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「軽さは正義」の終着点は……:Glorious Model D- Wireless ワイヤレスゲーミングマウス

全世界67億人の貧弱右腕の皆様こんにちは。一昔前までは「多ボタンマウスこそ正義!」とか言って余裕で150g前後のマウスを振り回していた香月です。もうここ何年かずーっと軽量マウスしか目が行きません。貧弱右腕です。挨拶の順番ズレた。

さて、今回はなんやかんやで数ヶ月悩んだ挙げ句に購入に踏み切った軽量ゲーミングマウスこと、Glorious Model D- Wirelessのご紹介。一時期は「バカじゃないの?」とかいう謎の上から目線だったはずの穴開きマウスです。

軽いのは気に入っている、だが何か手が疲れる……原因は「マウスの背丈」でした

(優秀な製品には違いない、Razerの誇る軽量ワイヤレス)

これまでメインPCで使用していたマウスは「Razer Viper Ultimate」で、2020年5月頃、たまたま訪れたじゃんぱらにキレイな中古完品があった為、当時は素直に意識を失って気づいたら使っていました。バッテリ内蔵のワイヤレスマウスながら74gとこれまで使用したワイヤレスマウスではぶっちぎりに最軽量(一瞬使って不具合連発で終了したG Pro Wirelessでも80g)で、左右対称かつ小ぶりなボディ、センサ感度やクリックボタンの反応もよく、なかなかにお気に入りな製品でした。本製品を使用するまではRazer製品もそんなに継続的に使用していなかった事もあり、Viper Ultimateから一気に我が家にRazer製品が浸透する事になります。

……とかいう事で色々とRazer製品のレビューを書いてみたりもしたわけなのですが、どうにも手のひらや腕が疲れるな、と感じ始めたのが、使用開始から1年以上経った2021年後半。他の手持ちマウスなども試した結果、「マウスの厚み方向が薄すぎる」という結論に達したのでした。尚、本製品自体のレビューは執筆していないものの、マウス製品に関しては2つのレビューを公開しています。

店頭展示機で試したりした部分も含め、「マウスを持った時に手のひらが浮き続ける」、もしくは「ピタッと手を当てようとすると指が不自然になる」というのが、私の手のひらでの「疲れの原因」でした。言うまでもなく手の大きさの関係などもあるので、これを以て「このマウスはダメなヤツ」という事では全くなく、その部分さえなんとかなれば今でも使い続けたであろうくらいには気に入った製品でした。予備にもう一本調達しようかと思ったくらい。

そんなわけで年末を挟みながら色々マウス探しをした上で、年明けに新製品が出たという事で、ついにメインマウスが「穴あきマウス」になった、というのが今回の製品。

実測値はまさかの有線以下、65g台の右手向け「Model D」ワイヤレス

(ハニカム穴あきマウスがついに我が家にも……)

そんなわけで、既に左右対称モデルである「Model O」のワイヤレスが販売されていた、Glorious製の「穴あきマウス」、有線版では「Model D」という右手向きの形状をした製品があったのですが、その無線版となる「Model D Wirelessが登場した為、意識的に意識を失う事にしました。

69gで右手向き形状、穴開きマウスを大々的に始めたのはここだっけ? くらいの知識しかないGloriousなのですが、当初このタイプの「穴開きマウス」が出た頃はそれはそれは拒否反応だらけ。何が一番って、「中の掃除どうしろと」という身も蓋もない理由だったのですが、いざこの手の軽量化がスタンダードになると、メーカー側も色々と工夫をし始め、現在では「内部基盤の耐水性構造」などの設計上の工夫も盛り込まれるようになりました。だからといってコーヒーをこぼしたり、ベチャベチャに水拭きしようなんて事は全く考えちゃいないのですが、そろそろ飛びついても良いのかなぁ、なんて思っていた所だったのでした。直近で気になっていた穴開き系で言えば、SteelSeriesのAeroシリーズ。Bluetooth接続にも対応した、公称68gの製品です。

