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NTT Designer Meetup 2024舞台裏:完全内製で1000人規模のデザインイベントをつくる

こんにちは。KOELの廣瀬です。前回の記事では、NTTグループを横断したデザインイベント「NTT Designer Meetup 2024」についてご紹介しました。

NTT Designer Meetupは今年で3回目の開催となります。今回は、3回目にして達成した “NTTグループ完全内製イベント” の作り方をご紹介します。大企業内で、自社やグループ内組織を巻き込んだイベント実施の事例として、みなさんの参考になれば幸いです。

NTT Designer Meetup 2024は6月14日にOPEN HUB Parkで開催され、オンライン配信された

NTT Designer Meetupのはじまり

2012年当時、NTTグループ各社でサービスデザインへの関心が高まるなか、デザインに取り組むグループ内の有志により「ICTデザイン勉強会」が発足されました。発足から現在に至るまで、隔月でデザインの実践や学びを共有する勉強会を開催しています。

近年では、NTTグループ各社でのデザイン活動も組織的な活動に変化してきています。わたしたちNTTコミュニケーションズの「KOEL Design Studio」に加え、NTTデータの「Tangity」、NTTテクノクロスの「こころを動かすデザイン室」、そして今年はNTTコムウェアにも「KAIKA」が創設されました。

そしてデザインのさらなる浸透をめざし、各社でのデザイン実践や成果をNTTグループ内で共有するイベントとして、2022年に「NTT Designer Meetup」を立ち上げました。

第一回開催以降もKOELが中心的な役割を担い、NTT Designer MeetupはNTTグループ内でも恒例のデザインイベントになりました。そして3回目の今回は、イベント実施の経験値が溜まってきたことから、これまで外部の会社にお願いしていた部分もグループ内の仲間たちと作り上げよう、と目標を掲げ「イベントの完全内製」をめざしました。

NTTグループ完全内製でイベントをつくる

NTT Designer MeetupはNTTコミュニケーションズ本社にある共創スペース「OPEN HUB Park」で開催するイベントの様子を、独自の配信システムを使ってNTTグループ社員に向けて生配信します。全国の支社支店の社員や、リモートスタンダード制度を活かして地域に移住している社員も自由に参加できるイベントとなっています。

KOELが主導して実現した「NTT Designer Meetup 2024」の体制図

第1回は、NTTグループ全体を対象とした大規模なイベントの初回ということもあり、映像制作会社やWeb制作会社のノウハウをお借りし実現しましたが、デザインをテーマにしたイベントならなおのこと、自分たちの手で作ることを大切にしたい。第2回ではNTT東日本グループの映像制作チームとの内製を行いながら開催し、第3回目となる今回はすべての準備や当日の実施内容も含めNTTグループのみで実現することができました。

ここからは、本イベントがどのように開催されているのかを紹介します。開催に向けて必要な4つのステップすべてをKOELが統括しています。

1. イベント企画

1・2回目に続き、ICTデザイン勉強会幹事団が企画を行いました。 ”NTTグループにとって、今求められるデザインの役割とは何か?” を起点に、イベントのテーマを決定しました。開催日時、紹介するデザイン実践事例だけでなく、”開会の挨拶はどなたにお願いするのか” まで詳細も含めディスカッションし、検討を進めます。

2. 告知

イベント告知にさきがけLPサイトも作成します。WebデザインはKOELで担当し、NTT-ME(NTT東日本グループ)のWITHsというWeb制作専門のチームと連携して実装しました。

地道なイベント告知も重要な準備の一環です。「社内でそんなイベントがあったの?」とならないよう、NTTグループ内限定の本イベントではICTデザイン勉強会幹事団から各社への告知と、そして過去に一緒にお仕事をしたことがあるみなさんにもご協力をお願いしました。結果、NTTドコモグループ、NTT東日本グループ、NTT西日本グループを筆頭に、NTTグループ46社、1,300名の方に参加登録いただくことができました。

3. 配信準備

日本各地のNTTグループのみなさんが遠隔で参加できるよう、オンラインライブ配信の準備も整えていきます。配信プラットフォームはNTTコミュニケーションズのSmart vLiveを活用。音響や撮影、登壇の進行管理など現場のすべては、第2回以降からNTT-ME(NTT東日本グループ)の「V-TECHX」という映像配信・制作を専門として活躍しているチームにご協力いただいています。

NTT-ME(NTT東日本グループ)の映像活用推進チーム「V-TECHX(ブイテックス)」がイベントの撮影、音響、進行などを担当
機材の接続確認や当日の細かな流れなど、数回に分けてリハーサルが行われた
画面の切り替えやカメラワークなど、当日の進行をリハーサルで細かく確認した

円滑なイベント運営を行うには、進行や技術を担当するメンバーとの綿密な意識合わせが不可欠です。運営メンバーもV-TECHXと打ち合わせやリハーサルを重ね、台本制作や当日の流れ、配信中に投影する画像などをすり合わせました。

司会者が映るカットや講演中のカットなど、複数の画面パターンを想定してデザインした
視聴者が途中から講演を視聴しはじめても、どの講演が行われているのかが瞬時にわかるように、今回から画面レイアウトを一新した
ライブ配信サイトは、今回のイベント視聴専用に特別に設けられた

会場設備、機材搬入の準備については、会場となるOPEN HUB Parkのスタッフと事前に確認していきました。会場、進行、撮影、配信、オンライン施策など関係者すべての意識合わせが、現場で各メンバーの力を最大限に発揮するためにも重要になります。

イベント当日の配信に携わった運営チームの体制

4. 当日準備

最後に、当日スタッフや登壇者、見学者を会場に迎え入れるための準備を進めます。

来場者にはイベントへの一体感を感じていただくために、毎回オリジナルで制作したTシャツを配布しています。また今回から、来場者同士の所属会社や名前がわかるように、Tシャツに貼れるタイプのスタッフパスを制作しました。デザインはKOELが担当し、製造についてはテルウェル東日本にお願いしました。

また、受付周りに案内板を設置したり、当日のタイムテーブルを配布したり、登壇者やスタッフなど役割に関わらず、すべての来場者の体験が向上するよう心がけました。

イベントの制作物については、今回もKOELの徐さんが担当しました。制作裏話を以前の記事で紹介しています。

スタッフパスは受付で自由に受け取れるようにし、来場者に身につけてもらうことで、「講演者」「スタッフ」「見学者」のどれに該当するのか、見分けがつくようにした
メインの司会は第1回からKOELの金さんが担当。「体力は大丈夫なんやけど、タブレットを持つのが辛い…」とのことで今年から司会用のテーブルが導入された
今回もNGRA(NTT Graphic Recording Association)のメンバーによって、イベントの内容がグラフィックレコーディングされた

おかげさまで「NTT Designer Meetup 2024」は素晴らしいイベントになりました!改めて本イベントにご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!
視聴された方や登壇いただいた方から、配信や運営のスムーズさの観点からご好評いただくことも増えました。今後も、試行錯誤を繰り返しながら、より良いイベントを設計することで、NTTグループにおけるデザインのさらなる浸透につなげられればと思います。

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