見出し画像

法制審議会家族法制部会第36回会議議事録読む8~赤石委員・戒能委員・北村幹事

国会もウォッチしていくよー

法務省のページもチェック

国会ウォッチの下調べ

いろいろ復習

いろいろ振り返り

時が止まるって恐ろしいよね グルドがいた?

未来のために歴史の確認は大切

石井議員発見

親子断絶終わらせないと

政治のクリーンアップとともに共同親権

議事録読みます

○赤石委員 

赤石でございます。度々発言させていただきありがとうございます。しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石です。第2のところから幾つか、主に監護者指定と監護の分掌のところ、それから養子縁組のところをお伝えしたいと思います。
 監護者指定は、一律には指定しないということで要綱案が出ております。これに対しては幾つかの異論があっても、要綱案は指定しないということで出ているということを認識しております。私の意見は違うのですけれども、しかし、指定しないというところでどのようにした方がいいかということも述べておいた方がいいと思いますので、お伝えしたいと思います。第2の3のところでございます。大分補足資料のところでいろいろなことが書き込まれていて、私もなかなか理解があれだったのですけれども、幾つかのまだ討議されていないところがあるのかなと思います。
 まず、裁判所経由で双方の親権、共同の親権が決定したケースで、監護者の指定を行うかどうかについての議論、あるいは場合としては、協議離婚で共同の親権を決めたと、それでそのように届け出たと、そして、やってみてやはり監護者の指定というのが必要だということで、調停なりを申し立てたというようなケースは結構考えられると思っております。こういったときに、裁判所経由で共同の親権を決めていないケースには、双方で決めているのですけれども、やはり無理やりの決定というようなこともあるので、DVケースというのが入ってくる可能性がどうしてもあると、こどもに不利益があることを最小限にとどめなければならないというようなことがあるだろうと、こういった場合には、やはり親権の定めのところにある第2の2(1)キの条項は、監護者指定のところでも適用されるという理解でいいですかという質問、あるいは適用された方がいいですよねという議論でございます。
 同じように、共同親権になった後に、それは裁判所で決めたのだけれども、監護者指定を必要として申し立てる、あるいは、まだ離婚が成立していなくて、DV被害者であるけれども家を追い出されてしまった、あるいはこどもを被害者の方が連れ去られてしまったというようなケースでも、監護者指定の申立てをしたり、引渡し請求をしたりするときにも、この第2の2のキですかね、これが考慮要素として適用されるという理解で良いのかというようなところでございます。
 もちろん親権を決めるときに、キがあったとしても、DVケースというのが紛れ込む危険もありますので、そのときにも監護者の指定が必要であると思って後から申し立てるときにも、この同じ考慮要素が適用されるべきではないかというような意見です。伝わりましたか、すみません、何かごちゃごちゃ。
 次が監護の分掌についてなのですけれども、いろいろもめるときに、監護の分掌にして、例えば高校進学に関する件とか、あるいはお子さんの教育に関する事項とか、こういったことは分掌をするというようなことを、監護者指定全般をするのではなくて、その中の一部だけ分掌するような例が幾つか補足資料で挙げられていると認識しております。前回も言ったのですが、監護の分掌を第766条に書き込むということになりますと、やはりそこが何か非常に、今後進められてくるのかなと思っておりますが、それについてはやはり、例えばどこまでが教育に関する事項なのか、特定事項として考え得るのか、あるいは高校進学といっても、では中学1年、中学2年のときの塾に行くのは一体どちらになるのかとか、こういったことがあるので非常に技術的にやりにくいと思いますので、私は監護の分掌が第766条に書き込まれることについては相変わらず慎重です、ということでございます。また、裁判所の方の御意見の中でも、やはり事項で区切ると非常に難しいですねという議論が前々回、前々々回ぐらいにおありだったかと思います。
 期間の分掌については、ある程度あり得ますねというような御意見もあったかに思います。ここについても懸念を一応表明しておきたいと思います。これについては、アメリカの離婚家庭におけるこどもの心理学的な追跡調査をしたウォーラースタインの名著がございます。私が最初に21年にそれの抜粋の資料を提出させていただいておりますけれども、それでも僕らは生きていくという本で翻訳されております。今は絶版になっておりますけれども、先日聞いたら、法務省の方も余りお読みになっていらっしゃらないということだったので、少し残念に思っております。この書は、面会交流あるいは共同親権を進めた心理学者が、25年後にこどもたちの更なる追跡調査をしたときに、やはり弊害が出ているということをまとめたものでございます。一定期間の親子交流を裁判所で決められたこどもたちは、成人した後、例外なく別居親を憎んでいた。そして、友達のいない、育つ環境がないところで、夏休みとか一定期間、長期間過ごさなければならないことについて、本当に泣いて過ごしていたというようなことがありました。ですので、期間の分掌というところでやるのがいいのか、それの弊害も見据えて、やはり親子交流の規定というところでやっていくべきなのではないかと私は考えております。
