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漫画家の友人について語る

こんにちは

今日は普段から仲良くさせてもらってる、漫画家の友人、細谷くんについて語りたいと思います。


↓友人


友人、細谷との出会い

出会いは高校1年生のクラス。
細谷くんは中学からの内進組で、僕は高校からの外進組でした。

細谷は内進組の中でも人気者で、かなり交友関係が広いタイプでした。明るくお喋りで、漫画や地下アイドルが好きな陽キャオタクタイプ

対して当時の自分(コガ)は、交友関係狭め。興味あることにしか関わらないクソガキでした。目立たない中で面白いことをボソッと言いたい中二病タイプでもあった(あ痛たたたたたた…)

そんな一見接点のなさそうな僕と細谷ですが、「留学したい」という共通の目的があったため、放課後の英語の特別授業で一緒になります。
週に一回、英語の特別授業を受けた後、空き教室で夜の19:00近くまで中身のないダベリを繰り広げる留学希望者5人組(最終的に行ったのは3人)


当時、「3、2、1、ハイ!」という掛け声のあと、指名された人が一発ギャグをかまさなければならないという地獄のような下りがありました。
指された時点でスベることが確定しますが、10回に1回はホームランを打つ奴が現れるので、この不毛な掛け合いは終わりません。
ちなみに僕は「体でアルファベットのTを表現する」という、チョコプラのTT兄弟を先取りしたような持ちネタがありましたが、カスりもしませんでした(切腹)


閉鎖的、狂気的な空間の中、放課後組は奇妙な連帯感を持っていきます。ワンピースになぞらえて自分たちを「海賊団」と呼称し、教室の隅でスベったり謎のノリをかましながらゲラゲラ笑っていた我々を、周囲はただただ冷ややかな目線で見ていたらしいです(黒歴史)
輪の中心は漫画志望の細谷で、その時から「将来漫画家になりたい」と言って絵の練習をしていました。高校1年生の時点で明確な夢を持っている彼を見て、僕は純粋に尊敬していたし、その頃から応援していました。


体育祭事件

931番(くさい)でイジられる友人。発想が小学生


細谷との忘れられないエピソードといえば、体育祭の事件です。
我々は一応特進コースのようなクラスだったので、勉強は出来るがスポーツは出来ないもやしっ子たち、といった印象を抱かれていました。
しかし、体育祭では謎の熱量と連帯感が発生し、主要メンバーから「体育祭までの期間、朝早くクラスで集まって大縄跳びの練習をしよう!」という提案がなされました。え、まじ?
(ちなみに朝練なんてしてるクラスは殆ど存在せず、他クラスからは特異の目で見られていたらしい)

僕は罹患期間の長すぎる中二病だったので、「朝早く起きるのタリ~」としぶしぶ参加していましたが、みんなの狂気じみた掛け声を聞いて(これは本気でやらないと殺される奴だ…!)と察知します。
パッションに当てられて形成されていくチームワーク。
最初は少なかった大縄跳びの回数も、10回、30回と増えていきます。
たとえ元々のフィジカルに恵まれなくても、頑張れば努力は実るんだ!!


そして体育祭当日。
我々が必死で練習した大縄跳びの結果は、なんと "3回" でした。


3回。


終わった・・・。
地獄のような空気がクラス中を覆います。朝練とはいったい何だったんだ・・・


ここでクラスが二分されます。
「まだ他の種目で逆転できるかもしれないから、出てる選手を精一杯応援しよう派」

「本当は朝練なんてやりたくなかったのに、しぶしぶ参加させられた挙句、結果がこれかよ。もう体育祭とかどうでもいいから友達同士でダベってよ派」
溜まっていく他方へのフラストレーション。
ヤメテーーーー

男子は割と前者が多くて、体育祭終了後のマックで「応援しないとかマジでないよな!?」みたいな空気になってました。日和見の僕は何となく同調してる風の表情を作っておきます。そんな中、気づくべきでした。隅で淡々とタブレットを操作しているクラスメイトに―

タブレットの彼はネットの知り合いを巻き込み、Twitter上で「友達同士でダベってよう派」の女子に宣戦布告します。
繰り出されるネット上での攻撃。いやいやいやいや何してんの。そこまでしろとは言ってないから。ネットリテラシーやばすぎる。そして火力が高すぎる。

「やる気ある派」vs「やる気ない派」の構図はひっくり返り、
「暴走するタブレットの彼」vs「攻撃対象の女子グループ」vs「その他(おれたち)」へとなります。ダークライもびっくりのカオス。
タブレットの彼は総スカン状態、かつ止まらない暴走列車状態でしたが、「どうにもならないからコガが説得して止めろ」と何故かまあまあ親交があった僕に白羽の矢が立ちました。どうして。
結局、1時間ほどの説得で彼をなだめました。ハスの葉が池に漂う、夜遅くの上野公園にて。思い出の場所です。

そして翌日、なぜか男子を代表して細谷くんがクラスに謝罪しました。
(え?今回彼は何もしてなくない?)(なんの責任だよ…?)とクラス中に疑問の渦が巻き起こりますが、とにかくみんな仲直りしたかったので、一件落着ムードとなりました。
何も悪くないのに(マジで何もしてない)、自分のプライドよりクラスの調和を優先する彼を見て凄いなと思ったし、一応ともに問題解決に当たった戦友なので、勝手に連帯感を覚えたことも記憶に残っています。



