報道が止まらない
ゼミの準備をしていたところ,親子をめぐる問題にもよく発信いただいている牧野記者のスピーディな取材記事
闇に迫っている
どんどんと闇が暴かれる勢いとともに,東京新聞が反響に応えて過去記事の無料公開をこのタイミングでしてくれた!
いつもこのテーマを追っかけてくれている佐藤記者の特報だ
かつてこの手のテーマは,報道されてもネット上から消されるという目に遭い続けて,問題を知ることさえ妨げられ続けていた
それが,まさか,記事の復活配信!!
この頃から,報道がどんどん勢いづいていたけども,その頃はまだ当事者ではなかったという人が最近当事者になって,初めて知ることもあるだろう
当事者が増えるなんて,悲しいことだ
理不尽な問題であることはもっと前からわかっていた
どれだけ国が無責任に放置を続けていたかということだろう
国の無責任だけじゃなく,利権を守るために,あからさまに国民の知る機会さえ奪い,考えさせず,進歩を続ける世界から周回以上の遅れをそのままさらに足を引っ張るそのものを続けてきた忌まわしき闇の力がどうもあるようだ
闇と闘うなんて,クエストそのもの
だいたいありがちなストーリーなのは,悪魔の子と呼ばれたり,これでもかというほどの理不尽・孤立からの冒険の始まりなわけで
まさかそんなゲームみたいなことがリアルに起きているというだけで,とても楽しく面白い
まさか 共同親権が,そんな勇者みたいな冒険背負って目の前でウオッチできるなんて
まだ道半ばなのに,とはいえ・・・つい,楽観してしまう
20年前,家族法を勉強したときには,共同親権自体がそれほどの致命傷ではなかった
もっと深刻な婚外子差別や家制度,あと,話題になり始めていたのが,怒鳴る夫シリーズ,そういうのを学ぶと闇すぎて絶望を覚える世界だった
婚姻費用の概念がないため,冷たい家庭内別居でも,妻として,家事を担うことの是非なんかをゼミで検討したり
夫婦別姓というテーマがあると知り,家族法ゼミに限らず,大きなクラスでディベートのようなことをして(本心では,賛成派だけど,反対派に振り分けられて考えるというトレーニングをした),反対派の理屈というのも勉強になりながら,結局は雰囲気としての賛成一色であった
当時20年前の教育学部での景色である
でも,その5年後くらいに結婚ラッシュの頃は,誰もが悩まず女性が改姓していたね
夫婦別姓なんて他人事にすぎないのだった
その程度の賛成だけでは,法改正の実現は遠いのだろうと感じられた
自分も婚姻してみて,通称使用しているときはとても孤独なチャレンジだったし,勝手に改姓した名前で呼ぶような人もいたし,だからといってアレルギー反応を示しすぎずニコニコスルーしながら自分を貫き穏やかに自分らしさを残していくことの地味なゲームを楽しんでいた
それができたのも,まだ何も果たしていなかったとはいえ,弁護士になることを夢見て,挑戦している途中にあったからに思う
司法試験受験を目指すだけにとどまらない闘いに挑んでいたのも,絶望的な家族法の闇を知り,判例変更も法改正も期待できない中で,それでも明日を見つめて生きていたからだ
法律婚を尊重して,非嫡出子の相続分差別規定は合憲という判決が出てしまっていた
民法を読めば,憲法がいう個人の尊厳を反映させた理解がいくらでも可能なのに,民法に書いてあることと,現実の法事や結婚式などで見えてくる家制度や嫁意識の根強さは,立法解決では済まない壁に思えた
フェミニズムに目覚めつつ,社会で折り合いをつける難しさ
生きづらさを抱えて生きてはフェミニストの意味がない
まあ結局はモラトリアムを延長して,長く浪人生活をして社会人デビューを遅らせていたことで折り合いがつきやすかったのもあるけども
世間知らずのままようやく社会に出た頃は,少し景色が変わっていた
通称使用ながらも夫婦別姓の暮らしを取り入れていることが当たり前なワーキングママたちのコミュニティに自然に近づいていく
合憲判決が出たし,まだ法改正も果たしていないけど,意識改革は進んでいる
司法修習中に,婚外子差別の違憲判決が出て,相続分差別規定は改正されることになった
大学生の頃,絶望的に思えた割には,思いのほか早く変化が実現したというのが単純に嬉しかった
とても,離婚するつもりで結婚したり子どもを授かったわけではないけども,気づいたら離婚後子育てというジャンルも実践することになっていた
決して協議が十分だったとは思わないが,共同親権ではないけども,氏と親権を父母で分かち合ったようなもの
父と母という関係で尊重しあい,これからも息子に迷惑をかけるまいという思いは最低限一致していたと信じたい
離婚後にも紛争が激しくなってしまったけども,その理解の不一致は,まさに国が無責任に放置してきたせいだし,個人を恨む気持ちはない
考え方は多様にあってもいいけど,子どもに負担がないようなところに落ち着くことを司法は導いて欲しい
当事者性も持ち合わせて,離婚後子育ての文化が変容し,共同親権時代に突入しようという過程をリアルタイムでウォッチできるのはとても光栄なことではないだろうか
決して,無理しているわけではないのに,日常的に,関連する情報が集まり,飽きない日々
牧野さんと佐藤さんとお二方にお会いしたタイミングが似ていて,ついでに,何となく雰囲気が似ているようにインプットされてしまったことを白状しよう
のびのび好き放題発信できる立場にいる私には想像もつかない組織の中で,きちんと発信するにも,取材力に研ぎ澄まされた表現力を駆使してようやく報道できるという厳しい道のりを闘い抜いていることだろう
お二人を始め,ライター,ジャーナリストの方々の活躍にはリスペクトがあふれていく
これからも力強く報道していただきたく
またよい素材を用意できるよう,事件に取り組んでいく
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