劇場版『からかい上手の高木さん』を見てがっかりしてしまった。<がっつりネタバレ有り>
「映画の想い出は良くても悪くてもきれいなまましまっておく」
こうするのが大人の対応なのかもしれない。
でも大好きな作品だからこそ我慢出来なかったし、納得出来なかった。
何に?
劇場版『からかい上手の高木さん』に。
この先はネガティブな事を沢山書くことになるので、そういった事を読みたくない方や、ネタバレを読みたく無い方は、大変お手数ではございますが、どうかブラウザバックして頂けますと幸いです。
ただ、悪口を書きたいわけではないのです。
繰り返しとなりますが、大好きな作品だからこそ、このnoteを書きたいという原動力になったのです。
自分の中でのからかい上手の高木さん
あくまでも「自分の中で」という前提はつくが、からかい上手の高木さんシリーズは、日常があって何気ない二人のやりとりがあって、その先に時々差し込まれる西方の思い切った行動や高木さんの行動があるからこそ、ハッとさせられたり、ドキドキしたり、頑張れ!という気持がうまれる作品だと思っている。
そんな二人の「青春萌え」を見たくて、映画館に足を運んだ人も多いのではなかろうか。
いわずもがな、自分はその一人である。
ところがこの映画には日常が圧倒的に不足していたし、青春萌えもほぼ無かった。
というと言い過ぎな事はわかっているが、期待していた日常はなかった。
例えば冒頭のじゃんけんグリコのシーン。
このシーンも日常ですよ?と言われればまあ、、、という気持だが、二人のやり取りを見ると、高木さんは西片の事を完全に理解しきっていて、わざと負けたり勝ったり。
はっきりいってしまえば、長い間付き合っている二人のデートシーンでしかなかった。
続く虫送りも然り。ホタルを見る事が出来ないと判っていたにもかかわらず、それにだまって付き合う高木さんの姿。
これも単なるデートシーンだった。
あれ?このアニメってこんな作品だったっけ?
高木さんの可愛いイタズラと、それにちょっと苦しむ西片の日常はどこいったの?
映画を見ながらそんな疑問が広がっていった。
あえて良かった点を上げれば、バス停で高木さんがスッと手を西片に寄せるシーンは素敵だったが、それにしても・・・である。
ハナの存在
そして後半になり、この作品をマイナス方向に決定づけてしまったのがハナの存在だ。
誤解を与えてはならないので補足をすると、ハナ(CV水瀬いのりさん)の演技は素晴らしかった。
ニャーという鳴き声だけの演技でありながらも、バリエーション豊富に子猫の感情表現をする演技は大変素晴らしかったし、この部分だけでもファンなら見る価値があると思う。
では、何がだめだったのか。
そもそもハナの最後の落ちがかなり酷く、知らない人に拾われていくというのも正直どうかと思ったが、これは子猫だからと百歩譲るにしても、そのハナを二人の告白の媒介に使うという手法は悪手だった。
ハナの事で悲しんで泣いている高木さんを前に、西片に告白をさせた。
これはあかんでしょ、と。
そんな言葉が胸の中でグルングルンと何度もこだまして鳴り止まなかった。
本当にがっかりした。
人間誰しも弱っている時はあるし、その時に優しくされたり格好良くされれば心は動く。
でも。
そんな高木さんを前にして、ここぞとばかりに告白をする西片くんを見て、いやいやそこじゃないという気持ちが広がってしまった。
3期のアニメのラストシーンを思い出してほしい。
車にぺしゃんこに潰されたプレゼントを持って、走って走って駆け寄った西片は最高に格好悪くて、でも最高に格好良かった。
そんな西片はどこへいった。
二人の関係って、これまでのアニメの中でこれでもかって太く深くなっていた筈。
なのになぜ、あのシーンで告白させた?
もしかしたら自分の考えは穿っていてそんな意図はなく、シンプルに落ち込んだ高木さんを見て、西片が男気を見せ「俺が守る!」って思っただけかもしれない。
でも違う。やっぱりそこじゃない。
もちろん、必要に応じて高木さんが悲しみの涙を流す事を否定しないし、慰める西片も否定しない。
でもその慰めはあくまでも友情としての慰めであって、その負のパワーを使って西片が殻を破ってはいけなかった。
だって、ここまで着実にしっかりと積み上げてきた二人の距離感ならば、告白は最高にハッピーで、最高に格好良くて、最高に格好悪くて、最高に素敵なシーンが描けたはずで、映画館で見ているみんなが心のそこから祝福と感動に胸躍る「最高の青春萌え」が描かれただろうから。
そして付け加えるならば、高木さんにはその時、嬉し涙を流していて欲しいかったんだ。
だってこの映画、完結編じゃん。最後じゃん。だったら…。
そんな気持ちが残ってしまったからこそ、期待を裏切られたような気がしてしまい、凄くがっかりしてしまったのだ。
周りのキャラクター
・浜口の恋愛は描かれずに終わった。
・ミナ・ユカリ・サナエ。無理にミナにあんな役回りさせる必要はあったんだろうか。
・オウム、あのネガティブ発言だけで萎え。
言いたい事は他にも沢山ある。ただこれ以上書くと単なる悪口にしかならないのでここは差し控える。
元高木さん
でもね、最後に。
この映画のマイナス面を大きく挽回してくれた点。素晴らしかった点。
この描写があったからこそ大好きな気持ちが続いたし、このnoteを書き起こそうというモチベーションにもなった点。
それは?
元高木さんの姿が描写された事。
ここは大拍手。本当に嬉しかった。
西片は西片らしいパパになっていたし、高木さんと西片の仲の良さも短い映像からガッツガツに伝わってきた。
凄く良かったし、嬉しかった。西片、高木さん本当におめでとう。
でもね、だからこそこれで終わってほしくない。
この作品が持っているポテンシャルはこんな物じゃ無い筈だから。
なので最後にこの一言を。
元からかい上手の高木さん、是非映画化おねがいします!
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