だが待てと。AeroX3はパッと見では左右対称の形状ですが、サイドボタンが左側にのみ存在、つまるところ「右手向け」のマウスだったわけで、それならばいっそ形状ごと右手向けに最適化した製品のほうがよろしいんじゃないか、と一度意識を取り戻した上で、最終的にGloriousマウスに激突していたのでした。

(左側がくぼみ、右側が膨らんだ「右手向けエルゴノミクス」形状)

そもそも私がマウスを左手で操作する機会というのがほぼ無く、例外的に使用するのが「作業デスクの左側にノートPC置いた時」という限定的な状況で、かつ「2台の画面上で双方同時にマウスカーソルを動かしたい」という「そんな機会が頻繁にあってたまるか」というレベルだった為、むしろ右手持ちに最適化された形状のほうが疲れないだろうと判断。そんな中でまぁタイミングよく出てきたのが、今回のModel Dだったのでした。

なんで2つ並んでるの? Model D-? なにそれ?

(もう少しわかりやすい表示方法をですねぇ……)

そんなわけで通販なんて待ってられず、ショップに激突して購入してきたワケなのですが、いざ現物を見てみると、同じ形の同じワイヤレスなのに2種類、カラーバリエーションを入れると4種類のラインナップ。お値段も違います。なんぞこれ? と思って現物を並べたり箱の記載を見たりした所、「Model D」がノーマルモデル(?)に対して、若干サイズダウンした「Model D-(でぃーまいなす)」がある、という具合でした。お値段的にはショップで確認した時点で2000円弱ほどの差があり、小型のD-のほうがお安いプライス。試しにサイズを意識して展示機を持ち比べたのですが、ピッタリ手のひらをつけて握った状態で、人差し指と中指がクリックボタンから飛び出す事無く握ることが出来た、という理由もあって、今回は小型モデルである「Model D-」をチョイス。公称の重量が2gとはいえ軽量だった、というのも決め手の一つではありました。

(サイズの違いはこんな感じ。マウス先端部の幅は同一)

尚、この後の内容で重量測定も行っていますが、公称値が「67grams ±2g」(Model D-)とあるように、実測値は67gを下回っています。

付属品も含め何かと気合が入ってる製品でした。なんとなく。

(パッケージ一式の写真を再掲)

そんなわけで購入して帰宅するなり箱を開いてダバーしたワケですが、まずは同梱物一式が上の写真。本体、USB-A→Cケーブル、USB-A形状ドングル(レシーバ)、延長用のUSB-A→USB-C変換アダプタ、追加ソール、あとはペーパー類とオッサンのステッカー。Gloriousといえばこのオッサンですが、幸か不幸か、マウス本体側面にもしっかりオッサンがいます。誰やお前。

(右側に置いた状態でこちらを見続けるオッサン)
(外側となる右側面は更地。左右ともアーチ状のLEDライティング入り)
(形状はいわゆる「エルゴノミクス」タイプで右手向け)

ハニカム状の肉抜き軽量化以外に関して言えば、ごくごく普通にある右手向けの形状で、さほど特筆する点でもありません。大昔の「ナスビマウス」ことMicrosoft IntelliMouseほど極端ではなく、最近の右手向け形状よろしく「マウスを曲げた」というよりは「左を凹ませて右を膨らませた」形でのアーチ状。他社からも同様の形状のマウスは出ており、ネット上では「ZOWIE EC2クローン」という呼び名も。実際に形状を見てみると、なるほどよく似ています。他製品で言えばRazerのDeathAdder、LogicoolのG703系もまぁ似たような感じ。

ただ、今回のGlorious製品に関しては、「ワイヤレスかつ軽量」という点が、これらのエルゴノミクス形状マウスと異なる特徴になります。

(公称67g±2g、実測値はマイナス側に寄った65.4g)

