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【授業におけるICT活用】インターネット検索力をきたえよう(1)

子ども達ひとり1台ずつのコンピューターが配布される前から、学校ではインターネットによる情報検索の授業がありました。3年生くらいからパソコンルームでYahooキッズやgooキッズなどの検索サイトを利用して調べ物をするのです。

しかし昨今、私が看護学校で授業を行う際、生徒たちがインターネット検索を上手く使いこなしていないことに気が付きました。専門学校生ですから、だいたい20歳くらいですが、例えばURLを指定して、「ここからデータをダウンロードしてください」と指示しても、ダウンロードができないのです。

というか、そもそも目的のページにたどり着けない。
なぜだろう?と思って彼らのPCを覗いてみると、「検索キーワード」を入力する欄にURLをそのまま入力していました。

そうすると部分一致の検索結果が出され、特定の場所を表示してくれなくなるのです。
ほかにも、「https:」という文字を、半角ではなく、全角で入力しているという人もいました。

そもそも英数は半角、URLは「アドレス欄」に入力することが大前提の私には、大変ショックで、いったいどこから教えたらよいのか……と悩んでしまいました。

これは、単に決まりごとを知らないという話ではないのです。URLのアドレスの英数が半角という概念は、文字のエンコードということや、検索エンジンの認識の問題などともつながる(日々変化してはいますが、もともとの理由です)し、URLはアドレスバーに入力するという決まりは、そもそもWebサイトとは何か、URLとは何かというインターネットの基本的な知識につながります。

すべてのことを理解する必要はもちろんありませんが、「なぜ」こうするのか、という説明を受けずにインターネット検索という技術だけを学んできた結果なのだろうなと思いました。

しかし、授業中にあらためてこのような話をすることもあまりないので、普段インターネット検索をする際に、いろいろな方法を試すという形で伝えることが良いのかなと思いました。

現時点で、インターネット検索で使える方法は主に以下のようなものです(Googleを検索エンジンの例で使用しています)

  • AND検索

  • OR検索

  • NOT検索

  • フレーズ検索

  • 「とは」など、質問形式を使って検索

  • 「*(アスタリスク)」を使って検索

  • 検索の期間を指定する

  • ファイル形式を指定する

  • 検索オプションを使う

  • サイト内検索

  • 画像検索

AND検索は、キーワードを複数並べて検索する検索方法のことで、私たちが普段から使っている方法です。

単語と単語の間にスペースを入力して検索するのですが、キーワードが多くなりすぎると、指定したキーワードの一部が自動的に除外されてしまうことがあります。

このような場合はキーワードの間に「+」や「AND」と入力して検索する方法もあります。「AND」や「+」を使ったほうが、キーワードの自動除外を防止できるので、より的確な情報を得られるのです。

OR検索も、キーワードを複数並べますが、単語と単語の間に「OR」と入力します。この場合、ORで区切ったすべてのキーワードを検索した結果が表示されます。

NOT検索は、キーワードの前に「-」記号を入れて検索します。「-」以降に入力したキーワードを検索結果から除外したい場合に使うので、例えば「パソコン -Chromebook」と入力すると、Chromebook以外のパソコンについての情報が結果に表示されます。

この3つの検索方法は、確かに便利な方法ですが、AND、OR、NOTと聞いて、何か思い浮かべませんか?これは、授業で教える「ベン図」を説明に加えるとわかりやすいと思いますし、実際に私はベン図で説明をしています。

このように、単にインターネットの検索といっても、自分が何を目的として検索をするのかによって、工夫をしていくことができること、インターネット検索はただ検索の技術を教えるだけでなく、ほかの教科と関連をもった説明に応用することができるのです。

ほかにも、文章を「 」でくくって検索をするフレーズ検索や、〇〇とは?と問いかける検索方法もあります。

これらは、文章中の単語だけをひろって検索結果に出すのではなく、より目的に近い結果を多く検索したいときに便利です。

*(アスタリスク)の検索は、例えば「えんぴつ」に関する検索をする際に、*えんぴつ と入力すると、「赤えんぴつ」「色えんぴつ」など、えんぴつという文字の前に何かが入っているものはすべて表示されます。

これは、プログラミングで使用されるアスタリスクの使い方なのです(単に表計算の掛け算の記号だけではありません)。

なぜこういう検索の仕方をするのか、という説明を加えることで、より深く情報を取得することができますし、検索の仕方によって結果が違ってくるということも、授業で行うと理解しやすいのではないかと思います。

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