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DAWをLogicからREAPERに転生した話

幸せな日々は永遠じゃない

いま音楽制作に使っているのは、iMac 2017。
もともとは事務処理をするために買ったものだけど、故障もなく元気に動いてくれている。

DAW(音楽作りに使うソフト)には、アップル謹製の Logic Pro X 10.5 を使っている。

Logic Pro Xの画面

この環境で4年間、250曲以上作ってきた。正直たのしくて仕方がない。
そんな幸せが永遠に続くと思っていた。

暗雲

Webブラウザが使えなくなったため、iMacのOSをバージョンアップする必要が出てきた。

ところが、うちのiMac 2017は2年前のOSにしか対応していない。
最新版のOSは入れられない。

つまり、うちのiMacはすでに最終進化形になってしまった
これ以上の進化はできない。
またWebブラウザとかが使えなくなったら、今度は、Mac自体を買い替えるしかなくなる。

それは困る。Macはとにかく高い。

このままだと、幸せな音楽作りができなくなってしまう。

ベンダーロックイン

ではWindowsかLinuxに乗り換えようか。
Windowsマシンは一般的にMacよりは安いし、中古も多く出回っている。
幸い、うちにはそんなに古くないWindows11ノートPCもある。
これをなんとか使えないだろうか。

ダメだ…。
自分が使っている各種音源プラグインはWindowsでも動くけど、DAWは Logic Pro X。 Macでしか動かない。

Logicを使っている限り、アップルから逃げられない。
ジョブズ亡き後、あまり魅力的な製品を出せていないアップルと心中はしたくない。

ということで、次のMacを買い直すよりは、DAWを乗り換えることにした。ところが、DAWも高いのねー。困った困った。

DAW探し

わがままなので、こんなDAWが欲しいと思った

  • とにかく安い

  • 音源をいっぱい使っても動く(軽い)

  • WindowsでもMacでも、できればLinuxでも動く

  • 途中で拍子やテンポを変えられる

  • ギター録音ができる

  • とりあえず試せる

そこで見つけたのが、Cockos社のREAPERというDAW。

REAPERというDAW

Reaperは、Windows、Mac、Linuxに対応。
すでにバージョン7なので、意外に歴史は長い。

付属音源を持たないなどCubase、StudioOne、Logicなどと比べると少し独特なところがあるため、正直、最初はとっつきにくい印象があった。

「貧者のDAW」との異名を持っていることもあって、なんとなく「安かろう、悪かろう」と思っていた。

が、それは間違いだった。
いろいろ貪って、やっとわかってきた。うん、これは面白い!

Reaperの画面

REAPERの考え方

  • 「トラック」を用意して、「アイテム」(Logicでいうリージョン)を置いていくことで曲作りする。

  • 「トラック」には何でも区別なく入れられる。

    • MIDIシーケンス(いわゆるピアノロールで入力する音符データ)

    • オーディオ(いわゆる音声データ。コンプやリバーブで味付けできる)

  • 「トラック」には「エフェクト」を付けることができる

    • いわゆる音源プラグインも「エフェクト」の一種
      (音源もエフェクトの一種と言い切る割り切り感が凄い!)

    • もちろん、リバーブやコンプも「エフェクト」

    • MIDIにも「エフェクト」をかけられる(オクターブあげるとか)

    • 「エフェクト」は多段階で積み重ねられる。自分の場合はこんな感じ

      • モジュレーションホイールをボリュームコントロールに変えるMIDIエフェクト(ぐりぐりすると強弱つけられる)

      • 音源プラグイン本体

      • Neutron

      • ディレイ

  • 「トラック」から別の「トラック」に、自由に信号を送ったり受けたりできる。

    • 一つのMIDIトラックから、ピアノとパッドみたいな複数音源をユニゾンで鳴らす。

    • ピアノの左手と右手にあたる二つのMIDIトラックから、一つのピアノ音源を鳴らす。

    • 複数のストリングス音源トラックの出力を一つのオーディオトラックにまとめて、ボリュームコントロール/エフェクターをかける。

    • リバーブだけのトラックにセンド&レシーブする

わかってしまうと面白い

たしかに自由度が高すぎて、とっつきにくいところがある。
けど、統一した設計になっていて謎ルールが少ないので、いったんコツを掴んだら、これほど心地よい自由度は他のDAWにはない。
昔のモジュラーシンセみたい。

