「天気の子」を観たよ。
海が好きだという話、水辺が好きだという話はちょこちょこしているけど、もしかしたら私は「水」が好きなのかもしれない。
こんばんは、古閑です。
流行にのって「天気の子」を観てきたよ。レイトな時間だったからほぼほぼ貸切だった。田舎だからさ。
「天気の子」よかったー。
なんかめっちゃ綺麗だったー。
声優が割と豪華だったー。
っていう感じで終わるのもなんなんで、もうちょっと書くね。
物語では終始、雨が続く日本が描かれている。鳴り止まない水音。灰色の空。傘を差してうんざり顔の人々。
だけど、降り止まない雨のビジュアルは「嫌なもの」としてはそんなに描かれてなかった、気がする。割と生き生きした雨のビジュアルで、惰性ではなく飛び込むように自らが地に降ることで、下を向く人々を天に向かせる御使いの子らのように思えた。「雨」という無数の物質に性質を表現させるの本当に驚いた。
晴れ間のシーンも良かったよ。晴れでないと花火大会はできないものね。打ち上げ花火下から見るか横から見るか。私は横から見れた。初めて「生まれ変わったら花火を抱く夜の空になりたい」なんて思ったよ。
物語の中後半、「天気と同期していくうちに人間の性質ではなくなっていく」という恐怖よりも、「自分の身体が水のようになっていく」ことが羨ましかった。
透き通った身体の中で魚が泳いでいるって幻想的だし、この重く勝手に拍動した熱い身体から、静かでひんやりとした液体になる。そのうち意識も水のようにひんやりと、ぼんやりとしていけたら。
あとあの高さから死を感じることなく落ちていけることも羨ましい。バンジージャンプはした事あるけどスカイダイビングはしたことないからかな。短い時間しか落ちたことがないから分からないけど、あれだけの高さから落ち続けたら浮遊感にも慣れるんだろうか。落ちてみなければ分からない。羨ましい。
そして、「天空の城ラピュタ」が好きだった子供は、大人になっても雲の上の世界に焦がれるらしい。水蒸気の集まりの上にあんな静かな楽園のような場所があるなんて!そしてそこに確信を持って辿り着けるなんて!
今でも夏の雲にロマンをはせる社会人の心に刺さった世界だった。
そんなわけで始終「羨ましい」って思いながら「天気の子」を観ていた。
私はこの素晴らしい空の下、地上から離れることはできないだろう。海の底にも、空の上にも行けず生を終えるだろう。そんな人間の憧憬を少しでも叶えてくれる映画、「天気の子」を観てきたよ。