 それとの関連で、これは少し挟み込んでいるのですけれども、12月の後半に共同通信が、2017年に伊丹での面会交流時に起こった、そのときは面会交流といっていたのですが、無理心中事件のお母さんを取材した記事を出しておりました。4歳の侑莉ちゃんですかね、離婚後に自由にお父さんと会っていたのだけれども、しかし要求がすごく激しくなってきて困ったところで、一旦停止していたと。それで、別居親の方から裁判所に調停が申し立てられて、もう一回調停をして、月に1回ということで面会交流が決まった第1回のときに、お子さんが戻ってこなくて、殺されていることが発見されたという事件でございます。なぜこんなにかわいがっていたこどもを父親が殺したのかということは、お母さんにとっても非常に納得がいかない、何でだろうとずっとこの、2017年からですから6年間、考え続けてきたということです。お子さんもお父さんに会うことを楽しみにしていた。お母さんとしては、楽しみにしているこどもをお父さんに会わせたいと思って面会交流はやっていた、しかし事件が起こってしまったわけです。
 一体私たちは今回の法改正で、そういう事件を防ぐことができる立て付けを作っているのかどうかということが問われていると思います。私たち全体がこういった事件を防ぐだけの仕組みを作れているのでしょうか。記事によりますと、法務省さんに、こういった事件については法制審議会で検討されているのかという、どうも質問をしたかのような記事、文章があったのですが、これは例外的な事例であるから検討の対象ではないというような文章が載っておりました。例外なのでしょうか。アメリカではこれまでに親子交流で400から500件、正確な数字は忘れましたけれども、有名な事件はカリフォルニア州のピキちゃんは、やはり親子交流で親から絞殺されております。こういった事件を防げる立て付けになっているのか。
 お母さんはずっと悩み続けているわけです。今生きていれば10歳になっているお子さんがどうして命を奪われたのか、やはり自分に対する攻撃だったのだと思いますとお母さんは言っているのです。愛する一番大事なものを破壊することによって元配偶者に対する攻撃をする、こういう心情がいろいろなところで起こっている、このことを私たちは防げるのでしょうかということです。保護命令は出ていないのです。だから、先ほどの第2の2のキのところで防ぐというのはなかなか難しいのかもしれない。そのときにどういう手立てで防げるのですかということが、やはり議論がもう少しされるべきではないですか。少なくともこどもの命が懸かっていることになる。母親を攻撃するためにこどもを殺すという、間違った行いですけれども、起こっていることをどう防ぐのかということが、この監護のところと併せて検討されるべきであると思っております。私は責任として、これを言わざるを得ないと思っております。
 次に、養子縁組のところです。これは簡単に申し上げます。子連れの再婚の養子縁組に関しては、家裁で調停審判をするときに、子の利益に特に必要と認めるときとありますが、特に必要と書かなくてもよろしいのではないかという意見です。
○大村部会長 ありがとうございます。赤石委員からは、大きく分けると2点ということだったかと思いますが、監護者の指定と監護の分掌についての御意見、その中で、裁判所が共同親権を決めた場合と協議で決めた場合を経路として分けて考えた方がいいのではないか、特に後者の方について問題が現れる可能性が大きいという御指摘をいただきました。そのときに、部会資料の35-1の2ページから3ページに掛けて出てくるキの基準を、これは親権者指定ということであればそれを適用するということになりますし、監護者を指定するということであると、この考え方でやるというようなことになる。そういう方向で考えるべきだという御意見だと受け止めでいいですか。
○赤石委員
 というか、法律上準用されると考えていいですかということも、少し質問に含まれております。
○大村部会長 御意見としては、そうなるべきだということですね。
○赤石委員 はい。
○大村部会長 それから、それとの関係で、キのようなものがあったとしても出てくるであろう問題についての御懸念を示されたと受け止めました。そして、もう一つの問題として、養子縁組については、特に必要なという部分の、特には要らないのではないかという御意見だと受け止めました。
 戒能委員、池田委員、石綿幹事、それから、原田委員も手が挙がっていますか、それではその次に原田委員という順番で伺います。ほかにも、佐野幹事ですね。