まさかの公称値切り。厳密には「±2g」と謳われているので、メーカーの言う通りではあるのですが、ほぼギリギリまでマイナス側に振り切った65g台。手に持った感覚がもはや異次元でした。Viper Ultimateに慣れきった手であるにも関わらず、です。

(公称74g、まぁまぁ誤差範囲なRazer Viper Ultimate)

それもそのはず、Viper Ultimateよりも10gちかく軽くなっているのです。中身ちゃんと入ってるのか不安になるレベルなのですが、ハニカムの肉抜きがされているので中身は見えました。ちゃんと入ってます。

(裏面は親の仇の如く穴だらけ。操作上の剛性には影響なさそう)

裏面は四つ角にソールを設けたスタンダードな形状。スイッチとDPI表示インジケータ、ほぼ中央にセンサがあるのみのシンプル構造です。マウス底面という事で剛性の影響を受けにくいと考えたのか、恐ろしく穴だらけ。さすがにメッシュのような部分を指で強く押すと若干歪むような様子はありますが、通常使用でマウスを横から指で強くつまむようにしても、歪みはおろか軋み音もしません。写真のようにひっくり返して色々しない限りは、強度や剛性には影響ないようです。尚、ソールは保護テープが貼り付けられている為、剥がして使用。たぶん剥がさなくても使えてしまうのでしょうが、これまた親の仇の如く「remove」を繰り返しているので剥がしてあげましょう。

(Viper Ultimateより若干ながらずんぐりむっくり)
(マウス中央部の高さはModel D-のほうが高め)
(裏面も結構違います。レシーバ格納部分等も無し)

実際にViper Ultimateと比較したのが上の3枚。形状的にスリムな左右対称デザインだったViper Ultimateに比較して、Model D-は若干横幅が広い印象。長さ方向はほぼ同一の為、少しずんぐりした感じです。手のひらを被せる事になる上部はModel D-のほうが高くなっており、今回一番気にしていた「手のひらを置いた時に空間が出来てしまう」という点はクリアしてくれました。ついでに言えばクリックボタンより後ろ側はハニカムメッシュになっているので、手汗などでムレる事もありません。長時間マウス操作を行っても思いの外快適でした。

マウス底面はViper Ultimateが色々と付加機能を持っている事もあって、ガラッと印象が変わります。マウス前方にレシーバ収納部、センサより後ろ側にはクレードルによる充電が可能なポゴピン受けがある、といった具合にViper Ultimateは色々とありますが、Model D-はとにかくシンプル。ちなみにModel D-は充電クレードルはもちろん、無接点充電も非対応の為、充電時にはUSB-Cケーブルを接続する事になります。毎日毎度、というわけでは無いにせよ、クレードルにポンと置けば常に充電出来ていたViper Ultimateに比べるとちょっとだけ面倒。

(付属USBケーブル。C端子採用ながら上下の指定アリ)
(端子周りにある樹脂部分が上下非対称の形状。マーキングがあるのが上側)

付属されているUSBケーブルは、これはこれでLogiのケーブルをパk……参考にしたのであろう、3又形状。USB-C形状なのですが、ケーブル側の端子周りの樹脂パーツが上下で非対称の為、USB-Cの特徴である「裏表関係なく接続できる」という利点がスポイルされています。ケーブル自体は布巻きでかなり柔らかいものではあるのですが、結局私はこのケーブルは使用せずに箱の中へ。マウス側のUSB-Cポート部分は奥まっている形状ながら多少なりスペースはあり、通常のUSB-Cケーブルで代用が可能でした。

(PD対応USB-Cケーブル接続。端子周りは程よくスペースがあるため使用可能)

そのほかの同梱品として、もしかしたら私は初めての経験かもしれなかったのが、「追加のマウスソール」でした。「交換用」ではなく、「追加用」です。

(キレイにカットされた追加用のマウスソール)
(置いてみるとこんな感じ)

このソールを追加する事で、マウス前後の広い範囲をカバーしてくれるようになるのですが、その分マウスパッド等との接地面積も広がってしまうため、いくら滑りの良いソール(公式記載が見当たらないながら、PTFE製?)であっても、マウスを動かしたときの「動きが重い」という印象が出てしまうかもしれないと思い、とりあえず貼らずに様子を見ています。程よく抵抗があったほうが、精密なマウス操作には向いているのですが、そのへんはどうかなぁと検討中。

精密操作の精度は文句なし。ただし、これより軽量になると厳しいか?

