僕が鉄砲を構えるまでに。~続・衝動の所持許可証~
さて、前回は教習射撃が終わった所までだったか。
そういえば教習射撃の前に、生活安全課の人が来て近所とかに聞き取りをしていくとかそういう一大イベントがあった気がする。
あれ?
教習射撃の後だったかな?
何かもう記憶が曖昧だ。
そして鉄砲を見に行く。
教習射撃が終わると、実際に自分が欲しい猟銃を探しに行くことになる。
最初に自分の猟銃を決めるのは、所持許可は下りる前なのだ。
車なら免許を取ってから車を買いに行くかもしれないが、猟銃は一銃一許可制と言って、猟銃一丁一丁にそれぞれ許可が下りる仕組みになっているのだ。
実はもう欲しい猟銃は決めていた。
これ。
Benelliのスーパーノヴァという銃。
イタリア製だ。
スライドアクション式といって、撃つたびに左手をガシャガシャやるアレだ。
近未来的なフォルムがかっこいい。
名前もかっこいい。
そして何より安い。
初めて銃を持つ若造にとって、新銃で15万円は魅力的だ。
お金が貯まれば別の銃を新たに申請するのもアリだろう。
右も左も分からず、取り寄せで気長に待つという選択肢のなかった僕は、とにかくこの銃を置いてあるお店から買おうとした。
その結果、北関東に住みながら行き当たったのは中国地方の銃砲店だった。
今や銃も通販で買える時代だ。
ただ手順は近くのお店で買うよりも少しやっかいだ。
近隣の店であれば、訪問して銃を見せてもらって、買うので取り置いてもらう。
そして許可証が発行されればそれを持ってお店に行って、銃を受け取れば良い。
通販の場合、まず電話して購入の意思があることを伝える。
で、許可証が発行されたらまずその原本を銃砲店へ郵送する。
銃砲店は許可証を確認して、許可証を返送する。
それからやっと銃を発送、ただし運送屋さんから受け取れるのは許可証を持った僕だけ。
といった流れだ。
所持許可証を申請する。
購入する銃が決まって、それをしまうガンロッカーがお迎えできたら、やっと所持許可証の申請だ。
もはや行き慣れた所轄の生活安全課へ行って申請するだけだ。
しかしこの申請1つ1つに2000円も3000円もお金が掛かるのはどうなのかね。
教習射撃なんて4万円以上だ。
ともかく所持許可証を申請し、所持する銃の情報をきちっと記入してもらう。
こんな風に。
そしてあの青い所持許可証を手に入れたら、うきうきで銃をお迎えに行けば良い。
僕は上記の通りそこからも少しめんどくさかったけど。
そこで終わりではない。
銃を手に入れたら、そこから14日以内に再度警察署へ出向き、購入した銃が間違いなく申請した銃と同じか、という確認をしなくてはならない。
同時に火薬類譲受許可申請書の手続きをしよう。
これがないと銃があっても弾が買えない。
そんな感じで、僕は今日までの相棒であるベネリのスーパーノヴァを手に入れた。
スライドアクションは割と珍しいというか、持っている人があまりいない銃で、射撃場でも猟場でも僕以外にはあまり見かけたことがない気がする。
次弾を装填するのが手動なので、次弾の発射までにタイムラグが生じるし、ガシャガシャやるので照準もズレやすい。
そこはひたすら練習あるのみで、僕はもう完全に無意識で次弾を装填できるようになったし、時々なら2発目、3発目も中る。
なによりかっこいいしね。