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ことば

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2019年9月の記事一覧

【校閲ダヨリ】 vol.1 満天の星空に何を想う

みなさまおつかれさまです。 夏も後半にさしかかり、星空が美しい李節になってきましたね。(東京ではあまり見えませんが) いきなりですが、「満天の星空」という言葉、よく耳にしませんか? なんだか、慣用句のようになってしまっているし、耳障りも良いですよね。 ですが、違和感を覚えない人は少し危険です。 なぜか。「天」にはすでに「空」という意味が入っているからです。「なんだかシツコイ表現だな」と思えた人、良い線いっています。 ここでは「満天の星」がいわゆる正解です。 同様に、「古来

【校閲ダヨリ】 vol.3 敷居が高い

みなさまお疲れさまです。 最近蒸し暑くなってきて、食欲が失せていませんか? この時季はさっぱりしたもの、そうめんは茹でる間に自分も茹だっちゃうから外にお寿司なんか食べに行きたいなあ……なんて考えては、財布の中身とお給料日までの日数とを計算してため息をつき、親の仇とばかりにそうめんを茹でて生きています。 さてさて、そんな私ですが、家の近所にいつか絶対に入ってやろうと思っているお寿司屋さんがありまして。見るからに高そうなお店の入口は竹の格子戸になっていて、外から覗くとカウンター

【校閲ダヨリ】 vol.4 辞書の性格

みなさまおつかれさまです。 早いもので、4号目になりました。(普通こういう挨拶は5号や10号でするのかもしれませんが、私は4という数字が好きなのです。サンダーバードも4号がいちばん好きでした) さて、今回は、3号でYが配信した内容とリンクさせてみます。せっかく良いテーマなので、もう少し学びを深めてみましょう。 前回Yは『広辞苑 第7版』(岩波書店)を参照して、敷居が高いという言葉について論を展開しました。 広辞苑といえば、絶大なシェア率を誇る、辞書界の大御所ですよね。「