(マウスレビューのおやくそく)

さて、実際のマウス操作に関する内容に移っていきますが、まずはポインタ精度に関して。センサの性能としては最大19,000DPIと、Viper Ultimate(最大20,000DPI)に比較しても若干低く、また最近では25,000DPI前後が多くなってきた所から見ると少々物足りない数字に見えますが、実操作の上ではさほど影響はありませんでした。上の画像もお約束になっていますが、「100%表示状態の画像で、1ピクセルだけカーソルを動かす」という操作に関しても、上下左右斜め方向、全域に対して問題ない精度が出ています。尚、先日レビューした通りディスプレイを置き換えた影響で、視認できるドットピッチは従来より細かくなったのですが、それでもキチッと1pxの範囲でポインタ操作をする事が出来ました。身体は完全に慣れた操作なのですが、マウス側の動き次第でこれが実現できないマウスもあったりするので、このテストは必須項目になっています。

ただし……という形での記載にはなりますが、「軽さは正義」も行き過ぎると影響が出てしまいそうだと感じたのもこのテスト。実測65g程度のマウスですが、「仮にコレより軽量で、ケーブルの影響が出ないワイヤレスマウス」というものが出たとして、そろそろ「軽量化のデメリット」が出てしまいそうな領域に突入してしまった感じがあります。おそらくメーカーとしてもそれを多少なり認識しているからこそ、付属品に「追加の」マウスソールが含まれていたのでしょう。軽量ゆえにポインタ精度が出ない場合は、ソールの面積を増やしてマウスパッドとの抵抗を上げ、「そもそもブレにくい、悪く言えば滑りが悪い」状態に調整する、という選択肢であろうと思います。偶然か否か、前後に分かれている事もあるので、指先側だけ、手のひら側だけという貼り方も可能。社外のソールも多数販売されていますが、あまりに軽量化が進んでしまうと、今度はマウスソールも「滑れば良い」という安直な方向だけでは足りなくなってしまいそうです。

(最近全然プレイしなくなっちゃったエーペックスレジェンズでテスト)

マウス操作のテスト、という事でこちらもお約束、FPSゲームこと「エーペックスレジェンズ」。単発ハンドガンであるP2020、及びフルオートのRE-45の2点で、射撃演習場にてテストです。

どちらの場合でも、左右に動きながらのいわゆる「レレレ撃ち」、及びジャンプを繰り返しての射撃で、少なくともマウス性能に起因するミスショットは見られませんでした。RE-45は連射に伴って照準が上にズレていく(マズルジャンプ)のですが、マウス側でそれを抑え込むような操作もしっかりついてきてくれます。軽量かつワイヤレスということで引っかかりも無くプレイ可能ではありますが、例によってこれ以上軽くなってしまうと少々厳しい面が出てくる可能性も。

おまけ……というのは乱暴ですが、マウスホイールの操作感について、私の好みとしてはModel D-の感触に軍配。Viper Ultimateも悪くはないのですが、ホイールの動きが軽い割にしっかりとクリック感があり、ピタッと止めたい所で止める事が出来ます。ゲームプレイだけでなく、通常のブラウジング等でも同様で、ホイール回転時の音も静か。一方でホイールクリックに関しては左右クリックボタンと同様に「カチッ」と音が響き、かつクリック自体も軽めな為、この点も好き嫌いが分かれそうですが、長い距離をスクロールする際にホイールクリック→カーソル移動という操作を行う際にも、しっかりと操作が行える上、軽い操作感である事もあって好みな感じ。せっかくの軽量マウスなので全体的に軽い操作で使いたい、というニーズは汲んでくれているように思います。

