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声優ブームが終わったと良く耳にするので考えてみた

巷では声優ブームは終わりという話をよく耳にします。そして、その理由がVtuberにファンが流れたからという結論が多いようですが、少なくとも自分の理解では、多少は関係があるかもしれないけれど、実際には、ほぼ関係がないというのが持論です。


声優ファンの属性

まず最初に言い訳がましいことを書いてしまうのですが、この先の内容はあくまで自分個人の考えであることをご理解頂きつつ、自分のnoteだからって好き勝手に書いてんなこいつ!位の軽い気持ちで読んで頂けたら嬉しいです。

また、性別上「男」ということもあって、男性ファン目線で、女性声優について考えてみたnoteとなっています。

という前置きをさせて頂いた上で、声優ファンの属性から考えてみます。

1)アニメで声優に興味を持ちファンになった人
2)2.5次元系コンテンツで声優に興味を持ちファンになった人
3)1)が高じて声優全体に興味が湧き”声優にしか興味が持てない”人
4)声優をアイドルやタレントとして追っている人

上にあげた属性で複数該当する人も当然いるとは思いますが、種類としてはこの4つの属性に分類されると思っています。

アニメで声優に興味を持ちファンになった人

自分もスタートはここでした。スタートと書いた通り今は違うのですが、それについては後で記載します。

この属性の人ってアニメが好きで、様々な作品に触れているものの、特定のキャラクターに強く惹かれるというよりは、作品全体を楽しんでいる層だったり、キャラグッズを買い漁るまではしない人たち。もしくはグッズを買う動機が、好きな声優が出演しているからみたいな方。

でも、間違いなくアニメが好きなので、アニメを頻繁に見ていて、そこから派生したコンテンツ、例えば、アニメのイベントだとか、アニメの特番だとか、アニメのラジオだとか、そういうものに関わり始め、そこから中の人、つまり声優を知って、「かわいいじゃん、応援したいじゃん」となるパターン。

そんなテンプレートのような流れで声優ファンになったのが自分で、2014年の「アルドノア・ゼロ」で雨宮天さんを知り、2014年6月29日から2015年4月4日に音泉で放送されていた「アルドノア・ラジオ」を聞いて中の人に興味を持ち始め、もう1名のパーソナリティだった水瀬いのりさんを知って。

そして、2015年に公開されたこの動画。

「うおおお、雨宮天さんっていう中の人かわええー!!」となってファンになったのがこの界隈の入口。

それからは雨宮天さんを応援しつつもその後もアニメは多数見続けていましたが、次にドハマりしたアニメが「Re:ゼロから始める異世界生活」でした。

誤解があってはならないですが、アルドノアラジオで水瀬いのりさんを知っていたから見始めたというよりは、シンプルに面白そうだから見始めたというきっかけです。

ただ、声優は可愛い方が多いということは知っていたので、コンテンツを色々追い始めて、それで、これですよ。

かわいすぎてこんなのファンになるだろー!!!

ということで、2016年からはすっかり水瀬いのりさんの応援生活が始まりました。

って、なんの話だっけ。

あ、そうそう、「アニメで声優に興味を持ちファンになった人」だった。

きっと、アニメで声優に興味を持ちファンになった人ってこんな感じで声優を知ってファンになった人だと思うのですよね。

つまり、アニメから声優というベクトルが明確な属性で、この属性の人たちは「はい、声優飽きた!次Vtuber」となるかといえば、ならないと思うのです。

だって、Vtuberは中の人見えないしね。

2.5次元系コンテンツで声優に興味を持ちファンになった人

自分はこの属性を経験したことがないので、あくまで外観的に見ている範囲でしか語れないため、浅い評価だったり、事実と異なることを書いている可能性があることをお許しください。

2.5次元ユニットの主流はどこかというと、様々な意見があると思いますが、個人的には、

SOS団 → RO-KYU-BU! → μ’s → アイマス → バンドリ/Aqours/ナナシス → ウマ娘 → 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 → 群雄割拠

のような流れなのかなと思っています。本当に素人なので間違っていたらごめんなさい。

で、この属性のポイントで自分が理解しているのは、声優をキャラ名で呼ぶ所でしょうか。

もう1つ共通して言える事は、ライブがリアルコンテンツの主体である所。

ワイワイと楽しく騒ぐという所に帰着するコンテンツなので、コロナ禍でライブがなくなったり、声出しができなくなったタイミングで、キャラありきという点で若干共通点がありそうなVtuberに流れたというのはあるかもしれませんが、一方で、果たしてそうかな?とも思ったりします。

