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もうデザインとは、言わない|KOELができるまで #2
こんにちは、KOELの池田です。今回は、KOELができるまでの続きです。
対談編にて語られた立ち上げの経緯を、もうすこし詳しくご紹介しますね。
巨大な組織の中で、デザイン初心者がデザインを浸透させるには?
#1 前回
chapter 1. こんにちは、デザイン思考 (2010~2011)
chapter 2. 旅行トランク (2011~2015)
#2 今回
chapter 3. チャンスはピンチ? (2015~2016)
chapter 4. もうデザインとは、言わない (2016~2019)
chapter 5. 再会 (2019〜2020)
chapter 3. チャンスはピンチ? (2015~2016)
UI/UXユニットリーダーとして実績を積み、課題とその対策も立ちつつあったそんな折、
当時の会社トップからとある指令が下ります。
デザイン活動がトップの耳に入り、琴線に触れたことがきっかけでした。
「全社のUXを向上させなさい」
え、ぜ、全社?当時のユニットは総勢6人。全社というと…2万人います。
そのUXを向上させるなんて、、しかもUXデザインという概念すら、当時全社的にはほとんど理解されていない状況です。
当時の会社の組織構造はセールス、サービス、オペレーション、という機能別組織。
そのため、組織横断的な活動を仕掛けていかないと、UX向上施策はうまく進みません。この事は、ユニットでの実践経験から学んでいました。
とはいえ、組織横断的に施策を推進するには人的リソースが圧倒的に足りませんでした。
そこで金さん含めたユニットのメンバーは、徐々に仲間を増やしながら、理想の体制を構築する作戦に出ます。
各組織にUXリーダーとUXデザイナーで構成された小さなデザインチームを設置し、組織横断的な活動をする体制を作ろうとしたのです。
様々な経緯で集められたリーダー・デザイナー候補の人に、まず大急ぎで5日分の研修メニューを作り込み、お手製のデザイン研修を実施しました。
ただ、研修しただけでは、それぞれの現場の文脈に合わせたデザインを取り込むことは困難でした。デザイナーは一朝一夕には育ちません。
そこで研修後、全組織のリーダー・デザイナーのデザイン業務支援を実施しました。
組織を行脚しながら、セールス・サービス・オペレーションの様々な現場に合わせた広義のデザインの実践方法を創り出して、ひたすら実践を続ける日々・・・
しかしながら、人をアサインするだけでは、組織を大きく変革することはできません。スキル、モチベーション、関係者の合意、味方作りなど色々な要素が整わないと人は動けないことを思い知ります。
学びとしては、物事を動かすためには、構造から変えないといけない!ということ・・・
さて、次はどう動く、金さん?
chapter 4. もうデザインとは、言わない (2016~2019)
人を動かせるような構造に変えていくには、どうすればいいんだろう・・・?
そう考えた金さんは、「デザイン」を「顧客志向」と言い換えることで、当時のトップの標語である「GO TO MARKET」との親和性を持たせてみました。
そして社長や全組織長向けに、IDEO Tokyoと
デザイン思考ワークショップを開催。
すると、これがきっかけとなり、経営戦略としてデザインに取り組む流れが生まれたのです!
(こちらについては、日経XTRENDで『NTTコム、デザイン思考成功の鍵は「デザイン」を使わないこと』という記事でも、まとめられています。)
経営企画部内のデザインチームとして顧客志向経営を推進することになったメンバー。
社内の様々な組織の特徴をリサーチと過去の経験を通じて把握することで、組織的にデザインに取り組むための構造を見出せたのもこの時期でした。
その一方で、マネジメントがまわらないという壁が立ちはだかります。ごつん!
まず、人の育成に手が廻らず、ほぼ個々人にお任せ状態。社内から人を採ってくるノウハウもありません。また、チームとして、全方位作戦になってしまい、フォーカスも仕切れませんでした。
リソース不足への対処と、マネジメント力の強化が次の課題となりました。
chapter 5. 再会 (2019〜2020)
デザイン専門組織の本格的な立ち上げをしたいけれど、専門家のサポートも欲しいな…と思っていた頃のこと。
2012年に出会い、新規事業のプロジェクトやデザイン思考研修など、いつも苦しいタイミングで支援してくれていた石川さんが新会社KESIKIを立ち上げました。
「これはいい機会!」そう思った金さんは石川さんに、思い切って声を掛けます。
そしてここから一気に、KOELとしての組織体制を整えていくことになるのです・・・
おわりに
最後までこの物語を見守ってくださった皆様、ありがとうございます!
デザインに救いを見出した元ゆるふわエンジニアの奮闘記、いかがでしたでしょうか?
このnoteのポイント:
組織の中で、デザイン初心者がデザインを浸透させるには?
・崖の上から飛び降りながら、飛行機をつくる
→自信が無くても、まず挑戦して自分を追い込んで、学びながら全力で答えを出す
・デザイン≒顧客志向で構造から変える
→相手の課題に刺さる伝え方に置き換え、仲間になり、大きく動かす
最後は今回の物語の主人公、金さんから、10年前の自分へひとこと・・・
「とにかくやってみろ、この世界に答えはない」
デザインの体現者らしいコメントですねぇ。私もメキメキのデザイン初心者なので、まずやってみる!を大切にしたいと思います。
さて、次回からはKESIKIさんと合流して、加速していく組織化のお話です。
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