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【校閲ダヨリ】 号外(フォロワー500人達成記念)

校閲者が使う道具


みなさまおつかれさまです。
日頃、当チャンネルをご覧いただきありがとうございます。

当初は社内向けの小さな記事からスタートした本お便りですが、このnoteというプラットフォームで発信するようになり、フォローしてくださるみなさまが500人を超えるという事態に発展いたしました。

私としましては「つれづれなるままに」書いてきましたので、「まさかこんなに読んでくださる方がいるなんて」と正直驚いております。
フォロワーの皆さまには、今後とも丁寧に、どちらかというとアンダーグラウンドな言葉の世界をお届けしていきたいと考えております。

今回は、フォロワー500人達成記念号外といたしまして、感謝の意を込め、私が日々の業務で使用している道具について紹介させていただこうかと思います。(誰が興味あるんでしょうね)
特別なものは使用していませんが、いちおう、こだわりと呼べるものはあります。基本的にどこでも購入可能ですので、もしお気に召せば使ってみてください。

※道具の写真は、ふだん使用しているものをそのまま撮影しております。そのため現行品とは外観・仕様が異なるものもありますが、ご理解・ご容赦のほどよろしくお願いいたします。現行品の画像をご覧になりたい方は、商品名のリンクより各社オフィシャルウェブサイトをご参照ください。



1. さらさら描けるゲルボールペンノック式・赤(無印良品)

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いまだにゲラ(校正紙)は、作業はペンで物理筆記、というオーソドックスな方法で校閲をしているわれわれにとって、絶対的に必要となるのが赤ペンです。この商品にたどり着くまで、10種類くらいの赤ペンを使用してきました。ゲルインクのペンはだいたい滑り出しが好調なのですが、インクが減ってきて圧力が下がるとうまく線が引けなかったり、背景に色があるグラビアメインのページなどでは歯が立たなかったり、使いづらいものが多かったのですが、このペンはまさに無敵です。ダマにならず、インク残量0まで書くことができますし、背景色があるページでもインクがのります(さすがに黒背景ページでは細さも相まって判別が厳しいですが)。

私のものは古いモデルなのですが、改造して内部に心の師「キース・リチャーズ」の写真を仕込んであります。

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重要なのはリフィルですね。「補充が利く」という点がとにかく肝心なので、常にチームで10本くらいストックしています。


2. プロッキー<極細+細字丸芯> 赤(三菱鉛筆)

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こちらは、暗い背景色がのっている誌面で使います。業界的には、同じ三菱鉛筆のダーマトグラフ(通称:ダーマト)の明るい色を使用していると聞くことが多いです。プロッキー赤は、たとえば黒い背景色に書くと発色性はダーマトには敵いませんが、取り回しやすく、線を引いた「跡」が光の加減で明確にわかるので重宝しています。インクが背景色の上で水滴になってしまったり、乾きが遅いということもありません。

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3. MONO 100・HB(トンボ鉛筆)

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チームではシャープペンシル派が多いですが、私はノックするのが面倒なので鉛筆を使用しています。シャープペンシル派の人からすれば、「線幅を均一に保つのが難しい」のかもしれませんが、クルクル回転させながら、比較的尖った面を使うことであまり気になりません(が、私の筆記線はメンバーいち太いと思います)。校閲者は、基本的に・(鉛筆の)の2色しか使用しないので、鉛筆での指摘の際に差別化を図りたいときなどは、濃淡や太さを調節できる鉛筆が便利ということもあります。

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自分への投資と考え、トンボ鉛筆のフラッグシップ「MONO 100」を個人的に購入しているのですが、一度使ってしまうと手放せない存在となりました。滑らかで、折れにくい、そして軸色が黒、これだけで十分です。


4. カラフルレーダーライト100(シード)

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消しゴムも、さまざまなものを使用してきましたが、近年はこちらで落ち着きました。よく消えるのはもちろんですが、紙に当てたときに、他社製品より「硬い」感じがするところが気に入っています。

また、最近入手したのが、同社のフラッグシップ消しゴム「スーパーゴールド」。

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私がはじめて消しゴムを使ったときのあのワクワクを追体験するような驚きをもたらしてくれました。天然ゴム製の、金属スリーブ仕様。見た目もすごくラグジュアリーです。


5. パディントンの鉛筆削り(ヴィンテージ)

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作業をしていると、ついつい読むことに熱中してしまいますが、校閲で大切なのは「一定をキープすること」です。チームメンバーそれぞれが「ひと息つく方法」をもっていますが、私の場合は「鉛筆を削る」です。

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電動鉛筆削りも社内にはありますが、それだと一瞬で終わってしまうので……。削っている間は放心できる手動式を使っています。私は『くまのパディントン』が大好きでして、こちらはプレゼントでいただいた古いものになります。これだけはおそらく再入手が困難な上に、刃もかなりこぼれているので、注意深く扱っています。


6. チームオリジナル単語メモシート

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統一表記がない小冊子や、あるけれど数が足りない場合に、私たちは都度メモを取りながら読み進めます。次に同じ単語で異なった漢字を使用しているシーンに出くわしたときに、「●●ページではこちらの字を使っていましたよ」とおしえることができるようにです。当初は、まっさらなメモ用紙に順不同で書きなぐっていましたが、さすがにそれでは効率が悪いとわかり、エクセルでこしらえました。「可能な限り一枚に収めたい」という願望があったので、日頃多くの単語が出てくる行は列の数を増やしたり、あまり出ない行はほかの行と合わせてしまったり、試行錯誤しつつこの形で落ち着きました。私は、目が疲れているときは「見る」力をあまり使いたくないので、文字のほうから目に飛び込んでくるように赤ペンで書いています。

本号外を書いているときに「あ、そういえばそろそろバージョンアップの時期だな」とにわかに思い立ち、最新版を作成したのが、こちらです。

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おそらく、ですが、かなり無駄なく書き込める書式になったのではないかなと思います。

今回は、日頃お便りをお読みくださっているみなさまへ、ささやかではありますがお礼のしるしとしましてこの校閲チーム謹製用語メモシートを差し上げたいと思います。

ふだん、ものを書かれる方で統一表記は特に気にしていない設けていないという方も、ちょっとこのメモでどのくらい「ゆれ」があるか調べてみませんか。特に汚れてはいないテーブルを水拭きしたときのような、よくわからない爽快感が味わえるかもしれません……。

お気に召されましたら、こちらよりダウンロードの上、お使いになっていただけたらと思います。


さて、はたしてこのような記事がお礼になるのか……書き上げてみてもまったく不透明なのではありますが、少しでも現場の雰囲気が伝わり、みなさまにお楽しみいただけましたら幸いです。

今後とも、校閲ダヨリをよろしくお願いいたします。


それでは、また次回。

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