ゼロから始める深夜ラジオ入門
たまにはアカウント名っぽい記事を書こうと思った。
これはラジオを日常的に聞かない人に向けた、ラジオを聞く方法と、おすすめの深夜ラジオ、主にオールナイトニッポンを紹介する記事にしようと思う。
ラジオは人に薦められて聞くのはちょっと違和感も覚える、ふとしたときに流れたものに惹かれるのがラジオだと、個人的には思うところもある。
それでも適当に流しておいたラジオで好きな音楽と出会ったり、ふとしたリスナーのメールで共感したり、学びを得たり、ひと時の笑いと安らぎをもらったり。
そして、そんな放送にリスナーとしてメールで参加できたり。
そんな経験をするきっかけとして、ラジオの聞き方もわからないのはもったいないと思うのだ。
だから、そもそもどうすればラジオを聞けるのか、その方法から本当に簡単に紹介しよう。
みんなが持ってるスマホやパソコンで気軽に聞けるようになった。
菅田将暉のオールナイトニッポンで知ったのだけれど、今の子たちはCDからスマホに音楽を取り入れる方法をTikTokで裏技として知るらしいから、ラジオの聞き方だって分からない人もいるだろうなあと思う。
ラジオの聞き方
昔の話。
ラジオを聞く、なんて言われたら方法は一つで、ラジオ実機を購入し、FMならアンテナを伸ばし、そこら中に飛び回っている電波に周波数を合わせて聞くしかなかったと思う。
録音も色々な方法があるとは思うけれど、基本的にはその流れたときに録音しなければ後で遡って録音することはできなかったはずだ。
ところが今はラジオがなくてもラジオが聞ける、テレビもスマホで見られるように、ラジオもスマホ、タブレット、PCで聞くことが出来る。後述するけれど、過去の放送を振り返って聞くこともできる、便利過ぎる革命だ。
radikoはそんなラジオを聞ける無料サービスである。会員登録も不要だ。
PCなら上記ウェブサイトで聞ける。スマホならradikoというアプリをダウンロードする形になるだろう。
radikoは誰でも簡単に無料で使えて、電波が入りにくい地域でもクリアに聞こえる。欠点と言えば、10秒から最大3分程度の遅れ、タイムラグがあるくらいだろうか。
恐らく現在、実機で聞く人は少数派と言えるだろう。
今時の若者と交流する機会はほとんどないけれど、実機を持っているという人に対して20歳の子がびっくりしていたのを見たことがある。
けれど、厳密なリアルタイムで聞けるのは実機の強みだし、そんなレトロな手間をかけて雑音交じりに聞くのも楽しい。災害時用の携帯ラジオは比較的安価で売っているし、一つ持っておいても損はないと思う。
けれど、自分の家が電波をよく拾えるかも分からないまま購入するのも難しいだろうし、またオールナイトニッポンブランドは番組によってはスマホで映像付きでも見られる。
とまあ、そんなわけで、まずは無料で聞けるのだからradikoでよいと思う。周波数なんて合わせなくてもよくて、家の中で電波の良いところを探さなくてもよい。
単純に聞きたい放送局をタップすればいいだけなのである。
radikoが恐ろしいのはタイムフリーという機能で、1週間以内なら過去の放送を遡って聞けるところだ。
だから各局の面白い番組が集う、深夜ラジオのゴールデンタイムと言ってもよい日付を超えた時間から午前5時頃までの番組を、夜ふかししなくても聞くことができるのだ。
上記サイトのタイムフリーの欄をクリックすれば、検索画面や番組表が現れるだろう。ここからキーワード検索で探してもよいし、番組表から探してもよい。
番組のページに辿り着いたら、あとは再生ボタンを押して、好きなときに聞けばよいし、好きなときに止めてもよい。
簡単に文章だけで説明したけれど、恐らく画像付きでもっと詳しく説明されているサイトはあるだろうし、radiko公式でもわかりやすく説明されているページはあるだろう。
これでわからなければ各自検索して欲しい。
ラジオというのは電波を受信して聞くものだ、基本的には住んでいる地域で放送しているラジオしか聞くことはできないけれど、radikoはその辺の問題もエリアフリー機能などで解決している、有料だけれど。
自分の地域外のラジオも聞きたくなったら、その辺も気になるなら調べてもらえればよい。
また、オールナイトニッポンは多くの番組を、spotifyでポッドキャストとして独占配信している。