留学、そして再開


留学前に男7人でディズニーいった写真。楽しそう


楽しかった高校1年生も終わり、留学へ出発。細谷は3か月、僕は1年。
最後は仲良かった子達が送別会してくれました。謝謝。

留学エピ


1年の留学生活が終わり帰ってきた僕。
日本にいた時の内輪ノリが恋しかった僕ですが、時期は高校3年生、みんな受験勉強で目が血走っています。
あの時のように「3、2、1、ハイ!」で一発ギャグを強制されるゴミみたいなコミュニティはもうどこにもありません。かなしい。

更に言えば、1年間日本の文化から離れていたことで、僕の話のつまらなさは最高潮に達していました。面白い話をしようとしてもオチをつけられない。言葉が出てこない。
ごめん、ニュージーランドに「すべらない話」の文化はないんだ。留学生がスラングでウェーイってやってればみんな笑ってくれるのよ(コミュ障)

そんなこんなで過去のコミュニティを失い、新しいクラスにも馴染めない僕は、ひたすら勉強に集中します。
細谷とは会えば話すけど、1年生の時みたいに頻繁に遊びに行くことはなくなってしまいました。
こうやって疎遠になってしまうのかな、と切なくも思ったけど、お互いのやるべきことに集中するフェーズととらえ、気持ちを切り替えて受験モードに入ります。


入試が終わり、大学へ進学。
僕はいわゆる「燃え尽き症候群」となり、目標を失いフラフラします。
ちなみに1年生から留年が決定しました。何やってんだお前!!!


一方、大学1年生となった細谷は、漫画家になるための行動を本格化させていきます。絵の練習、持ち込み、賞への応募、SNSの開始。彼の話はエネルギッシュで、キラキラしていて、いつも刺激をもらってました。
実際に賞で結果を出したり、SNSでバズったり、アシスタントとなったり「漫画家志望」から「漫画家」への道を着実に歩んでいきます。

大学生になって打ち込めることが無くなったから、生存戦略としてコミュニティを広げるために外向的になった自分。
大学生になって漫画に打ち込めるようになったから、孤独に作業と向き合い内向的になっていた細谷。

僕達は真逆のベクトルで人生を歩んでいきました。
しかし趣味は共通していて、一緒にサウナへと行き、映画や将来について語る仲となっていきました。
熱量の高い細谷と話している瞬間だけは、自分の暗闇の世界にも明るい未来が待っているかのような錯覚を得ることが出来ました。



「そこにいるだけ」の強さ

細谷と真の意味で信頼関係を結べた(と勝手に思ってる)エピソードがあります。

当時、就活という通過儀礼に自我を破壊され、壊れかけていた自分。
常に脳味噌の半分ほどが「出来ない理由」で埋め尽くされ、まともな思考もままならない呆然自失の状態。やることなすこと全てが上手くいかないような気がしてくる負のループに陥ります。
そうした状態で人と会うのは相手に申し訳ないし、自分も弱っている姿を見られたくないし、あらゆる友人と関われなくなっていきます。

そんな中で再開した細谷。彼には恐らく見せたことのない、自分の負の面が溢れ出します(聞いてられない悩みだったと思うけど聞いてくれてありがとう)
彼は「聞き心地の良い言葉」「現実的な解決策」などを発せず、ただただ話を聞いてくれました。
彼が「そこにいて話を聞いてくれている」ということが、当時の自分にとって一番必要なことだったのかもしれないです。

その時はじめて、「なぜ彼が漫画を描いているのか」「漫画を描くことで何をしたいのか」という想いを聞くことが出来ました。ポジティブな想いもネガティブな過去も、全てを共有することで分かり合えるものがあります。

細谷の凄い所、それは「ただそこにいるだけの強さ」だと思います。余計なことをせずに、一つ通った芯をブラさないで、やるべきことを粛々と積み重ねていく。自分は自分で、他者は他者。だから相手の考えを尊重するし、誰かに何かを強制することもない。

色々なことに興味があって、他者を巻き込みがちな自分には出来ないことで、尊敬してます。もう8年間?ぐらいになるけど、仲良くしてくれて感謝しかない。
彼のこれからの躍進を祈りつつ、自分も人生頑張ろうと思います(雑な締め)


感想(本人より)

読ませてもらった…‼︎

高校編懐かしさとエピソードの面白さでガチで笑った笑笑
(確かになんで俺謝ったんだ…⁇笑)

大学以降の話は、なんていうかこんな風にコガが俺の存在を大切に思ってくれてることが嬉しいですありがとう

たぶんただ聞くことって俺にしかできない特別な技術じゃなくて他の人にも出来ることなんだけど、
コガにとってその存在は自分だったのが単純に嬉しい

俺こそ精神的にしんどい的に支えてもらったり、熱く前に生きていきたい時にエネルギーを貰ったり…
あらゆることに感謝してる。
コガの存在は自分の人生の大きな部分で根っこにあるものだなと思います
(文章の熱量返し)

めちゃくちゃ嬉しいけどイチャついてるみたいになってしまった
気が向いたら他の人も書いていきます

それではまた!


↓友人登場回


↓友人の作品


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