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建設現場の “人と工程” をつなぐ「tateras™」リブランディング支援

こんにちは、KOELのUXデザイナーの棈木(あべき)です。
NTTコミュニケーションズから建設業の施工管理業務のDXソリューション、新ブランド名称「tateras™︎(タテラス)」が、2024年5月にリリースされました。

今回は、リリースに向けてネーミングからロゴ制作、Webサイトリニューアルまで、KOELが並走したブランディングの一連のプロセスを紹介します。

建設現場の人と工程をつなぎ、支える

建設業界では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、加えて就業人口の減少と高齢化も深刻化しており、人材不足が重要課題となっています。建設現場全体の生産性向上が急務となる中、NTTコミュニケーションズと竹中工務店、清水建設との協業を経て実現した、工程作成から実績管理に至るまでの施工管理業務のDXを全面的にサポートする「ドコモ建設現場IoTソリューション」が生まれました。

建設現場でtaterasが利用されるシーンを一覧で見れる図です。建設現場の中で工程表作成、作業感調整、内装工程、KY活動、手配、朝礼のシーンでtaterasが利用されています。

これまで「ドコモ建設現場IoTソリューション」として提供してきたサービスに加え、2024年から新たに工程管理ソリューションが加わることになりました。これを機に新たなブランド名称の設定が必要になり、KOELがブランドデザインを担当しました。

これからの建設業界に求められること

taterasのリブランディングプロセスは、以下4つのステップで進みました。

taretasのリブランディングプロセスを説明した図です。(1)ペルソナ、強みの深掘りからビジョンの明文化 (2) ビジョンを端的に表現するネーミング (3)ブランドの世界観を表すロゴ制作 (4)活用シーンやベネフィットを伝えるWebサイトデザイン

新たな名称を考える前に「業界全体として抱えている課題は何か?」「どのように解決していきたいか?」という点からこのプロジェクトは始まりました。
ビジョン策定のフェーズは「建設業界で今当たり前となっていることを、このソリューションでどう変えたいか?」をテーマにしたワークショップから始まりました。ワークの中、メンバー全員の共感が集まったのが「建設現場をもっとコラボレーティブなものにする」というビジョンです。

taterasのビジョンである「建設を、もっとコラボレーティブに」を表現した図です。「コラボレーティブな建設現場の誕生」という言葉には、個人の視点、チームの視点、プロセスの視点での利点があります。

現在の建設現場では、複数の組織から多様な職種・役職の方々がプロジェクトに加わるため、細かな意識合わせが必要な一方、スケジュールや進捗の連絡は多くの現場で今も電話や紙媒体が使われています。
デジタルの力で人と人、前工程と後工程を繋げ、建設に関わる工程全体でコラボレーションが生まれれば、多様な人々がお互いを理解し、やりがいを持って働けるようになるはず。ワークショップ参加者が皆で共感できる、目指したい理想の世界が明らかになり、検討を行うチームの目線を一点に揃えることができました。

建設業界の希望をネーミングにこめる

ビジョンが定まったところで、協業している竹中工務店や清水建設の皆様にもご協力をいただいてアイデアを広げ、それらのご意見を元にKOELが調整を行い、最終的に統合ソリューションの名称「tateras(タテラス)」が完成しました。
建築業界の「建てる」と、業界の明日を「照らす」を掛け合わせたものです。最近ではビル名にも使われることが多い「テラス」という単語にもかけることで、このサービスを通じて広く業界の未来を見渡せるよう、という意味も含めています。

taterasのロゴマークです。建設物をイメージしたシンボルマーク、taterasのタイポグラフィ、「建設現場のDXを実現する」というコピーの3つから成り立っています。

ブランド表現の視覚的な軸となるロゴマークも「建設現場をコラボレーティブなものにする」というビジョンに立ち返りながら制作を進めました。
建築物を見上げた様子を端的に表現したシルエット、そして業界の明日を照らすという意味を込めた放射状に広がる2つのラインとグラデーションから「コラボレーティブで明るい業界を作っていく」意志を感じさせるものを目指しました。ロゴの制作とともにブランドカラーや運用ルールも含め、KOELでブランドガイドラインも作成しています。

taterasのロゴバリエーションを説明したブランドガイドラインの1ページです。ヨコ組/タテ組、サブコーピー有/無の組み合わせのロゴバリエーションを紹介しています。
taterasのロゴに使われているグラデーションの素性を説明した図です。青から緑に変化するグラデーションを3色でしていています。

また統合名称にあわせ、「ドコモ建設現場IoTソリューション」に含まれていた個別ソリューションの名称もリニューアルしました。横断的なソリューションであることが以前よりわかりやすくなるよう、「tateras+各機能をわかりやすく表した名称」の組み合わせに変更しています。

「ドコモ建設現場IoTソリューション」から「tateras」に変更になるに合わせ、旧来使われていた各ソリューション名称がどう変化したかを説明した図です。
段八プラン→tateras 手配
段八エリア→tateras 作業間調整
KYアシスト&帳票アシスト→tateras KY帳票アシスト
朝礼アシスト→tateras 朝礼アシスト
段八タクト→tateras 内装工程
ToDoコネクト→tateras ToDo

活用シーンのイメージが湧くWebサイトへ

新名称公開にあわせ、NTTコミュニケーションズ公式サイトのtateras紹介ページもリニューアルしました。

NTTコミュニケーションズ公式サイト のtateras紹介ページのスクリーンショットです。 https://www.ntt.com/business/services/iot_construction.html

リニューアルにあたり、サイトを訪れた方にいかに「今の業務で活用できる様子」を想起していただくかを重視し検討を進めました。ソリューションのもたらす価値やベネフィットを正しいニュアンスで表現できるよう、プロダクトの開発チームのメンバーとの意見交換を繰り返し行い制作しています。

Webサイトのビジュアル表現では「人」を中心としたイラストレーションを新たに作成しています。各ソリューションがどのような現場の課題に対応しているのか、建設現場で働く人々にどのようなコラボレーションがもたらされるのかを表現しています。

taterasのWebページで使用された、taterasが実際に使われている様子を表現したイラストを集めた図です。建設現場の様々な現場での情報伝達の悩みが解消されている様子が描かれています。

ページ内で利用される人物イラストに関しても、安心感や信頼感を感じさせ業界の明るさを伝えるものを目指しました。上記のイラストはバリエーションのほんの一部になりますが、職種・容姿・シーンの組み合わせから可能な限り多くのパターンを用意しました。こちらもブランドが目指す多様な人がコラボレーティブな現場に集う世界を描写する上で重視したポイントです。

デザインの力で「愛される社会インフラ」を拡げる


今回は、私たちの暮らしになくてはならない、社会を支える建設業界の働き方改革に貢献するソリューションのリブランディングデザインプロセスをご紹介しました。

KOELでは今後も、様々な領域を横断して社会課題を解決し、「愛される社会インフラ」を実現していく取り組みを拡げていきます。KOEL公式noteではNTTコミュニケーションズのSmart World事業などさまざまなソリューションのデザイン支援事例をご紹介しています。ぜひ他の事例もご覧いただければ幸いです。


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