「水のきざはし」
モチーフ
大好きなアーティストがライブ中にポロポロと引いていたピアノのアルペジオがとても美しくて耳を離れなかった。
もう何十年も前のライブなのに、ずっと憧れていた音の流れ。
そんなアルペジオを少し変えて伴奏を作ったら、水のような流れが出来た。
いろいろと音を重ねると、偶然、ときどき美しいハーモニーが生まれる。
元のフレーズがシンプルなので、どんなコードにも合わせやすい。変幻自在だ。
引き算のメロディ
アルペジオに寄り添ったり離れたりしながらメロディを編んでいった。
最初はけっこう派手にメロディをハモらせていたけど、これでは耳コピが大変になると思った。(実はアレンジ祭の原曲なのでアレンジャーが耳コピするのだ)
思い切ってメロディは単音にまとめなおした。簡素に、シンプルに。
そうしたら主題がはっきりして、魅力が高まった。
引き算することでキレイになることもあるのだなあ。
メロディで物語を作る
メロディの流れを整えたくなった。もっと物語を語らせたい。
メロディをひとつの大きな流れとしてとらえた。水のように。
繋がりやリズムにも気を使った。
物語的に伏線を見失ってはいないか? 無理な展開はないか?
そして伴奏のアルペジオもワンパターン化しないように、時々メロディと歩調を合わせたり、コードに合わせて少し形を変える。
アレンジ祭は1分半推奨なので、曲の長さを収めるのは、少し名残惜しかった。
ロングバージョン作ってみようかな。
ピアノ音源はUVI Revenscroft。甘い音色がとても好き。
タイトルに和の言葉を
自分としては珍しくイメージを決めずに作っていたので、タイトルを決めるには出来た曲の世界観をあらためて自分で分析しなければならない。
家族に聴かせてみたら結構好評で、放課後の音楽室のボーイミーツガールなイメージ + 水 のような感じらしい。
なんとなく甘酸っぱいアニメの雰囲気もある。
タイトルには和の言葉をつかってみたかった。
「きざはし」という言葉がある。「階段」のことで、たとえば雲間から細く差し込む光の先は「天使の階段」、「天使のきざはし」と呼ばれている。
うん、これがいい。気に入った。
今まで作ったことのない曲が出来たような気がする。
水の世界で生まれたボーイミーツガールな物語の音楽、もしお時間があったら聴いてください。
わずか1分半の美しい曲。自信作です。
お読みいただき、もしかしたら聴いていただきまして、どうもありがとうございました😊