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法制審議会家族法制部会第34回会議議事録読む7~武田委員・今津幹事・久保野幹事・原田委員・青竹幹事

パブコメから1年

昨日は歴史的な打ち合わせをして、共同親権運動の最終フェーズを感じる

弁護士のおかしさも露見しているけど

監護者指定は廃止すべし

目に余る状況をみて、もしや原則共同親権なんじゃないかっていう気もしてきた

共同親権止まらない



パブコメ1年記念も考えたけど、議事録読み進めることとする

○武田委員

 親子ネット、武田でございます。冒頭、本日提出した意見書について簡単に触れさせていただきまして、部会資料34-1、それぞれについて意見を述べさせていただければと思います。
 配布させていただきましたけれども、御一読いただければお分かりのとおり、この意見書では、子の利益の観点から共同親権制度導入の賛成の立場からの意見が述べられております。ルール作りであるとか、葛藤を下げる仕組みであるとか、こういった従来私が述べてきた意見と基本的に合致するものだと考え、提出をさせていただきました。今回御賛同いただいた皆様、基本的には女性の権利を守る活動をしている皆さんであったり、こどもの権利保障のために活動している皆様、こういった方々が多く含まれていること、したがいまして我々別居親当事者側からの意見ではないということに御着目を頂きたいと思います。賛同者に関しては3枚目に記載されておりますので、御覧になっていただければと思います。
 さて、取りまとめに入っているわけですけれども、我々別居親当事者の中に、今ここでなされている議論に関しまして不満を持っている当事者は当然多くおります。私個人的にも、たたき台(2)ですね、当然納得しかねる部分もございます。しかしながら、こういう状況を踏まえて、取りまとめに向けて双方の立場、多様な意見があろうかと思いますので、取りまとめに向けて御努力いただいていると、このように感じております。いろいろなケースがあると思います。私も一面的な見方をやはりしがちな部分もあります。しかしながら、やはりこの議論はニュートラルかつこどもファーストの観点で御議論を進めていただきたいという一助になればと思いまして、提出をさせていただきました。冒頭、意見書に関しては以上でございます。
 続いて、部会資料34-1、1の親権行使の部分と2の離婚後の親権者の定め、ここに限っての意見を申し上げたいと思います。本日いろいろな意見、部会資料34-1の記載を押す意見がいろいろ出てくると思っていましたので、本日はここまで聞かせていただいたつもりです。しかしながら、結論から申し上げますと、部会資料34-1の修正意見、これに私は賛同するものではなく、元提案である部会資料32-1のゴシック記載、ここをベースとして進めていただきたいというのが私の意見になります。
 1、2に関して、簡単に理由を申し上げます。相当性とか必要性とか父母の対立、こういった変更を追加する提案がなされておりますが、補足説明にこういった記載がありました、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ることが可能である状況であるにもかかわらず、そのようなプロセスを経ず親権の単独行使を可能とする規律を明記する、これに対する正当性があるや否やという論点、このような整理がなされていると思っております。ここに関して正に賛同するものでございます。
 ただ、本日もいろいろと部会資料34-1の相当性、必要性に対して肯定する意見が出てきたと思います。赤石委員とか戒能委員を含めて出てきた運用に関しての懸念、ここは正に賛同するところでございまして、もう少し丁寧に、要は今、今逃げないできちんと準備をしてから避難するということも、私は個人的には急迫の中に当然入るのではないかと思っております。この辺りの運用に関する懸念、ここはもう少し、本文に書ける、書けないというのは、いろいろ専門の学者の先生方の御意見もあろうかと思いますので、せめて補足説明でこういったケースが急迫の事情に当たるということをもう少し丁寧に書いていただいて、広く御理解を頂けるようにしていくのがよいのではなかろうかと、こんなふうに考えております。
 次に、2に参ります。子の意思に関してです。これは事案による話かと思いますけれども、基本的にはこれまで一度も会ったことがない調査官とお子さんたちは会うわけです。私がこれまで当事者からお聞きしてきた経験則で言いますと、基本的には1回1時間程度の面談になろうかと思います。このような面談でこどもが率直な思いを本当に吐露するのだろうかと、吐露することはなかなか難しかろうというのが私の認識でございます。今回このような子の意思に関する意見も出ていまいりましたので、直近、監護者指定を争った当事者から頂いた調査報告、これを10件程度、いろいろ見返していまいりました。