この界隈に居るわけではないので実態はわかりませんが、仮にこの界隈が先細っているのだとしたら、それは、2.5次元コンテンツがあまりにも乱立して群雄割拠になってしまった事で界隈疲れが出てしまった人がスルスルっと界隈から離れ、自然減しているのではと思っていて、やっぱりVtuberに流れたとは思えないのです。

声優好きが高じて声優全体に興味が湧き”声優にしか興味が持てない”人

自分が今所属している属性がここです。

アニメから始まった声優との触れ合いの中で、ライブでは1万人を集めるようなトップスター声優であっても、小さなイベントではそれこそ数百人のイベントにも普通に登壇してくれたり、ラジオでは気さくにメールを読んでくれたり、その距離感と仕事の多様性から、色々なジャンルのコンテンツを色々な距離感やレイヤーで楽しめるということもあり、「声優がええんじゃー!」みたいに思った人たち。

あまりにも居心地がよいものだから、他の界隈のタレントや芸能人を応援したい気持ちにはならないのですよね。

そんな中でドハマりしたのが愛美さん。

愛美さんがBanG Dream!の戸山香澄役や、THE IDOLM@STERのジュリア役として活躍されていることは以前から知っていましたが、2.5次元から入ることは不慣れで、どこかに抵抗があったのかもしれません。

でも、この曲を聞いた瞬間「この人好き!」と、なったんですよね。

応援している水瀬いのりさんと同じキングレコードからデビューしたという事にも親近感を覚えましたし、何より歌っている曲の歌詞が良い。

目線が近いんですよね。 一瞬で強烈な沼に落ちました。

そしてとても大事なポイントなのですが、愛美さんが声優であるという事が大きかった。

きっとこの人を応援していけば、これまで慣れ親しんだ声優界隈での楽しみ方や応援の仕方を延長できると思ったし、同時に声優ならではの距離感の近さだったり、心地よさを感じる事ができると直感したからです。

愛美さんが声優じゃなかったら、もしかすると違う未来になっていたかもしれません。

そんなこんなで、今は水瀬いのりさんと愛美さんをメインに応援しているのですが、ファンとまではいかなくても、その時々で良いなと思う声優コンテンツは普通に見に行くし、面白いなと思うと応援しています。

例えば、鬼頭明里さんの5周年ライブも見に行ったし、中島由貴さんが登壇する「義妹生活」のイベントも見に行ったし、TrySailのライブも行くし、雨宮天さんのライブも行きます。 メインで応援している軸はありながらも、あちこち良いものは取り入れながら応援している感じです。

それもこれも、声優の距離感と親近感が心地よくて、抜け出せないからです。

・・・と散々ひとり語りしていますが、この属性の人って、多分声優界隈から離れないと思うんですよね。

嫌な書き方をあえてすれば、同じ界隈で次を探す感じ(あ、自分は今応援している人から離れませんよ!笑)。

だから、この属性からVtuberに流れたというのは、はっきり違うと思っています。

声優をアイドルやタレントとして追っている人

一部の声優には、このようなファンが付いているケースもあります。 シンプルに売れっ子で露出が多いことから接点が生まれ、その流れで声優をピュアアイドルとして応援している人たちです。

この領域は全くの未知の領域で深く考察ができないため、そのような人たちがいるという事実だけを記載しますが、この属性の方たちは3Dというリアルを追っているため、Vtuberに流れる事はないだろうとだけ記載させていただきます。

じゃあなんで声優ブームが下火になったんだ?

コロナ禍

やっぱり何よりこれだと思うのです。

2020年にほぼ全てのイベントがなくなり、2021年に再開したイベントもほぼ全て声が出せなくなって。2022年もやっぱり声が出せなくて。

2023年2月にブシロードがマスク着用での声出しを解禁してくれてから、少しずつ声出しが解禁されましたが、丸3年ですよ、3年。

あまりにも長かったです。

会えない、コミュニケーションが取れない、という状況が続く中で、別の娯楽を求めて去っていった人がたくさんいました。

これが何より一番強烈な要素だと思っています。

そんな中で、確かに声優ファンの一部はVtuberに流れたかもしれませんが、これまで書いた理由により、大多数だとは思っていません。

Vtuberに流れた人たちってきっと、コロナ禍の中で、他界隈のタレントやアイドルを応援していた人だったり、その他のコンテンツを応援していた人だったり、いろんな人がエンタメという行き場をなくしてしまい、ネット越しで会えて、投げ銭をすればコメントも読んでくれて、いつでも笑顔のVtuberに出会っていくなかで、結果として、トップVtuberのライブであればSSAを埋めるほどにまで膨らんでいるのだと思っています。

