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遠足バスと人相_コンクリートユートピア

(前半ほとんど映画に触れていません)

元旦の震災があり、この作品は1月第1週末公開
年末に予告を見て面白い設定だなー観ようかなー新年1本目になるなーと思っていた。
まさかこんな気持ちでこの映画を観ることになるとは。

日常には戻りつつあるけどまだ正月休みの人もいるような午前中。
最寄のシネコンは混んでた。

コンクリートユートピアを観る人も多く、シアターが明るいうちから始まるCMもまだなのに人がいつもより多くいた。
比較的年齢層は高く、客のほとんどに連れがいる。
だからお喋りしているのでかなり騒々しい。バス遠足の車内みたい。暗くなって予告が始まっても変わらず、暗くて席が分からなくて奥さんらしき女性に当たり散らしてる人たちも入ってきた。しかもそのうち一人のバッグには鈴がついている。

席を予約した時、既にお気に入りの場所近辺が埋まっていたので
かなり前の方の席にした私は騒々しい人たちの音を背後にスクリーンを眺めていた。
遠足バスの添乗員みたいだ。

いやーしかしいつこの騒々しさはおさまるんだ?
もう消灯してますよ。
予告は本編と同じくらいの音量になっているけど普通に話し声が聞こえる。

流石に本編始まったら静かになるんだろうなと思っていた時だった。
予告と予告の間の静寂の隙間で

「静かにしてください!お願いします!」

と高齢女性らしき女性の荒げた声が響く。

すると一気に静かになった。
すごい、学級委員じゃん。ありがとう学級委員長・・。

それからは一回鈴付きバッグの人がトイレに出入りした程度、それ以外は静かだった。

すごい、本編見るまでに630文字もかかってしまった。
多分内容についてこれ以上書かないかもしれない。

韓国映画を観るとだいたい「これ、日本で作ったら誰が演じて、どんな作品になるかなあ」なんて想像をよくしてしまう。
チャンドンゴンは昔、ネプチューンの原田泰造に似てるって言われてたから原田泰造かなんて思ってたけど

チャンドンゴンはもう最初の登場の時点で既にやらかしているのでもう人相が知ってるチャンドンゴンではなく(過去の写真が出てくるけどそれは私の知っているチャンドンゴン≒原田泰造なのである)
どこか遠藤憲一を過ぎる険しい顔になっていた。

若い夫婦も、奥さんと旦那さんで思いや境遇に乖離があってどんどん違うように顔が変わっていくし
序盤に離脱したインテリっぽい男性も終盤に出てきた時とだいぶ変わっていたし
婦人会リーダーも、このまま陽キャセレブ貫くかと思ったら結構汚れていく

キャストをググるとすごく整った姿を拝見することができるので、ヘアメイクの力もあるかもしれないけど人相の変化はかなり見応えあるものだと思った。

この人相の変化、普段見慣れている日本の俳優がやったら凄いだろうなとか思っていた。

ただこの作品、韓国の徴兵制度が絡んでいるから男女で役割をしっかり分けているとか、日本ではストレートに男尊女卑だと言われるだろうなという感じ。
雌鶏が鳴くと・・云々のセリフもあったしね。
日本だと男優りな女性戦士爆誕!料理上手なおじさん!とか出てくるのかな。
あ、日本はサバイバルファミリーって映画あったね。
全然違うから比較しちゃダメだろうけど、面白おかしくサバイブして平和になる感じは日本映画っぽい感じだったよな確か。

コンクリートユートピアでは、シリアスなサバイバルものでありがちな性描写が一切なくて好感が持てた。1番擦れた大人が安易に行き着いてしまう部分である。
実際こんなことあったら多分逃れられない部分ではあるし、でもそこまで描いていたらごちゃごちゃしちゃうか。

災害の原因や、詳細が一切描かれない分、人や集団心理にフォーカスされる
人の汚さや傲慢さ、自分の価値観を貫こうとする部分、自分の真意が見えなくなる部分がそれぞれ見えていて面白かった。
それぞれの想いがバラバラで手探り、心の拠り所は誰なのか、信じてもいいのか、あなたは誰なのか。先はあるのか。
そして安直な着地点はなく、とりあえずの安堵で終わる。
でもとりあえずの安堵だけでも安心して観終えた。


緊迫状態がずっと続いて終わるので、結構疲れた。
エンドロール途中で出ていく人が多かったから、シアターが明るくなって席を立つと全然人がいなかった。
静寂。

上映中、コンクリートユートピア状態になったら・・
まとまらなさそうだなあ。ああ、さっきの委員長がなんとかしてくれそうか。

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