 その中で顕著な例、極端と言われるかもしれませんが、こんな事案がありました。この事案は当初、一方的に連れ去られて、褒められた話ではありませんが、その後、当事者が自力救済でこどもを連れ戻した事案でございます。提出された調査官報告は2回です。連れ戻し、自力救済に至る2か月前と連れ戻し後1か月の調査結果です。当時のお子さんの年齢は10歳です。連れ戻し前の面接結果、調査官報告によれば、調査官は別居親と二人で暮らしたいか、別居後の面会についての希望、これをストレートに聴いております。それに対しまして、当時のお子さんは分からないと答えております。これに伴っての最後の取りまとめの調査報告、調査官の意見ですね、ここでどう書かれたかというと、緊急に現状の監護環境を変更しなければならない特段の事情は確認されなかったという報告がなされております。次に、連れ戻し後のお子さんとの面談結果でございます。お子さんの発言です。同居親には元住んでいた家に帰りたいと伝えていたし、今回戻ったのも自分の意思である、連れ去られ先の小学校ではいじめられていた、もう戻りたくありません、前回の調査官面接の後、同居親や祖母から1メートル定規で叩かれた、前回も本心を言いたかったけれども、同居親に怒られそうで言えなかった、今日はもう連れ去り先に返されたくないから裁判所に来た、二度とこういうことを話したくない、こういう発言が明確に報告をされております。調査官の意見、どう書いてあったかというと、今後の監護環境に関して言及はありませんでした。
 この一事案で全てを語れるわけではありませんし、私はこの調査官も一生懸命やっているものと思います。与えられた条件下で対応していると思います。しかしながら、現在のこのやり方、子の意向調査の方法でこういう、なかなか本心が出てこないということは実態としてあるものであり、こどもの意思把握の限界かなと、そんなふうに感じています。
 今回このこどもの意思に関するお題は、補足説明10ページにも書いてあるとおり、子の意思を明記することで父母の協議や手続にどのような影響を与えるか、正にこういうことかと思います。先ほど御紹介した事案でも明らかなとおり、裁判所が子の意思を正確に把握すること、これは極めて困難であろうと、民法で、実体法で明記することは、かえって裁判官が判断に当たりこどもの意思を偏重することになりかねない。また、これは水野先生などが従来から意見をおっしゃっておりますが、こどもに決断の責任を押し付けることになりかねない。こういうことを懸念いたします。子の意思を、錦の御旗というと変な表現ではありますが、逆にこれを濫用する事案が出てくると思いますし、この裁判所の手続に先立つ、特に父母の協議において、こどもがこう言っているからということを前面に押し出して、これが裁判所に持ち込まれて、結果として裁判所の判断がゆがめられるリスクがあるのではなかろうかと、こんなふうに考えておりまして、子の意思、これを明文化していくことについては反対という意見を述べさせていただきます。
 最後、父母双方の合意でございます。いろいろな御意見がございますけれども、そもそもの、これは私の個人的な意見でございます、今現在、親権者としての不適格性を理由として離婚するわけでないにもかかわらず、子から親の一方を排除してしまうこと、つまり親権を奪うことですね、これが子の利益にかなわない、これが従来から私が考えている基本的な考え方でございます。今回、共同親権制度を入れていこうという理由の一つだと認識をしております。そういった中で、今回提案の父母の合意を要件として求めることに関しては、一方親が拒否すれば、先ほどと同じです、親権者としての適格性にかかわらず自動的に子から一方親を排除することになる、結果として現行の単独親権制度とあまり変わらなくなる要素を内包することになる、このように考えております。
○大村部会長 ありがとうございます。武田委員からは1と2の2点について御意見を頂きました。基本的には、元の提案の部会資料32-1で出ていたものに賛成するということだったかと思います。ただ、1について運用上の懸念があるので、そこについては説明を丁寧にする必要があるのではないかという御意見を頂戴しました。ありがとうございます。
 あと5人、ウェブでいらっしゃいまして、今津幹事、久保野幹事、青竹幹事、水野委員、菅原委員、それから対面で、原田委員、棚村委員。原田委員は2回目なので、ひと回りしたところで時間の許す範囲で伺いたいと思いますが、今津幹事から始まって菅原委員まで、取りあえずオンラインの方々に伺いたいと思います。すみません、何度も繰り返しますけれども、コンパクトに御意見を頂戴できればと思います。

