共同親権研究会 小括

オレンジ革命の余韻に浸りつつ訴状を読む研究復活

8 小括

「法の欠缺1ないし3」により,配偶者によって子が連れ去られた(引き離した)結果,原告らの①リプロダクティブ権②親権③監護権の基本的人権が侵害された。その意味で法の欠缺1ないし3が憲法13条(幸福追求権,人格権)及び憲法24条1項に違反していることは明白である。

3つの欠陥があって,それが,人権侵害をしているのは,具体的には憲法の何に違反しているのか,を述べている

13条,24条1項違反があること

また,「法の欠缺1ないし3」により,配偶者によって子が連れ去られた(引き離した)結果,性質上夫婦に平等に保障されるべき①リプロダクティブ権,②親権,③監護権の基本的人権が配偶者にだけ保障され,原告らには保障されなくなった。
その意味で「法の欠缺1ないし3」は,子を連れ去った(引き離した)者が「特権」を得ることを認めるものであって,法の下の平等を規定した憲法14条1項及び「離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない。」と規定した憲法24条2項にも違反していることは明白である。
以下で詳論する。

14条1項及び24条2項にも違反している

さあ,どう違反しているかな?

9 「法の欠缺1ないし3」が憲法違反であることについて

(1) 合憲性審査基準について
「法の欠缺1ないし3」が憲法13条,憲法24条1項,憲法14条1項及び憲法24条2項に違反しないかについては,①法の欠缺の目的に合理的根拠があるか及び②目的と手段との合理的関連性があるか,という2点から審査される(最高裁平成17年9月14日大法廷判決(在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件違憲判決),最高裁大法廷平成20年6月4日判決(国籍法違憲判決),最高裁大法廷平成25年9月4日決定(非嫡出子相続分違憲決定),最高裁大法廷平成27年12月16日判決(平成25年(オ)第1079号,女性の再婚禁止期間違憲訴訟)。

