じたことがあるという結果が出ております。
また,DV相談の状況について申し上げますと,先週の金曜日に昨年度の状況を公表させていただいたところですが,全国の配偶者暴力相談支援センターと,あと,後ほど御説明しますけれども,新たな相談窓口であるDV相談プラスに寄せられた相談件数を合わせますと,昨年度,令和2年度は19万30件となりまして,一昨年度,令和元年度の相談件数11万9,276件と比較しますと,約1.6倍になっているというところでございます。
次に,参考資料2-3を御覧いただければと思います。こちらが本年3月,男女共同参画会議の下の女性に対する暴力に関する専門調査会で取りまとめましたDV対策の今後の在り方に関する報告書の概要,それから,後ろに本文の方を付けてございます。今日はこの概要に沿って御説明をさせていただきます。
この報告書の取りまとめの背景ですけれども,令和元年6月に公布をされました児童福祉法の一部改正法の附則で,DV防止法における通報の対象となるDVの形態,保護命令の申立てをすることができるDV被害者の範囲の拡大等について検討を加え,必要な措置を講じることとされていることなどを受けまして,DV対策の現状と課題を整理したものになってございます。
初めに,DV対策について,今現在内閣府で取り組んでいることについて御説明をいたします。概要のところは,1,これまでの取組というようなところでございますけれども,本文で申し上げますと4ページ目から6ページ目になります。内閣府では民間シェルター等の支援のため,民間シェルターと連携して先進的な取組を進めております都道府県等に対し交付金を交付しております。また,その効果検証を行うというパイロット事業を昨年度,令和2年度から始めております。また,加害者対応としまして,令和2年度においてDV加害者プログラム,被害者支援と位置付けまして,自治体を実施主体としてノウハウを蓄積してきた地域の民間団体と連携して,試行的にDV加害者プログラムを実施し,今年度も引き続き試行実施をすることとしております。さらに,最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながる全国共通番号を昨年,令和2年10月から #8008 ,はれればという短縮化すること,また新型コロナウイルスの問題に伴います生活不安やストレスでDVの増加や深刻化が懸念されるという状況に対応するため,新たな相談窓口としましてDV相談プラスという窓口を昨年,令和2年4月に開設しまして,24時間対応の電話相談に加えまして,SNS,メール相談など,多様なニーズに対応できる相談体制をとっているところでございます。
次に,概要の2ページ目になりますけれども,DV被害者支援の更なる充実を図るための課題として指摘されていることについて,ポイントをかいつまんで御説明いたします。本文で申し上げますと32ページ目からになります。まず,先ほど背景で申し上げましたDV防止法上の通報,それから保護命令の関係の暴力の形態などにつきましては,まず精神的暴力については,被害者がコントロールされ続けた結果,心身に不調を来したような場合には,暴力による疾病として捉えられるのではないか,次に,性的暴力に関しましては,望まない妊娠をもたらすものであり,それにより命が脅かされることは身体的暴力と同視して同等に扱うべきではないか,身体的暴力以外の暴力全般につきまして,法益侵害の程度や被害者に与えるダメージは心理的な暴力と変わるものではなく,身体的暴力と同様に扱うべきではないかといったことが指摘されているところでございます。
次に,少し飛ばしまして,4のDV対応と児童虐待対応の連携につきましては,配偶者暴力相談支援センターと児童相談所,どちらが先に関与することとなったとしても同じ支援が受けられるよう,関係部署,機関の合同研修,相互研修ということを行うことが必要ではないかということが指摘されているところでございます。
次に,また少し飛ばしまして,6,逃げられない,逃げないDV対応ということでは,逃げられないDV対応,コントロールされ,力を奪われて,考えることもできないような状態にある,そのことにつきましては,まず精神的なサポートを充実させ,本人が自分のために意思決定できる流れを作っていくことが必要ではないか。逃げないDV対応,これは本人の選択ということになりますけれども,それについては,加害者が逃げることを前提とする支援は,就業継続を困難にしたり,支援そのものへのアクセスをためらわせる原因になり得ることから,被害者が逃げることなく安全を確保できる制度を組み入れていく必要があるのではないかといった指摘をされているところでございます。