研究者の意見書あってよかったよね

○今津幹事

 幹事の今津です。実体法の先生方の御意見を控えている中で、専門外の者が発言するのも少しはばかられるのですけれども、今回の部会でも大変意見が割れている状況ですので、態度表明だけさせていただければと思います。
 部会資料34-1の1ページ目、1のところなのですけれども、①、②の修正の御意見については、私自身は修正は必要ないのではないかと考えております。この点は、部会の冒頭であった沖野委員からの御説明が非常に分かりやすかったかと思うのですけれども、例外としてのアとイという二つの項目がそれぞれ、裁判所の判断を求めても意味がない場合と、判断を求めていくということが適切でないケースをそれぞれ想定していると、そういった建て付けになっているという御説明だったかと思います。そのようなものとして理解する限りは、「急迫の事情があるとき」という言葉の解釈について、修正意見を述べていらっしゃる委員の先生方から御懸念があるような、狭すぎる解釈ということに恐らくならないのではないかと思いますし、そのような限定しすぎる解釈はよくないということについては、補足説明等できちんと公にしていくということでよろしいのではないかと思います。
 それから、6ページ目の2のところなのですけれども、こちらのまず①の方、子の意思というのを明示すべきかどうかという点については、私自身は明示をすべきでないと考えております。民法の規定の中にこれを独立した考慮事情として書くということについては、慎重になるべきではないかと思っております。この点は既に池田委員等からも御教示がありましたように、手続法の中にはこどもの意思を把握するですとか、こどもの意思を考慮するということ、あるいは、これは落合委員からも休憩前に御意見があったかと思うのですけれども、今回の参考資料にあったようなこどもの代理人という制度は、部分的にではありますけれども、現行の家事事件手続法にも導入されているところでありますので、そのような手続的な方向からの施策によって補っていけるのではないか、そうだとすると、民法に正面から書くということのリスクの方が大きいのではないかと感じているところです。
 それから、同じところの②の父母双方の合意があることが必須の要件になった方がいいのではないかという御意見についても、私自身は消極に考えております。誰が親権者であるべきかということは、本来的にはこどもの利益をまず第一に考えて判断すべきものであるところ、父母の双方が合意しなければその判断ができないというような書き振りは、その本来の想定とはややかい離しているのではないかと思われるところですので、私自身はこの修正の御意見には賛同できないかなと思っております。
○大村部会長 ありがとうございます。1と2について御意見を頂戴いたしました。基本的には原案の方がよいという御意見であり、それについて理由を添えて御説明を頂いたと理解を致しました。

こどもの利益から親権者を決める

○久保野幹事

 ありがとうございます。順番に簡単に申し上げていきますが、1につきまして、急迫の事情の要件のままでよいと私も考えます。その理由は、今の今津幹事の御意見とほぼ重なりまして、沖野委員から示された趣旨を背景にどのようにこれらの要件を解釈するかということからしますと、御懸念が示されているようなものを含む可能性があり得るものとして解釈運用をしていくことが考えられ、それを明らかにするということが、むしろ言葉の選択自体というよりも大切なのではないかと思います。1点だけ、沖野委員がおっしゃったことのうち、こどもの利益の観点から見て急迫だというところも大事なのではないかと思う次第です。
 その次に、2の子の意見につきましては、以前に消極の意見を申し上げましたので、同じですけれども、改めて考えましても、子の意見を民法に明示するといったときに、離婚の場面がまず明示すべき筆頭の場所ではないだろうという感触を依然として持っております。
 次に、父母双方の合意につきましては、まず、この(6)と(注2)というのが原則を共同ということではないという理解をしております。拒否権という言葉は強く響くのかとは思いますけれども、ただ、合意というのを要件で明示してしまいますと、やはり合意をしない一方がいると共同親権でできないということになり、その限りで、小粥委員が冒頭におっしゃったとおり、硬直的と申しますか、そういう心配があるような気がします。私なりに小粥委員がおっしゃったことを受け止めた言い方になりますけれども、共同親権を認めていくのが望ましい場合は円滑に合意が成立しているときであるという価値判断は、恐らく共有されていると理解しておりまして、その上で、大事なのは、協議で合意には至らなかったけれども裁判所で合意を目指して関係調整等ができる裁判所という機関の特性をいかした上でできる範囲で関係調整等を行っていくということなのだと思っておりまして、そのようなろ裁判所での合意形成の試みというものをより円滑に行っていくためには、むし合意というのを要件として示さずに、当事者の主張の理由ですとか背景事情を含めて、一切の事情を考慮して判断しますという枠組みにしておいた方が望ましい、かえって円滑に合意を目指す判断が行っていけるということではないかと思います。
 最後に、3の監護者指定についてですが、どのような場合に共同親権になって、どのような場合に一方の親権になるのかというところの想定の幅が、もしかすると違い得るのかもしれませんけれども、一方の親権になるという場合の基準となる「子の利益を害するということ」の解釈次第だとは思うのですけれども、父母の間に意見の対立や矛盾行為のおそれがあって弊害が生じそうな事例の少なくとも一定の範囲のものは、そもそも初めから共同親権にはならないのだとも思いますし、一律に指定するという枠組みは適当ではないと思います。
○大村部会長 ありがとうございます。久保野幹事からは1①と2①、②、それから3(1)について御意見を頂きました。それぞれについて原案、部会資料32-1の方を支持するという御意見だったかと思いますけれども、1①については沖野委員の意見に賛成ということで、子の利益の観点から見てという点も重視すべきだということを御指摘になったかと思います。それから、2②についておっしゃっていたことは、合意がある場合に共同親権とするのが望ましい、この判断は共有されているのではないかということで、その上でそれを踏まえて、硬直的でない運用、よりよい運用をするためには、合意がなくてもというようにしておいた方がよいのではないか、こういう御意見を頂戴したと理解を致しました。

