岬の兄妹 / ぶん殴られ系 映画
■「岬の兄弟」を観ての感想をまとめておこう
底辺の人々の暮らしをテーマにした映画は好きで、「万引き家族」「パラサイト」なんかもその括りだと思う。だけども「岬の兄妹」は桁が違った。
結構気軽に観はじめてしまったけど(一人で)
途中からは、リビングに家族が近寄ってはこないか???
気が気じゃないほどハラハラしながら観続けるというハメになった。
それほど「取り扱い注意」な作品が誰でも視聴できる環境で配信されているものなんだ。。。。
観終わった後は
とにかく思い切りぶん殴られたような感覚で
何日間か気分が悪かった。
セックス観の崩壊が激しかった。
”快楽のため” でもなく
”子供をもうける” ためでもない。
"愛を確かめ合う" ためでもない。
しかし
ずっと人類が闇に押し込めてきたセックスの形。
深層は
「自分の存在を、孤独を、受け入れられたい」
という痛みにつきるだろう。
このようなスキンシップの形は、氷山のごとく海面の下には隠しきれないほど押し込められていて、格差社会が生み出す、孤独、貧困、ハンディキャップは世界を覆い尽くしている。
片山監督のそういったメッセージなのかな?と一先ずは思った。
この作品はそのような深い闇をマリコの純真なキャクターを使うことで、鮮やかに炙り出している。
一方で美しいと感じたカットもあった
マリコがピンク色のショプカードを空中にばら撒くシーン。マリコが海中を泳ぐシーン。
救いのない環境とマリコの天真爛漫なピュアさが作り出すギャップ
心を鷲掴むような強烈な映像だった。
マリコの女優さん
この作品ではこんな役を演じてはいるけど、、、、
実生活ではさぞ演技派の役者さんなんだろうな、、、と検索してみたら
主演作品歴には、王道のポルノ女優? っぽい作品名がずらりと並び
これには2度 ぶん殴られた思いがした。
救いがない…
■ 同じツボを突き当てる作品
英国の労働者階級をテーマにした
ケン・ローチ監督の「ケス」を思い出した。
底辺の労働者階級の子が
孤独・いじめなどに耐えながらも、小さな鷹のケスを育てていくことで心を通わせていく。
映像美というよりも心象の美しさが「岬の兄弟」と似通っているような気がした。
■ 意味がわからない?系の映画
劇場を出た時に?????に翻弄されて
何度も「どう解釈したらいいのか?」自問した作品といえば、ジャック・ベッケル監督の「穴」
ど、どんなプロセスでこうなったのか?という解釈を誰かと共有してみたいなと思える作品。
脱獄もの、裏切り。
連帯感と自己利益のくっきりしたコントラスト。
男色の絡め方とかフランス映画らしい…フィルム・ノワールの極みです。
■シン・ぶん殴られた系の映画
「鬼が来た!」「鬼子来了」
中国作品
姜文(チアン・ウェン)監督
初期 香川照之の出世作?
中国から見た日本の戦争を良くも悪くも偏ったw 目線で切り取った作品。
太平洋戦争時に日本軍が中国に駐留している舞台なのですが、モノクロームで展開される、???な展開に振り回され、終劇の際には呆然として震えが止まらない。
映像と刷り込みの強い音楽に撹乱されて、何がどうなった??という不条理の畳み掛け。
理不尽を強要されて来た大陸の(朝鮮含む)歴史のやり場のない憤りが表現されているのだろう。
書き始めたら方向がわからなくなったのでまた改めようと思います。