さらに,その他としまして,概要の資料には記載しておりませんけれども,本日の議題であります面会交流に関しましても本文の40ページの方に簡単に記載がされております。面会交流を行う際にはリスクの十分なアセスメントが必要であると,また,例えば被害者や子どもへの精神的な影響が甚大な場合,子どもの利益を最優先する観点から,心身が回復するまで面会交流の実施を保留するなど,ケース・バイ・ケースでの柔軟な対応の検討が必要であるといったようなことが指摘をされているところでございます。
説明は以上でございます。
○大村部会長 ありがとうございました。内閣府におけるDV対策の状況につきまして,資料2点に基づいてお話を頂きました。難波さんは幹事ということでこの審議会部会に参加していただいておりますので,具体的な問題の検討に際して,このDV対策について内閣府の考え方等を折々にまた御披露を頂ければと思っております。
続きまして,部会資料3につきまして,取りあえず全体について説明を伺い,今日皆さんに御意見を伺えるところを絞って多少御意見を伺って,それで,先ほど申し上げましたように,次回のことについて御相談をしたいと思っております。
それでは,事務当局の方からお願いいたします。
○藤田幹事
事務局でございます。時間も押しておりますので,お手元の部会資料3に基づいて,あらかじめ送付しておりましたから,ポイントを絞って御説明申し上げます。
まず第1,はじめにということで,この資料の位置付けを記載してございます。前回会議で,まず養育費や面会交流の問題を念頭に置きつつ,協議離婚やその後の場面において生ずる問題等について議論することとされたことを踏まえまして,事務局で,この場で御議論いただくためのたたき台として作成したものが,こちらになります。真ん中辺りにあるとおり,この資料の作成に当たりましては,法務省で昨年実施しておりました養育費不払い解消に向けた検討会議の取りまとめ,さらには家族法研究会の報告書,こういったものなどを参考に,できるだけ幅広く具体的な論点を取り上げさせていただいて,これを基に御議論をしていただこうというものです。先ほど原田委員から御指摘がございましたけれども,これは飽くまでたたき台ですので,これ以外のテーマ,選択肢等をどのように取り上げるかも含めて,その点はこの部会の場で御議論いただければと思います。
2ページでは,具体的に,まず養育費,面会交流,それぞれの問題につきまして,法的概念の整理というベーシックのところを確認するところから始めてございます。
2ページの1,現行規定ということで,民法766条以下の関連する条文を挙げさせていただいた上で,3ページの2,子の扶養義務・養育費ということで,具体的に養育費の課題について取り上げております。まず,民事法において子の扶養,養育費等がどのように理解されているかということで,親の子に対する扶養義務という観点と,父母相互間の問題として現行法では理解されている養育費の問題について整理をしたものです。
3ページの真ん中辺りに,親の子に対する扶養義務については,未成熟子に対しては重い扶養義務があるという考え方が紹介されておりますし,4ページの一番上を御覧いただきますと,養育費につきましては,民法に養育費やその義務を果たすことが重要であること等を示す条文はないという,既に御指摘のあった問題意識についても記載してございます。
それを踏まえて,4ページの(2)課題のところで,養育費,扶養義務に関する問題につきまして,例えばということで,指摘のある課題の例示として三つのことを掲げております。ここに書いてありますとおり,この三つは例示でありまして,その他に検討すべき課題についてもこの場で御議論いただければと思いますが,養育費についての具体的課題,①から③でございますが,①のところで権利の位置付けの問題,②で重い扶養義務という問題,③では重要な権利という位置付けの問題,そういった点を指摘しております。
5ページの3からは別の問題に移りまして,次に面会交流についての問題を取り上げております。議論の流れは先ほどと同様でございまして,(1)で現行の民法についての理解を示しているところであり,それを踏まえて6ページの(2)課題で,先ほどと同じように,考えられる課題についての例示として事務局から二つ,①,②という形で示してございます。面会交流については,①法的性質の明示という点と,②親族等の面会交流という問題を掲げているところです。