オジサンすぎるのでポッドキャストというものがいまいちよくわかっていないのだが、音声版のブログという理解で問題ないらしい。
Spotifyに会員登録をすれば無料で聞くことができる、しかも何年も前のアーカイブを引っ張り出して聞くこともできるのだ。
本放送で流れていた音楽がカットされていたり、リアルタイムでは視聴できなかったりなどはあるけれども、番組内容は基本的にさらえるのが良さだと思う。
次の節からお勧めのラジオを紹介していこう。とは思ったのだが、少し深夜ラジオの特徴の話をしようと思う。
深夜ラジオの個人的四要素
ラジオを全く聞いたことがないという人はいるのだろうか。
例えばラジオを持っていなくても、カーステレオから流れて来るラジオの音声を聞いたことはあると信じたいところだけれど、実際どうなのかはわからない。
ラジオを聞くときに車で流すようなのは、基本的に「流し聞き」だと言えるだろう。
なんとなく静寂が気になるから流しておいておくもので、身を入れて、すべての言葉をくまなく拾うようなことはしない。
心地よい音楽と共にドライブするような、渋滞にはまったときとかに傾聴するような、そんな感じだ。
上記のような静寂が寂しいからとなんとなく流しておく、流し聞きというのもあるけれど、今回紹介するラジオは基本的には身を入れて、ある程度の集中を保って聞く場合のものにしようと思っている。
よく深夜ラジオを聞き流しながら勉強する人はいるし、実際自分もそういう時期はあった。けれど、今になれば勉強のためのBGMとしてはあまり向いているとは言えないと思っている。
ちなみに流し聞きはJ-WaveとかTOKYO-FMあたりのFM局が心地良い、関東の放送局である。特に早朝。その日のニュースもなんとなくさらえるから、音楽に気が乗らないときは聞いている。
あとテレビのゴールデンタイム中、19時~23時くらいまでのラジオもFMの方が強いというか、面白いイメージがある。これは本当になんとなくだけれど。
音楽との出会いはFMの方が間違いなく強いとは思う。
GROOVE LINEが終わってしまって悲しい。
今はSONAR MUSICを毎日とは言わないけれど、それなりに聞いている。
そういえばSCHOOL OF LOCKはあんまり熱心に聞いてこない人生だった、軽音楽部のくせに。
話を戻す。
深夜ラジオと言われてラジオリスナーは基本的に日付を超えた時間帯から朝までをイメージするはずだ。
今回はほとんどオールナイトニッポンブランドを紹介する記事になるとは思うのだけれど、オールナイトニッポンは午前1時から午前3時まで、その二部にあたるオールナイトニッポン0は午前3時から午前4時半か午前5時までの番組になる。
そんな時間に放送しているけれど、基本は生放送だ。リスナーもメールで参加することができる。
今回は個人的に考えた深夜ラジオの要素として四つの要素で評価をしたいと思う。
これはあればあるほど良い悪いではなく、その要素が強いかどうかという評価だ。もちろんだけれど筆者個人の主観であるので注意してもらいたい。
・下ネタ
深夜ラジオを聞く以上殆ど通って避けられないけれど、じゃあその頻度や強度はどうかっていうとラジオによって差はある。
中にはまったくないラジオもあるので、下ネタが苦手な人は少ないところから聞いてみてもいいかもしれない。
・穏やかさ
深夜ラジオというのは芸人が過激なこと言って笑いを取るみたいなイメージも間違ってはいないと思うのだけれど、深夜に見合う「静けさ」や「穏やかさ」というのも要素に入ってくるように思う。
ゲラゲラ笑いたいというラジオの側面だけではなく、何か多様な価値観に触れられるとか、救われるとか、穏やかな気持ちになれるとか、そういった部分を評価したい。
・くだらなさ
深夜ラジオは基本的にくだらないものである。
「面白かったけど聞いたあと何も残らないなこれ」という放送回は結構ある。じゃあ面白くて何か残る放送がいいのか、というと必ずしもそうではない。
何も残らないくだらない放送だから、気軽に聞けるという側面もあるのだ、頭を空っぽにして笑えるのだ。
面白いけど、後に振り返ったとき、どれだけ何も残らない、くだらないかという評価をしたい。
・お笑い的面白さ
面白いラジオだから全部紹介しているのだけれど、その中にある芸人が笑かすような、お笑い的な面白さはどれくらいあるか、というのを評価したい。
別にこれが低いから面白くないというわけではないことに留意して欲しい。トークやコーナー、冗談で腹抱えて笑えるか、みたいなことだ。
