マジですか⁉ 父、今度は下血する。
在宅介護Uターン 序章:2
―― 本文913文字 2~3分で読めます。
寝室は寒いしテレビもないので、足の長いコタツのすぐ脇にソファーベッドを置いて、コタツ布団を掛け布団の一部にして寝込んでいる父。
頑固者で面倒くさがりな父は、この寝たきりの状況は異常なはずなのに、「 なんともない 」と言い張る。
トイレにいけないのに何を言う。。。
腰が痛くてちゃんと座れないのに何を言う。。。
体勢を替える度に苦痛で顔をゆがめるのに何を言う。。。
これは絶対に異常です!
父上、病院に行こうよ。
正月休みの4日間でなんとか父を説得し、休みが明けたら病院に行くとの約束をし、わたしは東京に戻った。
結局、妹と旦那さんで近所の整形外科クリニックに連れていくことになった。
すると腰椎圧迫骨折の診断。
それは痛いわけで、
それではトイレなんていけないわけで、
まして、ほおっておいてはいけないわけです。
とりあえず痛み止めが処方され帰宅安静。
2週間ほど様子をみて、それでも回復しなければMRIを撮るということになった。
しかし、回復に向かう様子もなく、また認知のような不穏な対応もはじめたらしく、妹が疲弊しはじめた。
近所に住んでいるとはいえ、妹にも家庭があり、甥っ子は高校受験をすぐに控えている。
それでも、最低一日二回は食事とオムツ交換に通ってくれた。
そんなある日、オムツを替えようとすると、血便が……
もう、どうにもならないので「 救急車を呼ぶよ 」と父を諭そうとするも、ちょっと車に乗せてもらってこの前のクリニックに行ってくれたらそれでいいからとのたまう。
いやいや、下血は整形外科では診れません。
なんとか説き伏せ119番にコール。
到着した救急隊員さんには手を挙げて「 いやーすいませんねぇ♪ 」と陽気に振る舞う父。
なんなんだろうか、このやせ我慢。
病院では看護師さんの質問に「 いや、ぴんぴんしてるんでなんともないんですよ 」などとのたまうものだから妹が事情を詳細に説明。しっかり検査をしてもらう。
もちろん入院決定!
―― この話を聞いてちょっとほっとしました。
何しろ健康オタクな父。
何しろ病気しらずだった父。
何しろ83歳にして入院が初めてな父。
そんな父の長い入院生活が始まった。
―― とりあえず、今回私の出番は無し。
続く