え!?EQコンプを自動で調整するソフトがあるんですか!!?
ナレーター、そしてMAミキサーの小枝です。 (このnoteは個人的な意見ですので、チラシ程度に留めてくださると嬉しいです。また、誤情報などないように気をつけてはいますが、間違いなどがありましたらご指摘して頂けると幸いです。)
今回は、iZotope社から出ている"Nectar3"というプラグインについてお話します。
4週にわたって、EQコンプについて書きましたが、それら全てをAIが自動で調整してくれるという嘘みたいな機能を備えているのが、このNectar3です。
通常、ナレーションの音づくりを決めていくには、前記事のような工程が必要なので、早くても5分程度はかかります。
ところが、このNectar3は、なんと数十秒で適切な音処理をしてくれます。
実際に見ていきましょう。※音量は変えないでください!
いかがでしたでしょうか?
差は歴然だと思います。私が以前noteにて公開した処理を自動でしてくれました。
もちろん、この処理が最適!というわけではありません。この処理を軸に、自分好みの音に近づけていきます。(その辺りの研究は、今後試していきます)
Nectar3は、公式アカウントの方や代理店の方曰く、「70〜80点ほどの精度で、最適な音づくりを提案してくれる」プラグインです。
つまり、手間な作業をAIに任せることで、悩む時間をカットし、その時間をクリエイティブにまわすことが出来るわけです。とにかくスピードが求められる時代ですし、これが最大のメリットではないかと思います。
ここからは、一介の番組MAミキサーとしての評価を書きます。
正直に言うと、「日本語ナレーション」だけで考えると精度自体は65点という所でしょうか。
というのは、やや子音の音の輪郭が強調されすぎている気がしたからです。
Nectar3だけでなく、その他のiZotope製品は、アメリカ在住のレコーディングエンジニア100名近くの技術をラーニングさせています。
英語の発音が子音の文化なのに対し、日本語は「a,i,u,e,o」の母音の文化なので、その辺りの音処理に少し違和感を覚えました。みなさんはどうでしょうか。
ただ、それを差し引いたとしても、このNectar3は素晴らしいプラグインです。ミキサーの方なら、第三者的な使い方をするのもよし、ビギナーの方なら、教科書的な使い方をするのも良いと思います。
AIなどの新技術と上手に付き合っていけば、より生産的な仕事が出来ると僕は思います。
その他にも素晴らしい機能があるのですが、それはまた別の機会に書こうかと思います。
次回は、木曜日更新予定です。それではまた。
小枝真也