次に,7ページからは第3として,少し局面を変えまして,父母間での取決めの促進・確保ということで,養育費,面会交流それぞれの取決め,権利の発生の課題についての説明等をしてございます。7ページ,(1)からがまず養育費についての記載でございまして,現行法の理解について記載をした上で,8ページでそれを一覧的に記載した表がございます。権利性など,まずは現行制度についての理解をまとめたものです。9ページ(2)面会交流というところは同様に,現行の取決め等に関する規律をまとめたものです。10ページ(3)取決めの実情ということで,取決めに関する統計も紹介しております。この辺りはヒアリングでも御議論があったところですので,それも踏まえて意見交換をお願いできればと思っております。
その上で,11ページの2,課題ということで,先ほどと同じように,これまでの議論の中で挙げられた意見を参考に,例えばということで,この取決めに関するルール,規律として考えられるものを,①から④として掲げているものです。このうち①と②は,養育費と面会交流に共通するということで,それぞれに係るものとして記載してございますが,③,④については養育費を念頭に置いて問題になるものとして掲げてありまして,(注)の形で関連する問題の説明も記載しております。
12ページにいきまして,第4,これは取決めをする際の取決め内容に関するものでございます。端的には,いかに取決めを促進するかという観点でありまして,1の養育費のところでは,(2)の課題にありますとおり,算定方式や考慮要素の法定化というアイデアが提案されております。2の面会交流の方でも,テーマ設定として現状を記載した上,13ページで考慮要素,基準等の法定化という課題を挙げています。
最後,13ページ以下ですが,第5で,裁判手続に移った場合の養育費,面会交流それぞれの問題についての課題を挙げてございます。1として,債務名義の取得段階では,まず取決めについての債務名義がないという場面を設定した場合に問題になる裁判手続上の問題を,これまでの議論を踏まえて挙げているものです。13ページの(1)では,まず家事審判の申立ての問題,具体的には住基ネットと公示送達の点を挙げ,15ページからは(2)養育費に絞って,養育費に関する審理手続ということについて提案をしてございます。その中では,イ,課題として,養育費の審理手続で問題になる調査嘱託等や収入認定の問題について例示してございます。(3)は面会交流の審理手続の問題でございまして,16ページに検討すべき課題の例を挙げています。
最後の項目,16ページの2として,強制執行,民事執行による権利の実現について問題になるテーマを記載してあります。まず養育費について,強制執行場面の課題ということで,イの課題としての例示を御覧いただきますと,例えば権利者による簡易な1回の申立てによる情報取得に関するもの,マイナンバーの活用等の課題も含めてですが,また,執行手続の特例など,新たに考えられる方策等を記載してございます。面会交流につきましても同様に考えられる課題の具体的例示をしてございます。このように,全体を通して,基本的な原理から個別の裁判手続の有り様についてまで,事務局で一つのたたき台として整理させていただいたものになります。
まず,御説明は以上です。
○大村部会長
ありがとうございます。
部会資料3について御説明を頂きました。前回は,次回にヒアリングの残りの分をやるとともに,さらに何をやりましょうかということで,差し当たり養育費及び面会交流に関する論点の検討をとりあげるということで,このような資料を用意していただいたところでございます。中身については今,御説明がありましたとおりで,第1から第5までに分かれておりますけれども,準備の段階から全部をやることは無理だろうと思っておりまして,第5は次回に回すことにして,第4までについて御意見を頂きたいとあらかじめ御案内を差し上げていると伺っております。
ただ,第4までについて御意見を伺うという時間ももう十分には残っていないと認識しております。そこで,第3から後は実質的な問題になりますので,第3,第4,第5は次回以降に送るということにしてはどうかと思います。第1のはじめには前書きのようなものですが,その後に出てくる第2の部分は,最初のページに書いてありますけれども,委員から,議論の前提として現行制度の理解や,これまでに行われた論点整理の結果等を共有することが必要ではないかという御指摘が出たのに対応して作られた資料だと理解しております。この部分について御質問等があれば伺い,お答えを頂く,あるいは,ここで課題とされているものについて御意見等があれば,この段階でこの資料との関係でお述べいただくということにしまして,その後,今後の段取りについて御相談をさせていただければと考えております。この進め方でよろしいでしょうか。
進行のことで議論している感じ?
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