研究者の意見スキ

○原田委員

 今、2(6)についても言い掛けられて、途中でやめられたのかなと思ったのですけれども、違いますか。
○大村部会長 2(6)については、先ほど御発言があったと思いますけれども。
○原田委員 あれだけなのですね、分かりました。

何が引っかかったのやら

○青竹幹事

 急迫の事情について、先ほど狭すぎるのではないかという点が指摘されていますが、急迫の事情を維持してよいとの意見を支持いたします。確かに、必要性、相当性、やむを得ないといった基準は広い意味を持ち、家事事件で柔軟に対応するのに適しているとも考えます。ただ、家族法の規定でよく見られる柔軟な基準というのは、家庭裁判所がこれらの基準により決定するという意味を持っているのに対して、今検討している親権行使では、家庭裁判所の許可がなく一方が親権を行使するという場面が問題になっています。曖昧な基準を採用すると、解釈が広がりすぎるということになりかねず、もちろん狭すぎるというのは実際に妥当ではありませんけれども、ここでは明確な基準を設ける必要があるということから、急迫の事情の基準がふさわしいのではないかと考えております。先ほど原田委員の方から、協議を経ているのでは子の利益を害するといった基準が示され、有意義のようにお聞きしましたが、こちらも急迫の事情の一例に取り込めるのかどうか、更に検討するのがよいのではないかと考えました。
 それから、監護者指定を必須とすべきかの点ですけれども、確かに共同親権とされる場面で一方を監護者に指定するのが望ましい場合が多いということを、これまでの議論から十分に理解しております。ただ、離婚後共同親権とされる場面が多様ですので、監護者を指定する必要のないところで民法が監護者指定を要求する、強制するというのは、一般的に離婚後に、父母が共同で子の監護に責任を持つということは望ましくないといったようなメッセージを送ることにもなりかねないので、避けた方がよいと考えております。
 最後に、第三者による監護者指定の申立権ですが、こちらはこれまで多くの学説も支持しているようで、特に親権喪失や停止の審判が有効に機能していないという指摘があるところで、監護者指定の制度によって未成年者の利益のために養育を確保するという面で望ましい面があると考えております。ただ、問題として乱訴や紛争の拡大について多くの専門家が指摘されています。乱訴を避けるために第三者の範囲に制限を掛ける必要もありますし、また紛争の拡大を否めないところがあるようにも思いますので、第三者による申立権を認めるとするには、申立権者の範囲などを慎重に検討する必要があり、急いで立法化するのは望ましくはないように考えます。
○大村部会長 ありがとうございます。青竹幹事からは1と3について御意見を頂きました。1は原案がよい、より明確な基準の方が望ましいという御意見でした。3(1)についても原案支持ということでしたが、3(2)については、監護者指定というのが必要な場合はあるとは思うけれども、制限を掛けることが必要であって、慎重に検討をする必要があるのではないか、今回これをやるということについては、やや消極的な御意見を頂いたと理解を致しました。

研究者の筋のある意見スキ

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