一方で左右クリックボタンに関しては、あまり根元側、手のひら側のギリギリ部分に指を当てて操作するには厳しい感触で、ちょうどマウス中央のDPI変更ボタンあたりから指先にかけてはほぼ反応に違いのないクリック感。以前レビューを行ったASUSのROG Keris Wirelessでは、「どの部分をクリックしてもしっかり入力が入る」というバランス調整が行われていたので、それに比較すると根元側が少し残念ではあります。指をかなり立てた状態でマウス操作をするユーザは要注意ポイント。

設定ユーティリティの導入は必要だが、オンボードメモリなので「設定後」は不要

(マウス設定ユーティリティ「Glorious Core」)

続いてゲーミングマウスおなじみのユーティリティツールについて。本製品でも「Glorious Core」という設定ユーティリティが配布されており、LED照明の設定やキーバインド、DPI感度等の設定を行うのに必要となります。ただし、設定した内容はマウス内のオンボードメモリに格納されるようで、設定後にユーティリティを終了した状態で使用しても、LED照明や感度、キーバインドの類はそのまま使用可能です。なるべくユーティリティを動かしたくないような環境であれば、初期設定のみ打ち終えてしまえば問題なく使用可能なのは良い設計。ただし……という事で最後の難関、ネガティブポイントです。

お世辞にもキレイとは言えない内蔵LED、電池残量の確認もユーティリティ無しでは行えない

(これ、設定上は「真っ白」です)

そんなわけで何かと褒め倒してきた感がある記事になってしまいましたが、ネガティブなポイントが少なくとも2つ。

1つ目はLED照明の品質で、色合いがバラついている他、スリット状に配置された乳白色部分(マウス左右、ホイール左右)にかなりの明かりムラがあります。ゲーミングなんとかよろしくレインボーでくるくる動かすならともかく、単色常時発光(いわゆる「スタティック」)にすると明らかに目立ちます。また、これも残念品質なLEDにありがちな「白が白くない」というのも気になる所。上の写真でピンク、もしくは紫っぽく光っている状態ですが、ユーティリティ状では「完全に白」という設定でコレです。ピンクっぽくなっている他、ところどころにムラがある様子が写真越しでもわかると思います。

2点目は「バッテリ残量の確認」について。ユーティリティをインストールした状態であればユーティリティ経由で確認が可能ですが、単体では確認する方法が無く、バッテリ残量に応じてLEDの色合いを変化させる等の機能もありません(メーカー確認済み)。この為、先の通り設定を打ち終えてユーティリティを起動しない、削除した状態で使用した場合、唐突にローバッテリで使用不可になる場面もありえます。本製品はLEDによる電力消費が大きいのか、80~100%輝度に設定するとガンガン残量が減っていくので、どうしても光らせたい人はバッテリ残量と格闘するか、おとなしく輝度を落として設定する事になるでしょう。私の場合はといえば、別にキラキラ光っている必要は無いのですが、暗い部屋で使用する場面が多いこともあって、10%輝度で薄っすら光らせています。ちなみにPCとの接続断、例えばPCの電源を落としたり、ドングルを外したりするとそれを判断しているのか、自動的にスリープモードに移行します。その状態でUSBケーブルで充電を始めるとアンバー(オレンジ色)にホイール部分が発光する状態、マウスを動かすと設定されたLED設定で復帰します。マウスのスリープに関してはPC起動状態、接続状態でも3分程度でLEDが消灯してスリープに移行するようで、これも同様にマウスを操作すると復帰。この復帰時にタイムラグ等は気になるレベルでは無いので、テキストタイピング等で記事を書いている間にスリープに落ちても心配ない点は不幸中の幸いです。

