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【親になるということ】子どもも親も「ひとりではない」ということを忘れないで

最近、少し深刻な相談を受けることがありました。

小学校のクラスに馴染めず、トラブルを起こしてしまうのだけれど、本人は頑張って学校に行きたいと言っているので、毎朝登校に付き添っているお母さんからです。

詳しい話はここではできませんが、話を聞きながら自分の息子のことを思い出していました。私の息子も小学校中学年のころ、クラスや先生に馴染めず、トラブルを起こしていたからです。

息子の話ならばできますので、どんな話だったかはそこから想像していただければと思います。

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私の息子は生真面目で、正しいと思ったことは貫こうとするタイプです。それは幼少のころからで、間違っていると思ったら言葉に出して相手に伝えてしまいます。

自分の意見を言うことは良いことですが、そこでお友達とぶつかるのです。ただぶつかるだけならば、それほど問題はありません。しかし、彼の場合は読書が好きなため語彙が多く、どうしても「言い負かす」ような形になってしまっていました。そうするとお友達は面白くないのです。

いじめのきっかけは習い事でした。
その当時サッカーが流行っていたのですが、息子は学校でただひとり剣道を習っていました。

すると、体の大きいボスのような子がいて、「サッカーに来いよ」というのです。剣道をやっているからやらないといった息子に対し「剣道なんてヤバイ、臭い、キモチワルイ」といわれ、息子は怒りました。

習いたての剣道の心得や武士道、はまっていた宮本武蔵の話で反撃したらしいのですが、そのあと、授業中にこっそり消しゴムをぶつけてきたり、物を隠したりというところから始まり、だんだんいじめがエスカレートしてきました。

最終的には目の中にホウキ(黒板のチョークを掃う、ささらのような小さなもの)を入れられ、角膜が傷つくという騒ぎになりましたが、残念ながらそのような状態になっても学校側は上手に対処することができませんでした。

私は親として学校と連絡をとり、相手の親たち(複数いたので)と話し合いをしていきました。と同時に、学校の友達と遊べない息子に学校でも家庭でもない場所を探しました。

もちろん剣道はそのひとつです。剣道の友達は市内の小中学校にいるので、事情を話して週4日間どこかの会に出稽古に行かせました。

また、幼稚園のときの友達と遊べるよう、ママ友に連絡をして調整をしました。
本来は遊びの約束など親がするものではありません。でも、自分の学校を離れる場合は(学区外になるので)事情の説明も含め、やはりいろいろと準備が必要だと考えました。

小学校の時期、子どもたちの世界はまだ狭く、学校で受け入れられなかったらもう自分は終わりだと考えてしまうこともあります。そうではないのだと。学校はあなたが属しているコミュニティのひとつにしか過ぎないんだ…ということを私は伝えたかったのです。

学校外のたくさんのお友達と、学校外のたくさんの「大人」のおかげで、彼は人と接することを拒むということなく、その学年を乗り切ることができました。

次の年、校長先生が代わり、その先生が剣道をされていた関係で全校朝会などでお話をされた結果、あっけなく「剣道キモチワルイ」発言はなくなりました。

それどころか、剣道ってどういうのだ……と息子に質問をしてくる(去年までいじめをしていた)お友達もいたようです。息子は驚き、そしてある意味何かを悟ったように「キレないで話す」ようになりました。

彼の経験は決して良いものではありませんし、親の対応として正しかったかどうかもわかりません。ただ私が息子に伝えたかった「世界は広い」ということと、同年代でも同じ発達状況ではない(学力だけでなく、精神面の発達も)し、家庭環境もみな違うのだということは伝わったようです。

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以上のような話を相談してくれた人には伝え、親として子どもが何を乗り越えようとしているのか、そこにどのようなサポートをしたらよいのかということを注意深く考えていこうね、と結びました。

地域の大人はどうやったら……という質問もあったのですが、息子さんがパソコンに興味があるとのことだったので、私の息子を紹介するから一緒に秋葉原にパソコンを買いに行こう、でもその際に何故パソコンが欲しいのか、パソコンで何をしたいのかという話し合いから始めて、できればパソコンを自作してみようという提案をしました。

そんな交流が始まるのが楽しみです。

地域の大人は、すぐそばにいます。
悩んだとき、迷ったとき、子どももひとりではありませんが、親である私たちもひとりではありません。みんなで一緒に考え、乗り切っていける関係性を普段からつくっていくことも大切ですね。

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現在、「教育」が「IT」でどのように変化するのかを定点観測するwebサイト【koedo】にも記事を掲載中です。

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