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DAWをLogicからREAPERに転生した話
幸せな日々は永遠じゃない
いま音楽制作に使っているのは、iMac 2017。
もともとは事務処理をするために買ったものだけど、故障もなく元気に動いてくれている。
DAW(音楽作りに使うソフト)には、アップル謹製の Logic Pro X 10.5 を使っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1722169899484-LCjuIlbxrG.png?width=1200)
この環境で4年間、250曲以上作ってきた。正直たのしくて仕方がない。
そんな幸せが永遠に続くと思っていた。
暗雲
Webブラウザが使えなくなったため、iMacのOSをバージョンアップする必要が出てきた。
ところが、うちのiMac 2017は2年前のOSにしか対応していない。
最新版のOSは入れられない。
つまり、うちのiMacはすでに最終進化形になってしまった。
これ以上の進化はできない。
またWebブラウザとかが使えなくなったら、今度は、Mac自体を買い替えるしかなくなる。
それは困る。Macはとにかく高い。
このままだと、幸せな音楽作りができなくなってしまう。
ベンダーロックイン
ではWindowsかLinuxに乗り換えようか。
Windowsマシンは一般的にMacよりは安いし、中古も多く出回っている。
幸い、うちにはそんなに古くないWindows11ノートPCもある。
これをなんとか使えないだろうか。
ダメだ…。
自分が使っている各種音源プラグインはWindowsでも動くけど、DAWは Logic Pro X。 Macでしか動かない。
Logicを使っている限り、アップルから逃げられない。
ジョブズ亡き後、あまり魅力的な製品を出せていないアップルと心中はしたくない。
ということで、次のMacを買い直すよりは、DAWを乗り換えることにした。ところが、DAWも高いのねー。困った困った。
DAW探し
わがままなので、こんなDAWが欲しいと思った
とにかく安い
音源をいっぱい使っても動く(軽い)
WindowsでもMacでも、できればLinuxでも動く
途中で拍子やテンポを変えられる
ギター録音ができる
とりあえず試せる
そこで見つけたのが、Cockos社のREAPERというDAW。
REAPERというDAW
Reaperは、Windows、Mac、Linuxに対応。
すでにバージョン7なので、意外に歴史は長い。
付属音源を持たないなどCubase、StudioOne、Logicなどと比べると少し独特なところがあるため、正直、最初はとっつきにくい印象があった。
「貧者のDAW」との異名を持っていることもあって、なんとなく「安かろう、悪かろう」と思っていた。
が、それは間違いだった。
いろいろ貪って、やっとわかってきた。うん、これは面白い!
![](https://assets.st-note.com/img/1722167616089-lNXg12PDu1.png?width=1200)
REAPERの考え方
「トラック」を用意して、「アイテム」(Logicでいうリージョン)を置いていくことで曲作りする。
「トラック」には何でも区別なく入れられる。
MIDIシーケンス(いわゆるピアノロールで入力する音符データ)
オーディオ(いわゆる音声データ。コンプやリバーブで味付けできる)
「トラック」には「エフェクト」を付けることができる
いわゆる音源プラグインも「エフェクト」の一種
(音源もエフェクトの一種と言い切る割り切り感が凄い!)もちろん、リバーブやコンプも「エフェクト」
MIDIにも「エフェクト」をかけられる(オクターブあげるとか)
「エフェクト」は多段階で積み重ねられる。自分の場合はこんな感じ
モジュレーションホイールをボリュームコントロールに変えるMIDIエフェクト(ぐりぐりすると強弱つけられる)
音源プラグイン本体
Neutron
ディレイ
「トラック」から別の「トラック」に、自由に信号を送ったり受けたりできる。
一つのMIDIトラックから、ピアノとパッドみたいな複数音源をユニゾンで鳴らす。
ピアノの左手と右手にあたる二つのMIDIトラックから、一つのピアノ音源を鳴らす。