あとは生放送を聞く価値的なところもあるけれど、それは聞いてから各々判断してもらえばよいかな、と思う。
リアタイをしてメールで参加する楽しみはまずそのラジオ番組を好きになってからだと思う。
こうしてみると要素についてはかなり主観的になりそうだ。その辺に責任は持てないので了承して欲しい。
次の節で紹介するラジオの雰囲気がなんとなくでもつかめれば幸いである。
王道深夜ラジオ
そもそも深夜ラジオの王道なんて価値観もなくなりつつあるから、このくくりで紹介するのも違和感を覚える。
けれど、後述するラジオが変化球だとしたら、下記のラジオは王道と言って間違いではないと思う。
霜降り明星のオールナイトニッポン
・深夜芸人ラジオの王道。危ない橋を渡るヒヤヒヤ感。
現在、個人的に一番面白いと思っている深夜ラジオだ。
ニッポン放送で王道芸人ラジオと言われて他に浮かぶのはナイナイとオードリーだと思うし、実際面白いと思う。
今回は自分と世代も近い彼らのラジオを紹介しようと思う。既に何度か記事を書いている。
世代が近いおかげで、この世代でしか共通理解できない笑いというのを得られるのが大きな強みだと思う。
遊戯王で笑いは取れても、ペガサス、サイコショッカーはなかなか他の世代では出て来ない。
ポケモンのたけしのシチューめっちゃ出てくる話で大笑いできるのはこの世代のラジオだけだと思う。
有名人も平気でいじるので、怒られるんじゃないかとヒヤヒヤするようなヒリつき、怖さもある。これもナイナイの頃からある深夜ラジオの王道と言えるだろう。
彼ら自身がスターだから、登場人物にビッグネームが出てくることもあってドキドキする。
それぞれの友人であるSixTONESのジェシーと市川猿之助さんが飲んでいるところから急に電話を繋いだこともあった。
あのキャラクターの粗品が「ヤバいこと言い出したらどうすんの?」と言ってびくついてたのが印象的だった。
・トーク、ネタメールコーナーも面白い。
トークは彼らの能力そのものだけれど、ネタメールに関してはそのファン、一般の人の面白さが大きいと言えるだろう。
ナイナイがハガキ職人の猛者の巣窟だとしたら、ネタメールでは霜降り明星が登竜門と言ってよい。
多い時は一週間に1万通以上も届いてたらしい。
年に数回行われる霜降り甲子園というネタメールの選手権のときには、2万通以上届いたこともあったはずだ。
今一番笑えて面白いと思っているラジオである、脂がのっていると思う。
・おすすめ回
巨人の坂本選手が色々やらかした中、唯一いじっているメディアがこのラジオだった。前回から聞いた方が流れを把握できて面白いけれど、この回だけでも充分である。
SpotifyではBGMがカットされているのが惜しいところだけれど、それでも聞けるし、くだらなさに笑えると思う。
星野源のオールナイトニッポン
・俳優・アーティスト系ラジオの王道。
正直に言ってしまえばこのラジオを毎週聞いているわけではない。
では、なんでお勧めできるかと言われると、これがまた一つの深夜ラジオの王道だと思うからだ。
・眠れない夜に寄り添ってくれる。
例えば、眠れない夜になんとなくラジオを点けて流して、そのまま寝落ちする、もしくは星野源の柔らかい声に耳を澄まして眠れない夜を超える。
夜に寄り添ってくれるという言葉が一番しっくりくるラジオだ。流れていると安心するのである。星野源の声質がずるい。
実際、ちょっと精神的に落ち込んで、眠れない夜になんとなく流していた星野源のオールナイトニッポンで救われた気持ちになったことがある。
その日はリスナーと電話を繋いでいた。女の子の恋の相談だったと思う、何をプレゼントすればよいか、みたいな議題だった。
通話を終えるときに、相手が「山本」という名前だったことを確認し、源さんが「じゃあ、山本くん、メール待ってます」と言って通話が終了。
CM明けだったかにメールが届いた。
このメールで思わず吹き出してしまった。くだらない。中日の200勝投手がここで出てくるという意外さもあって笑ってしまった。
別にそれが特別面白くて、腹がよじれるくらい大笑いしたとかではないけれど、その一笑いで明日も頑張ろうと、なんとなく前向きになれたことを覚えている。
そんな何気ない一言で人生少し前向きになれる。そんな深夜の眠れない夜と共にあるのも深夜ラジオで、このラジオが筆頭だと思っている。