※2022/02/25追記:バッテリ残量が残り10%を切ったあたりで、本体のLED設定に関係なく、ホイール部分が赤く点滅してローバッテリーを通知する機能が搭載されていました。ファームウェアはv0.3.8.0にて確認。

(バッテリ残量が10%を切ると、ホイール部分のみが赤く点滅して通知してくれます)

なお、Web上の評価で見られた「従来のGlorious製マウスは組み立て精度がイマイチ」という点については、少なくとも手元のModel D-では感じられませんでした。目立つバリ等も無く、少し強めにマウスを握っても軋むような事もありません。前述の通り底面部のメッシュ部分を強く指で押すような場面では多少歪みが出ますが、逆に表面側のメッシュ部は補強フレームが入っており、こちらは歪む様子はありませんでした。また、防水機能に関しては当然ながら水をぶっかけるわけにも行かないのでテスト出来ていませんが、少なくとも通常使用で多少手汗をかいた、もしくはアルコールペーパーで表面を掃除した程度では何事も起きなかった事を追記しておきます。

※2022/02/25追記:一週間ほどでチャタリングと思われる不具合を確認、販売店では再現性がなく、代理店対応を依頼しました。土日を挟んだものの、代理店にて現象確認、最終的に一週間弱で交換品が到着しました。現状、交換品に関しては不具合等は見られず、代理店対応に関しても時期が悪かったとはいえ、到着後すぐに確認作業をしてもらえた等、スムースに進めてもらえた印象です。

「穴開きマウス」に感じていた心配は杞憂だった様子、ただし、これ以上軽くなるとどうなるか……

(期待通りの機能・性能だが、軽量化の限界が見えるか……)

そんなわけで、今回はマウス変えましたよ、という事で「Glorious Model D- Wireless」のレビューをお届けしました。「穴開きマウスは流石にどうよ」という不安感は、少なくとも自宅PCのデスク上では何ら心配不要であるようで、強いて言えば長期使用においてホコリが中に入ったりしないだろうか、というのがまだ不安の残る点ではありますが、強度や手に持った感触に不満はありません。

また、これまでより10g近く軽量になった事で、マウス操作そのものが軽いだけでなく、なんとなくホイッと持ち上げても気にせず操作を続行できるのも良い点。私は結構な頻度でやるのですが、何かの閲覧や操作をしていて「んー? これで良いかな?」みたいなタイミングでマウスをホイと持ち上げる癖があり、そのどうでも良い癖がいっそう加速しそうな予感もしています。要するに「マウスを完全に持ち上げてポインタを固定する」という事なのですが、そういった操作をする際にも「軽さは正義」が実感できます。

一方で口酸っぱくなるほど前述してきた通り、「軽さは正義」も度を越すと「軽すぎて悪影響」になりそうな心配があるのは事実。軽量マウスもやたらインフレ状態で軽くなり続けていますが、某メーカーあたりは「程よい軽さ」として競争から降りた感もある通り、何でもかんでも「軽くすれば良いんだろ!」みたいな所は、そろそろ限界が見えてきている感じがあります。強度や機能性はもちろんですが、「軽くて操作感が良い」を求めて軽くしてきた結果、「軽すぎて操作感が悪い」にひっくり返るポイントはもう目と鼻の先なのかもしれません。追加用のマウスソールを付属品に入れてみたりと対策の一例を示してくれてはいますが、どれだけ軽くなっても60gを切ってしまうのは危険なライン、という印象があります。

とはいえ、有線マウスであれば60gどころか55gを切っているマウスなんかもあったりするわけで、ここらで一度有線マウスも試してみようかな、とか思っちゃったりするのはもう大変。何かしらの理由でどうにも我慢できなくなった時には試すかもしれません。

そんなわけで、「軽さは正義」がどこまで続くのか、今後の各メーカーの次回作にご期待ください、とどこぞの打ち切り漫画のような〆で相変わらずアレですが、今回はこのへんで。