複数のストリングス音源トラックの出力を一つのオーディオトラックにまとめて、ボリュームコントロール/エフェクターをかける。
リバーブだけのトラックにセンド&レシーブする
わかってしまうと面白い
たしかに自由度が高すぎて、とっつきにくいところがある。
けど、統一した設計になっていて謎ルールが少ないので、いったんコツを掴んだら、これほど心地よい自由度は他のDAWにはない。
昔のモジュラーシンセみたい。
個人的にすごく受けたのが、マルチ音源の対応。
M1とかUVIとかのマルチ音源を選ぶと、マルチトラックを全部用意してくれる。(Logicだと謎ルールがあって大変💦)
16トラックとか並ぶけど、使わないトラックを非表示したり、順番を入れ替えたりも自由。(M1のストリングスとSampleTankのストリングスを隣り合わせに配置できる)
トラックにランダムに色付けしてくれる機能も地味に便利
カスタマイズ最強😆
メニューから選べる機能とか、ほとんどの操作はキーボードのショートカットにアサインできる。
いま一生懸命見つけたコマンドが「アクション」の履歴で確認できるので、そのままショートカットをつけられる。
Logicで慣れ親しんだキーボードショートカットをそのまま使える。反射的に押すキーに対応してもらえるの、すごい嬉しい。
使いにくい操作はキーやマウスの割り当てを外しちゃえば誤射しないで済む。
意外に日本語の解説が多い
使い方については、意外にも日本語の解説ページやnoteがけっこうある。
思った以上に日本人のファンも多いのね。
ということでググれば解決することも結構多い。
音質・負荷
思ったとおり軽い。8GBのマシンでも十分鳴らせている。
普通にクリアな音色。
そして安い
円安だから昔ほどではないにしても、気に入ったら1万円ほどで買える。
曲作りの流れ
自分なりにREAPERを使って曲をつくったら、こんな感じの流れになった。
使いたい音源(シンセとか)のトラックを用意する。
Neutronを挟んで音作りしておく。
MIDIキーボードで単体でも鳴らせる様にする。
リバーブだけのトラックを用意する
各音源トラックからセンド&レシーブできる様に設定する。
フレーズごとのMIDIトラックを別に用意する
鳴らしたい音源トラックに「センド」する。複数OKなのでユニゾンを駆使していい感じに混ぜる。
音符を打ち込む。
自分の場合、「いま弾いたフレーズを後追い録音する MIDIキャプチャ」機能を多用している。軽いから、伴奏を聴きながら多重録音していく。クオンタイズも普通にOK。
最終段のマスタートラックに、Ozoneを挟んで仕上げる
使ったエフェクト設定やトラックを「テンプレート」として保存しておく。
別の曲に同じセッティングが使える
REAPERで困ったこと
Logic付属音源Alchemyがない!(あたりまえ)
Alchemyはとても良いシンセ音源だけど、Logicでしか使えない。
実はこれがいちばん痛い。
そうは言っても基本は英語
有志の方が日本語パッチを用意してくれているので、当座はしのげる。
でも、新しい機能などは全部英語で表示されているので、ちょっと大変。
トラック同士のセンド&リターンが混み合ってくると、だんだん混乱してくる
こればかりは慣れが必要かも。
デフォルトのデザインはそっけなくて少しダサい。
スキンを設定してカッコよくできるらしいけど、未挑戦。
鳴らしてみたよ
とりあえずまずは1曲。
「たそがれ」
— こだきんP (@CarpetOfTheSun3) July 27, 2024
#深夜の2時間DTM
お題は「癒し系BGM」です
初めてReaperで作ってみました
いやー流石にいきなりは無謀だった💦
音色を探すのに時間かかり使い方間違えて時間かかって、結局4時間DTMになってしまった😱
でもこれが初心者に転生した実力
じっくり取り組んでいきましょう☺️ pic.twitter.com/FsWa7r0Zxq
これから
このあと、うちのiMacが寿命を迎える前に脱出できるように、徐々にREAPER中心にシフトしていく。
REAPERならばでの小技をものにする。
Linuxでも動かせる様に整備する。
とりあえずWindowsに脱出する。
そのまえにAlchemyの代わりを探さなくちゃ…。
長文お呼びいただき、どうもありがとうございました。