・下ネタあり
もちろん回によるけれど、普通に下ネタはある。視聴者にちょくちょくするプレゼントなんて、名前はほぼ下ネタだ。
普段の星野源のイメージがどんなものかは知らないけれど、少なくとも紅白とかテレビで見る星野源のイメージとは異なるとは思う。深夜ラジオというのはそういうイメージと違うパーソナリティを楽しむ側面もある。
有名なのは福山雅治だろう。最近は落ち着いてきたらしいとはいえ、ちょっと前はとんでもない下ネタだったときもあった。今はJET STREAMの機長である、イメージの高低差すごい。
眠れない夜に、何か価値観を変えるとか、少し楽に生きられるということ、リスナーのちょっとした悩みに共感して、急激な下ネタで笑って、くだらないことで笑って夜を超える。
僕は正直語れるほど聞いちゃいない、けれど、そんなラジオだと思う。
佐久間宜行のオールナイトニッポン0
・エンタメおじさんが紡ぐ深夜のエンタメラジオ。リスナー層が厚い。
このカテゴリで紹介すべきかとは思ったけれど、決して変化球ではないと思うのでこのカテゴリで紹介しようと思う。
パーソナリティがテレビ番組プロディーサーのラジオということで、最新エンタメの話はかなりここで吸収できる。
あと、おじさんがやっている深夜のラジオってそういえば王道だったと思った。
佐久間さんは年頃の娘さんがいるのだけれど、その平凡さというか普遍さがまたいい。
忙しくて、面白い人でも、みんな同じような悩みを持つんだなと、そんなことを思わせてくれる親近感のあるラジオだ。
また、色んな人生を同じ電波を通じて知ることができるのはラジオの大きな魅力の一つだと思っている。
そんなリスナーの幅広さで言えば、多分群を抜いているのが佐久間亘行のオールナイトニッポン0だと思う。ティーンから近所をランニングするおじいさんまでを網羅している。
・神回
超おすすめ回として紹介したいのは箱根旅行の回だ、腹抱えて馬鹿みたいに笑える放送ってわけではないのだけれど、この回については本当に誰にでもお勧めできる。1時間半の作品。実際えげつない賞を取っている。
佐久間さんのトークがよかったというのも一つだけど、本当にそれを受けたメールが、4時過ぎという時間に、リアルタイムで届いてくるのがめちゃくちゃいい。
この幅広いリスナー層があって実現したラジオだ。
リスナーと共に作り上げるラジオだということも授賞理由だと思う。聞いたあと、本当に穏やかな気持ちになれる。ちょっぴり泣けるくらいだ。
・下ネタがない
下ネタが一部のコーナーを除き、基本はないので、万人にお勧めできる深夜ラジオと言えるかもしれない。
もし下ネタとか苦手と言う場合はここから入るのが吉か。
毎回箱根旅行みたいな神回ばかりではないけれど、箱根旅行の回は聞いた後、ラジオっていいな。って思えるはずだ。
アイドルラジオ
アイドルは乃木坂46のオールナイトニッポン前任パーソナリティの新内さん経由で乃木坂に興味を持っている状態だ。
アイドルのラジオを腰据えて聞くようになったのも最近である。
ここに声優ラジオを入れようか悩んだのだけれど、とりあえずニッポン放送でよく聞く二つのラジオを紹介することにする。
アイドルとラジオの親和性は、個人的にはそこまで高くないと思っていたけれど、侮るなかれ、面白いし、そのパーソナリティを応援したくなるものだった。
松田好花の日向坂高校放送部
・アイドルグループ、日向坂46の松田好花が担当する30分収録番組。
唯一オールナイトニッポンブランドでも深夜ラジオでもないのだけれど、紹介しようと思う。
ツイッターを騒がせていたラヴィットで号泣するアイドルの存在は認識していた。
ラヴィットの生放送中、人の優しさに触れて松田好花が大号泣してしまった事件である。
オードリー若林さんと麒麟川島さんの軽妙なやり取りも話題になった。
このアイドルの存在をラヴィットで知った人は多いだろう、自分もその一人だ。
どういう経緯で知ったかはちゃんと覚えていないのだけれど、新しくラジオが始まるという情報をたまたま入手して、初回から聞き始めた覚えがある。
松田さん自身が結構なラジオリスナーで、ラジオが好きだからこそ要所要所でラジオに対するリスペクトが感じられて好感が持てる。
最初から不慣れだったかと言われると首を傾げてしまう、ラジオ好きが喋りの上手さに直結するとは思っていないのだけれど、トークも上手いと思う。
じゃあトーク内容はどうか。