養子縁組したら養育費は減額ってなるから、養子縁組減りそう

○戒能委員

 ありがとうございます。委員の戒能です。要綱案の構成について、少し御質問をしたいと思うのです。それで、最後まで、要綱案というのは余り市民の目には触れないのかもしれませんが、しかし報道などをされます。そのときに誤解を生じないように、あるいは正確さというのがとても大事だと思います。それと、論理的な一貫性がないと、これは読むほうはかなり理解に苦労するということだと思いまして、具体的に申し上げますと、部会資料35-1の1ページの第2、親権及び監護等に関する規律第2の1と、それから2との関係ということです。これは、前に法務省の方には簡単に質問をしたことがあって、そうすると、これは現行の民法の規定の順に書いているのだというような御説明だったのですが、それでは少し論理的につじつまが合わない、先に書かれてあることが後で定められているという矛盾があるのではないかということなのです。ただ、要綱案がそのまま法律の条文になるわけではないということも理解しておりまして、法律の条文になるときにはしかるべく検討をきちんとされると思ってはいるのですが、もう現に誤解が生じているやに聞いております。
 それは何かというと、第2の1が親権行使に関する規律の整備なのですよね。そこには(1)で、親権は父母が共同して行うと、ただし書が付いていてア、イ、ウとなっている。これは確かに第818条第3項ですか、その明確化をしていくという意図で作られていて、しかも分かりにくいのが、これは補足説明で6ページの一番最初の行から始まるのですが、要綱案では、双方が親権者である場合と一方が親権者である場合の双方を一つの規律でまとめて規定するということができるようにする観点から、こういう構成にしたという説明があるのですが、非常に分かりにくくなっている。まず(1)に父母が共同して行うというところだけを取り出して見てしまう人がいるわけです。そうすると、これはこの部会の考え方として原則、例外はとらないと私は理解をしております。けれども、こういう書き方だと、原則共同なのねというような理解にどうもつながっているらしい、そういう意見も流布されていると聞くこともあります。
 それで、例えば、ただし書のところですが、ア、イ、ウとなっていて、第818条第3項ではイは既に規定がされているものだと、ところがアとウは新たに規定したものだと。一方のみが親権者であるとき、それから急迫の事情のところなのですけれども、これはどういうふうにしてどこで決められたものなのかということが、実は2を読まないと分からないということになるわけです。だから、順序が逆になっていて、アは飽くまでも第818条の第3項なので、婚姻中の話ですよね、婚姻中は共同親権であると。そこに多分両方を含み込んでまとめて規定しようという意図でまとめられたので、分かりにくくなっているけれども、飽くまでもこれは共同親権と定められたときの規定であって、そういうときは父母が共同して行使をすると、ただしア、イ、ウの場合は、ということになるわけです。
 要綱案としてはこういう書き方をするのかもしれません。そこは事務当局から御説明いただきたいところなのですが、むしろ2を先に定めるべきではないか。協議離婚から始まるわけですよね、そこから始めて1に行くべきであると。あるいは、1にきちんとこれは婚姻中のケースなのだということを書いて、それから2に行って、そしてそのときの例外としてア、イ、ウがあるとか、そういう構成というのが考えられないか。もちろん先ほどから言っているように、条文化するときはまたきちんと考慮をされて、きちんと筋道が通るような条文になるのだろうとは思うのですけれども、要綱案として公表されるわけですから、その辺りをどういうふうに考えればいいのかという、一つは質問ですし、それから、私の考えというか提案を一つしました。
 それから、もう1点、これはもう今、赤石委員からお話があったこととつながりまして、監護者指定を必須とするかどうかというところで、これは先ほどの附帯決議のところでも、家裁の役割、これは家裁の裁判官のみならず調査官の役割がますます大きくなって重要になる。ですから、そこへの人的配置、あるいはその専門性、研修ということが非常に重要になるということは、皆さん口をそろえておっしゃっているとおりなのですが、パブコメのときの裁判所の懸念事項があります。これは今、裁判所はどういうふうにお考えなのかということもお聞きしたいところではありますが、時間がなければ結構ですが、最終的には司法判断、家裁が紛争解決の最後のよりどころになるわけですよね、そこで何とか適切な解決をしようという裁判官、司法官としての良心みたいなものが表れているとパブコメからは感じられるのですけれども、これは先ほど赤石委員から具体的な提案があったところですね、一体どういう場合に監護者指定の申立てができるのかという基準ですね、その基準がなければ大変で、その後の審理とか判断が難しくなってしまう。さらに、監護者指定が必要かどうかの判断を行った後に、ではどちらを監護者として指定するのかという判断、その基準をどうすればいいのかというようなこととか、いまだにその辺りは、赤石委員が御指摘になったように、解決されていないというところなのですよね。
 それから、もう1点は、そういう紛争がなるべく長期化しない、激化しないように家裁の裁判官は、努めていきたいというお気持ちの表れだと思うのですけれども、監護者についての公示制度はどう考えたらいいのだろうかということも、これもはっきりしなければ、離婚時の話合いのときに定めがあったのかどうかなども含めて、確認する手段がないというような御懸念も表明していらっしゃるわけです。だから、そういう意味では、まだ議論は尽くされているわけでも何でもないということは、パブコメの裁判官の御意見からも、うかがえるのではないかと思っております。
○大村部会長 ありがとうございます。戒能委員からは、形式的な要綱案の書き方ということと、それから内容にわたる点と、大きく分けて2点の御指摘を頂いたと受け止めました。書き方についてなのですけれども、これまでの議論で分けて書かれたものをあるところでまとめるという形でここに至っているということかと思いますが、これはこの先、条文化するということも視野に入れて、このように整理されていると理解しております。戒能委員からは、分かりにくい点があるのではないかという御指摘がありましたので、それを踏まえて、これを最後にはどうなるのかという点を精査していただくということになろうかなと思っております。それから、2番目の中身については、赤石委員の御指摘に基本的に賛成だという御趣旨であろうと承りました。また、公示のことをおっしゃいましたが、公示の問題は確かにあるのですけれども、現在、監護権の所在について公示されるということにはなっていないので、それをした方がいいのではないかという御意見だとして受け止めさせていただきたいと思います。事務当局から資料について、何かありますか。

