
子どもの使うクレヨンを通じて考える:便利なものより心を動かすものを使う
日本には沢山の優れた文房具がある。
去年までシンガポールと日本を行き来する生活を送っていたが、日本に来るたびにシンガポールでは手に入らなかった安全・安心・便利な子ども向けの文房具に魅了された。
だけど最近、考えさせられることがあった。
皆さんも知っているであろう、クレヨラ。
昔からある、クレヨラ。
私も子どものときに使った記憶があるが、母親になって気づいたことがあった。
折れやすい
汚れやすい
(触れるとすぐに色が付いてしまい、爪にクレヨンが入りやすい)
そのため、我が家では日本で購入したさんかくクーピーペンシルを使っていた。さんかくクーピーペンシルを購入したのは、以下が理由であった。
折れにくい
汚れにくい
(触れても他のものに色移りせず、爪にも入りにくい)握りやすく、正しい持ち方の練習にもなる
この「さんかくクーピーペンシル」は、クレヨラで感じていた問題を解決するだけでなく、知育の要素も強化されており、子どもの発育に役立つのではと感じていた。
しかし最近、2歳の長男がクレヨラを使いたいと言い出した。
長男からはまだ「なぜさんかくクーピーペンシルではなくクレヨラが良いのか」の意見を引き出せてはいない。しかし、彼はクレヨラしか使わなくなっ
てしまった。
改めてクレヨラの何が良いのか私なりに理解を深めようと使ってみると、以下の2つの点に気が付いた。
発色が良い
テクスチャ―が柔らかく、何ともいえない触感で「クリエイティブ心」を揺さぶる(※個人的な感想)
便利なものも多く出てきている世の中ではあるが、特にクリエイティブな領域では、利便性よりも感性が揺さぶられるもの(発色や感触など)が評価さ
れることに繋がるのかもしれません。
子育てする大人にとっては便利な道具、片付けが楽で、子どもの手を洗う際も丁寧に補助する必要がなく、正しい道具の使い方も教える道具。
子育てする大人にとっては扱いずらく手間がかかる道具、だけど子どもの感性が揺さぶられる(予想)道具。
絵を描きたいという子どもの気持ちに寄り添う時に、何が大事か。片付けのことを注視するか、子どもの好き・やりたいを尊重するのか。
そして最近はクレヨラを使っている。
勿論子どもの意思を尊重しつつ、自分がストレスを抱えるリスクを防ぐことも大事なのでお出かけの際やどうしても忙しい時には便利な「さんかくクーピーペンシル」を活用し、それ以外は「クレヨラ」を愛用していこうと思う。
親にとってのベストが子どものベストではない。日々忘れがちなことを思い出すきっかけになった。