なので、Vtuber市場が伸びたという点においては、コロナ禍があった事は大きく影響をしていると思います。

一方で、何度も繰り返しとなってしまうのですが、声優ファンだけが流れたとは思っておらず、むしろ声優のファンが減った最大の理由は、声優コンテンツというエンタメがなくなって冷静になった時に、他に応援する物もないし、もういっか…と、オタ活をやめた(冷めた)という方が圧倒的多数だと理解しています。

声優アーティスト/アニソンアーティストの排除

個人的にはこの要素もかなり大きいと思っています。

新規参入が減り、自然減を補充できなくなっているという面です。

声優ファンになる入り口は、もちろんアニメから入ることもありますが、アニソンフェスで聴いて興味を持つという入り口も外せません。

その大きな要素となっているのが、アニサマであり、アニマックスだったわけです。

単独ライブに行くほどではないけれど、このクールのこの曲が気になるからちょっと見てみようかなと気軽にフェスに来て、「いいじゃん!」とファンになっていくパターン。

でも、今のアニサマとアニマックス。毎年毎年同じ人ばかりが出演していませんか。

大きなアニメタイアップもヒット曲がないのに、またあの人が出ていると思ったことはありませんか。

深夜アニメが大量生産されるようになり、競争が激化し、いわゆるアニメオタクの奪い合いになってしまった中で、一般アーティストにOP/EDを歌ってもらって、アニメがオタクコンテンツではないかのようにアピールする。

つまり、一般の人にもアニメを見てもらいたいという流れが主軸になっている。

いわゆるオリジナルアニメ映画はこのパターンを突き進んで、声優すら使わないアニメ映画が増えていますが、そんな中で、新海誠監督作品のようなビッグコンテンツが生まれていることも事実ではありますが、実際はほとんどのアニメ映画はコケているという実例があるにもかかわらず…。

その事にやっと気がついたアニメ映画界隈が、また声優メインでアニメ映画を作る流れに戻りつつあるのは滑稽ですが…。

さすがに深夜アニメは声優を使わない作品づくりまではいっていないものの、歌ものアニメは声優ではなくアーティストと呼ばれる方が声を当てる事もふえてきたし、OP/EDは一般歌手だったり、ボカロ歌手だったり、ネット歌手に歌ってもらう流れになっていて。

でも、OP/EDの歌い手は、アニサマにもアニマックスにも来てくれないし、仮にきてくれても、声優のファンの補充には繋がらない。

こうして、新規の入り口の1つだったアニソンフェスが、入り口としての機能を果たせなくなり、間口が広がっていかない。

「これまで」という「これまで」がいつからかはっきりとは言えませんが、アニメと声優はこれまで二人三脚でコンテンツを盛り上げてきたのに、声優は裏方に徹しなさいと言わんばかりの流れをアニメコンテンツ側が作ってしまっている。

もちろんアニタイを歌う声優は今でもいるけれど、圧倒的に母数が少ないし、アニメビッグタイトルのOP/EDは、ほぼ間違いなくアーティストが歌っているんですよね。

少し話題が戻りますが、アニメを一般化する事は別に悪いことではないし、実際、そういう風潮が進んだおかげで、今はアニメ見てます!みたいなことを口にするのが恥ずかしいという時代は終わりました。

ただ、あのアニメもこのアニメもなんでもかんでも全部一般化じゃなくて良いと思うのですよ。

鬼滅の刃クラスの巨大コンテンツは一般化したとしても、明らかに内容がアニメファン属性の作品まで一般化しようとするのは無理があるし、もう少し上手に棲み分けてくれると嬉しいのですけどね。

なんかこんな風に歯車のかみ合わせがずれたことって、結構大きなダメージだな、って。

もう少し業界全体で盛り上がる仕組みができると良いんですけどね…。

結論

という事で、

声優ファンはコロナ禍で去った事と、自然減の補充の入口がなくなった事によって、先細っている

というのが私の結論です。

だから多分、今のままであれば、この先が明るくて楽しい未来になっていくとは思っていません。

きっともう少しシュリンクしていって、ある程度しぼみきった所で、底を打つ感じでしょうか。

声優ライブやイベントといえば、大規模なコンテンツや一部の超人気声優のイベントを除き、200~300名程度のライブハウスのような所で開催される事がメインになるかもしれませんね。

願うならば、Anime Japanのような声優とアニメ一体のコンテンツがもう1つ2つ増えていったり、声優やアニソン歌手がアニメのOP/EDを沢山歌ってアニソンフェスにつながっていったりと、このコンテンツの入口が増える事を、もっともっと業界は作ってくれたら嬉しいななんて思ったりしています。

とはいえ、そんな未来に怯えつつも、私はまだこの界隈に居座るつもりなので、今日も出来る事を1つ1つこなしながら、このコンテンツを楽しみ尽くしたいと思っています。

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