○北村幹事

 資料の立て付けについては今、部会長の方におまとめいただいたとおりですけれども、このような形とする際、従前から繰り返し御説明していまいりましたけれども、第2の1については親権行使に関する規律の整備、2については離婚後等の親権者の定めについて議論していただくという形でまとめているものになります。第2の1については、婚姻中だけではなく、離婚の場合も当然入り得ると、様々なものが入り得るという形で、親権行使ということで一つにまとめさせていただいているというのは従前、部会で御説明させていただいているとおりです。
 なお、監護者指定の部分について御質問というか、御意見等がありましたけれども、例示された事例については、むしろ親権者の変更あるいは親権者の定めのところで本来は対応すべきものなのではないか、さらに、要綱案(案)では、監護者の指定を必須としていないということになりますので、裁判所の手続を経て双方が親権者になった後で単独親権にする以外の方法として監護者指定が申し立てられた場合、あるいは、離婚が成立する前に監護者指定が申し立てられた場合の考慮要素はやはり変わってくるかなとは思っています。まずはこの部会の中の議論としては、DVなどがある、そして話合いができないような場合には単独親権にする、そういうものは除くということでここでは御議論されてきたと、そういう前提で議論されてこの要綱案(案)にまとまってきたと私は認識をしております。その上で、監護者指定が必須でないということになりますと、現行法と同じように、特に公示は必要ではないというふうに整理をさせていただいたと。
○大村部会長 まだ御発言はあるのですが、赤石委員、今のことについてですね。短く、お願いします。

監護者って公示しないんだ!
こりゃ、ほぼ使い物にもならず、実質廃止なのね
柴山さんすごい!!

○赤石委員

 私どもの2,500人の調査でも、共同親権を強要というか、意見を言われたときに、自分は単独親権を望んでいるのに抵抗し続けられますかという質問に対して、確か16%ぐらいの方が、やはり言い続けられないと答えておりました。ですので、本人同士の協議離婚のときに紛れ込む可能性があるのは非常に考え得ることでございます。このときに、確かに親権者の変更を申し立てればいいわけでございます。手続的にはそう思われると思います。しかし、親権まで失うというときに、非常に相手のリアクションというのが恐ろしくて、監護者の指定のみを訴える方というのはかなりいらっしゃると私は思っているので、申し上げたということです。
○大村部会長 ありがとうございます。先ほどの御発言の補足として承っておきたいと思います。

共同親権を選んでいきそうだね

いいなと思ったら応援しよう!

弁護士古賀礼子
親子に優しい世界に向かって,日々発信しています☆ サポートいただけると励みになります!!いただいたサポートは,恩送りとして,さらに強化した知恵と工夫のお届けに役立たせていただきます!