人権侵害があると感じたら人権侵害があり憲法違反である・・・みたいなことをしない

憲法違反かいなかの審査基準については判例において蓄積された手法があるのでそれにのっとっていく

決して,お気持ちではないというわけだ

(2) 憲法13条違反について
法の欠缺1ないし3により,基本的人権である原告らの①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権が侵害された。それに対して,法の欠缺1ないし3について国会(国会議員)による立法措置が行われていれば,その侵害は生じなかったのであるから,法の欠缺1ないし3が,①目的についても,②手段についても,いずれも合理性や合理的関連性が認められず,「すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については,公共の福祉に反しない限り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする。」と規定し,幸福追求権及び人格権を保障した憲法13条に違反していることは明白である。
(3) 憲法24条1項違反について
親の子に対する①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権は,その性質上,両親に平等に保障されるべき性質のものである。それに対して,法の欠缺1ないし3により,子を連れ去った(引き離した)配偶者のみが,基本的人権である①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権を享受することになる。それは子を連れ去った(引き離した)配偶者が,法の欠缺1ないし3により,「特権」を認められたことを意味している。それは,「婚姻は,両性の合意のみに基づいて成立し,夫婦が同等の権利を有することを基本として,相互の協力により,維持されなければならない。」と規定した憲法24条1項が許容しない「特権」に該当するものであることは明白であり,法の欠缺1ないし3が,①目的についても,②手段についても,いずれも合理性や合理的関連性が認められず,憲法14条1項に違反していることは明白である。
(4) 憲法14条1項違反について
憲法14条1項は,法の下の平等を定めており,この規定は,事柄の性質に応じた合理的な根拠に基づくものでない限り,法的な差別的取扱いを禁止する趣旨のものであると解すべきである(最高裁昭和39年5月27日判決,最高裁大法廷昭和48年4月4日判決)。
そして,親の子に対する①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権は,その性質上,両親に平等に保障されるべき性質のものである。それに対して,法の欠缺1ないし3により,子を連れ去った(引き離した)配偶者のみが,基本的人権である①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権を享受することになる。それは子を連れ去った(引き離した)配偶者が,法の欠缺1ないし3により,「特権」を認められたことを意味している。それは,「すべて国民は,法の下に平等であって,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。」
と規定した憲法14条1項が許容しない「特権」に該当するものであることは明白であり,法の欠缺1ないし3が,①目的についても,②手段についても,いずれも合理性や合理的関連性が認められず,憲法14条1項に違反していることは明白である。
(5) 憲法24条2項違反について
親の子に対する①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権は,その性質上,両親に平等に保障されるべき性質のものである。それに対して,法の欠缺1ないし3により,子を連れ去った(引き離した)配偶者のみが,基本的人権である①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権を享受することになる。それは子を連れ去った(引き離した)配偶者が,法の欠缺1ないし3により,「特権」を認められたことを意味している。それは「婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して,制定されなければならない。」と規定した憲法24条2項が許容しない「特権」であることは明白であり,法の欠缺1ないし3が,①目的についても,②手段についても,いずれも合理性や合理的関連性が認められず,憲法24条2項に違反していることは明白である。
(6) 憲法14条1項違反について
憲法14条1項の保障は,憲法上直接保障された権利とまではいえない利益についても及ぶ。
仮に,①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権が,憲法上直接保障された権利とまではいえない場合でも,それらが憲法上保障されるべき親の子に対する利益であることは明白である。
そして,親の子に対する①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権は,その性質上,両親に平等に保障されるべき性質のものである。それに対して,法の欠缺1ないし3により,子を連れ去った(引き離した)配偶者のみが,人格的利益である①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権を享受することになる。それは「すべて国民は,法の下に平等であって,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。」と規定した憲法14条1項が許容しない「特権」に該当するものであることは明白であり,法の欠缺1ないし3が,①目的についても,②手段についても,いずれも合理性や合理的関連性が認められず,憲法14条1項に違反していることは明白である。
(7) 憲法24条2項違反について
ア(ア) 最高裁大法廷平成27年12月16日判決(平成26年(オ)第1023号,夫婦別姓訴訟)は,憲法24条2項について,以下のように判示している。
「婚姻及び家族に関する事項は,関連する法制度においてその具体的内容が定められていくものであることから,当該法制度の制度設計が重要な意味を持つものであるところ,憲法24条2項は,具体的な制度の構築を第一時的には国会の合理的な立法裁量に委ねられるとともに,その立法に当たっては,同条1項も前提としつつ,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚すべきであるとする要請,指針を示すことによって,その裁量の限界を画したものといえる。
そして,憲法24条が,本質的に様々な要素を検討して行われるべき立法作用に対してあえて立法上の要請,指針を明示していることからすると,その要請,指針は,単に,憲法上の権利として保障される人格権を不当に侵害するものでなく,かつ,両性の形式的な平等が保たれた内容の法律が制定されればそれで足りるというものではないのであって,憲法上直接保障された権利とまではいえない人格的利益をも尊重すべきこと,両性の実質的な平等が保たれるように図ること,婚姻制度の内容により婚姻をすることが事実上不当に制約されることのないように図ること等についても十分に配慮した法律の制定を求めるものであり,この点でも立法裁量に限定的な指針を与えるものといえる。」
(イ) この最高裁大法廷平成27年12月16日判決(平成26年(オ)第1023号,夫婦別姓訴訟)の判示からすると,仮に,①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権が基本的人権でないと解釈されたとしても,憲法24条2項の解釈において,「憲法24条が,・・憲法上直接保障された権利とまではいえない人格的利益をも尊重すべきこと,両性の実質的な平等が保たれるように図ること,婚姻制度の内容により婚姻をすることが事実上不当に制約されることのないように図ること等についても十分に配慮した法律の制定を求めるものであり,この点でも立法裁量に限定的な指針を与えるものといえる。」と判示された点につき,法の欠缺1ないし3が憲法24条2項に違反しないかが問題となる。
仮に,①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権が,憲法上直接保障された権利とまではいえない場合でも,それらが親の子に対する人格的利益であることは明白である。
そして,親の子に対する①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権は,その性質上,両親に平等に保障されるべき性質のものである。それに対して,法の欠缺1ないし3により,子を連れ去った(引き離した)配偶者のみが,人格的利益である①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権を享受することになる。それは「婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して,制定されなければならない。」と規定した憲法24条2項が許容しない「特権」に該当するものであることは明白であり,法の欠缺1ないし3が,①目的についても,②手段についても,いずれも合理性や合理的関連性が認められず,憲法24条2項に違反していることは明白である。
イ(ア) さらに,大阪高裁平成30年8月30日判決(大阪高裁平成30年(ネ)第247号)において引用されている(甲22号証6頁),同判決の原審である神戸地裁平成29年11月29日判決(神戸地裁平成28年(ワ)第1653号)では,憲法24条2項について,以下のように判示している(甲21号証33頁)。
「5 本件各規定の憲法24条2項適合性について
原告らは,本件各規定が,父と子及び父と妻との間で差別的な取扱いをしていることを根拠として,憲法24条2項に違反すると主張する。
憲法24条2項は,婚姻及び家族に関する事項について,具体的な制度の構築を第一次的には国会の合理的な立法裁量に委ねるとともに,その立法に当たっては,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚すべきであるとする要請,指針を示すことによって,立法裁量の限界を画している。そして,同条は,憲法上直接保障された権利とまではいえない利益であってもなお尊重すべきものについて十分に配慮した法律の制定を求めていると解すべきである。」
(イ) この大阪高裁平成30年8月30日判決(大阪高裁平成30年(ネ)第247号)において引用されている(甲25号証6頁),同判決の原審である神戸地裁平成29年11月29日判決(神戸地裁平成28年(ワ)第1653号)の判示(甲21号証33頁)からすると,仮に,①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権が基本的人権でないと解釈されたとしても,憲法24条2項の解釈において,「同条は,憲法上直接保障された権利とまではいえない利益であってもなお尊重すべきものについて十分に配慮した法律の制定を求めていると解すべきである。」と判示された点につき,法の欠缺1ないし3が憲法24条2項に違反しないかが問題となる。
仮に,①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権が,憲法上直接保障された権利とまではいえない場合でも,それらが「尊重すべき利益」であることは明白である。
そして,親の子に対する①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権は,その性質上,両親に平等に保障されるべき性質のものである。それに対して,法の欠缺1ないし3により,子を連れ去った(引き離した)配偶者のみが,人格的利益である①リプロダクティブ権,②親権及び③監護権を享受することになる。それは子を連れ去った(引き離した)配偶者が,法の欠缺1ないし3により,「特権」を認められたことを意味している。それは「婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して,制定されなければならない。」
と規定した憲法24条2項が許容しない「特権」に該当するものであることは明白であり,法の欠缺1ないし3が,①目的についても,②手段についても,いずれも合理性や合理的関連性が認められず,憲法24条2項に違反していることは明白である。

目的が合理的で手段においても合理的関連性があるというのであれば,国に説明してもらいたい

なぜ連れ去り規制の欠落を放置しているのか!

いろいろな面で憲法違反といえるよね~と述べている

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