「A.I.」を観たよ。
こんばんは、古閑です。実はその前にも一本、インド映画を観たんですがそれはまた今度。今回は2001年のアメリカSF映画「A.I.」。監督は御存知スティーブン・スピルバーグ監督。
あらずじをざっくり。
妊娠が許可制になり、子供を持てない夫婦をターゲットとして作られた子供型ロボットのディビッドは、ヘンリーとモニカという夫婦の元で息子として日々を過ごす。しかし彼らの昏睡状態にあった本当の人間の息子のマーティンが目を覚まし、一緒に過ごすことになった。人間とロボットという垣根は彼らの心を断絶する。捨てられたディビッドは相棒のテディと、成り行きで出会ったジョーと共に本当の人間の男の子になるための旅に出る。
んで、感想。
・最初から割と不穏な空気しかない。音楽も基本不穏。こわい。
・「おもちゃは壊した方が面白いんだ」というマーティン。ディビットの前で「ピノキオ」を読ませるマーティン。希望をチラつかせるマーティン。なんて奴だマーティン。ほうれん草のシーン最初に見たの小学生の頃だったけど未だに覚えてるし、改めて見ると本当にこわいな。マーティンクソガキだな。
・不穏はまだまだ続く。ディビッドは捨てられる。「自分はここ残らないがお前は残れ。これはゲームでも何でもない。お前を今から捨てる。」っていう事をロボットだろうが子どもだろうがきちんと言い残して捨てるモニカ、その精神は誠実かもれないけど実際厳しすぎる。泣いちゃう。
・ジャンク・ショーでジョーと出会うことで少しは不穏が和らぐ。いきなり知らん男の子に手を繋がれて戸惑いのジョー。成り行きで連れていかれるジョー。あわやジョー。そしてちゃっかり一緒に逃げるジョー。ジョー祭りである。
・そしてディビッドは知ることになる。例え自分はロボットだとしても、モニカに愛されるロボットは、自分は、己ただ1人だと思っていたのに大量生産されているという事実に。目を覚まそうとしている自分達がママやパパに愛されるのを箱の中で待っている。絶望し、彼は海へ落ちた。ロボットが自殺を図った。
・ディビッドが海に沈んでいくシーンはとても美しい。あの日置き去りにされたプールとは違う。魚たちが独りぼっちの彼を迎え入れた。光が彼を連れていく瞬間、こちらと目が合った気がした。何を見つけた。何を見ている。私を見ているのか。「それ」が何か分かる前に、ロボットアームが彼を引っ張り上げた。
・「僕は生きた!そして消える!」戸田奈津子さんか。このセリフについてネットで調べたら色々出てきたけど今は沈黙する。
・未来の宇宙人の乗り物のほぼ真四角でデザイン性皆無なところかっこいい。宇宙人のデザインもクール。顔面がディモルチェライトインクォーツみたい。美しい。「ママを生き返らせても一日しかもたない」っていう割と残酷なことをわざわざ教えに来てくれた宇宙人超やさしい。
全体的に「不穏」マジそれ。この不穏さは「幼い子どもに残酷な事実を知らしめ、たった一つの純粋な願いのために子どもが狂気をまとう」不穏さ。
何でか分からないけどミュウツーを思い出した。生まれた苦しみを、愛する人に望まれたい願いを、彼ならば理解してくれるだろう。