個人的にすごく受けたのが、マルチ音源の対応。

  • M1とかUVIとかのマルチ音源を選ぶと、マルチトラックを全部用意してくれる。(Logicだと謎ルールがあって大変💦)

  • 16トラックとか並ぶけど、使わないトラックを非表示したり、順番を入れ替えたりも自由。(M1のストリングスとSampleTankのストリングスを隣り合わせに配置できる)

  • トラックにランダムに色付けしてくれる機能も地味に便利

カスタマイズ最強😆

  • メニューから選べる機能とか、ほとんどの操作はキーボードのショートカットにアサインできる。

    • いま一生懸命見つけたコマンドが「アクション」の履歴で確認できるので、そのままショートカットをつけられる。

  • Logicで慣れ親しんだキーボードショートカットをそのまま使える。反射的に押すキーに対応してもらえるの、すごい嬉しい。

  • 使いにくい操作はキーやマウスの割り当てを外しちゃえば誤射しないで済む。

意外に日本語の解説が多い

  • 使い方については、意外にも日本語の解説ページやnoteがけっこうある。
    思った以上に日本人のファンも多いのね。
    ということでググれば解決することも結構多い。

音質・負荷

  • 思ったとおり軽い。8GBのマシンでも十分鳴らせている。

  • 普通にクリアな音色。

そして安い

  • 円安だから昔ほどではないにしても、気に入ったら1万円ほどで買える。

曲作りの流れ

自分なりにREAPERを使って曲をつくったら、こんな感じの流れになった。

  • 使いたい音源(シンセとか)のトラックを用意する。

    • Neutronを挟んで音作りしておく。

    • MIDIキーボードで単体でも鳴らせる様にする。

  • リバーブだけのトラックを用意する

    • 各音源トラックからセンド&レシーブできる様に設定する。

  • フレーズごとのMIDIトラックを別に用意する

    • 鳴らしたい音源トラックに「センド」する。複数OKなのでユニゾンを駆使していい感じに混ぜる。

    • 音符を打ち込む。
      自分の場合、「いま弾いたフレーズを後追い録音する MIDIキャプチャ」機能を多用している。軽いから、伴奏を聴きながら多重録音していく。

    • クオンタイズも普通にOK。

  • 最終段のマスタートラックに、Ozoneを挟んで仕上げる

  • 使ったエフェクト設定やトラックを「テンプレート」として保存しておく。

    • 別の曲に同じセッティングが使える

REAPERで困ったこと

  • Logic付属音源Alchemyがない!(あたりまえ)

    • Alchemyはとても良いシンセ音源だけど、Logicでしか使えない。
      実はこれがいちばん痛い。

  • そうは言っても基本は英語

    • 有志の方が日本語パッチを用意してくれているので、当座はしのげる。

    • でも、新しい機能などは全部英語で表示されているので、ちょっと大変。

  • トラック同士のセンド&リターンが混み合ってくると、だんだん混乱してくる

    • こればかりは慣れが必要かも。

  • デフォルトのデザインはそっけなくて少しダサい。

    • スキンを設定してカッコよくできるらしいけど、未挑戦。

鳴らしてみたよ

とりあえずまずは1曲。

これから

  • このあと、うちのiMacが寿命を迎える前に脱出できるように、徐々にREAPER中心にシフトしていく。

  • REAPERならばでの小技をものにする。

  • Linuxでも動かせる様に整備する。

  • とりあえずWindowsに脱出する。

    • そのまえにAlchemyの代わりを探さなくちゃ…。

長文お呼びいただき、どうもありがとうございました。


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