実際アイドルらしい可愛らしいトークが多い気はするけど、笑えるものももちろんある、お父さんが絡むと大体面白いので、日向坂のファンの中から、お父さんのファンが出てきているという噂がある。
トークが長くなってコーナーもメールも読めず30分が終わる回がしばしばだったが、最近は話し合いもあったのだろうか、トークも短めにまとめられメールもコーナーもできるようになっている。
個人的には一時間枠で取ってあげたらいいのになあと思う。クロス枠なんてどうだろう。生放送に適性があるかどうかは分からないけれど、やってみてもいいのにな。と思う。
トークゾーン、コーナーがある、ちょっとした有名人からのゲストジングルなど。
アイドルのラジオではあるのだが、スタンダードなラジオの見本の一つとして聞き始めるのはよいかもしれない。
22時からの30分番組だから聞きやすさもあるだろうということで、オールナイトニッポンブランド以外から唯一紹介することにした。
また、この枠は野球中継が延長するとしばしばお休みになるので注意が必要だ。
乃木坂46のオールナイトニッポン
・乃木坂46の久保史織里が基本一人で担当する2時間生放送。
女性アイドルがパーソナリティなので、オールナイトニッポン一部の中で唯一下ネタが皆無と言っていいだろう。
また、採用数は少ないながら本当にリスナーの日常にあったふつおた(ふつうのおたより)もオープニングで読まれることがある。
そういう意味で、このラジオも万人に薦められると言えるかもしれない。
アイドルのラジオというのは結構ふわふわした話で時間が過ぎていくようなこともあるのだけれど、やはりそこはオールナイトニッポンというブランド、個人的にはなんちゃってアイドルラジオだと思っている。
これがアイドルにとって誉め言葉になるのかはわからないけれど、自分としてはめちゃくちゃ褒めているつもりだ。要はトークが面白い。
・野球と青春の匂いを吸うラジオ。
基本は久保ちゃんの大好きな東北楽天ゴールデンイーグルス中心の野球話。
昔、そして最近見たドラマ、そして久保ちゃんの代わりにリスナーがしてきた青春の話で盛り上がっている。
フリートークも野球に侵略されていることが多かったけれど、最近は色んな話題を試しているように感じている。2月現在の今が、シーズンオフなだけかもしれないけれど。
アイドルというのを差し引いても、若干21歳の久保ちゃんが、深夜に起きて懸命にラジオをしてくれるのと、好きな野球の話やちょっとだらしない部分を本当に等身大で話してくれるように感じるから、パーソナリティにも愛着が沸く。
自分はアイドルにハマったことがなかったので、総合的なビジュアルで売るアイドルがラジオは不利じゃないのかなー、とか短絡的なことを思っていたのだけれど、ラジオを、トークを通じてパーソナリティの価値観に触れると自然と応援したくなるのだなと思った。
一つよかった出来事を挙げると、久保ちゃんの服が黒統一のときが多いという話題でやたらいじられているときがあった。
どういう言葉が彼女に入ったのかはわからないけれど、いつかの回の終盤「私はダサいという言葉で傷ついているからね」と主張していたのがとてもよかったと思う。
これは永遠のテーマだと思うのだけれど、ラジオをパーソナリティと絡めて面白くしようとメールを考えると、少し苛烈にいじってしまう場合がある。
21歳の女性、しかもアイドルに「ダサい」という言葉は受け流しきれないくらいに厳しかったのだと思う。
だから、「私は傷ついている」とはっきり言ってくれたのは本当によかった。
いじられるのも愛情の証だとはいえ、嫌なものを受け入れてしまうのはよろしくない、それでも続けてしまうのは基本的には虐めと同等だとすら思う。
リアルなコミュニケーションと同じだ。
そんな感じで、力加減には気を付けつつ、リスナーにも適度にいじられたりしながら久保ちゃんは夜を共にしてくれる。
基本的には穏やかな時間が流れるラジオだと思う。アイドル好きはもちろん、アイドルに興味のない人も一度聞いてみるよい。
彼女の魅力的なパーソナリティが音声を通じて感じられるだろう。
変化球ラジオ
上記、王道ラジオに対し、変化球として紹介するのは二つのラジオにしようと思う。
変化球として紹介するのは別にここから聞かないで欲しいというわけではなく、このラジオは普通のラジオとは違うよ! ということは声を大にして言いたいからだ。
王道紹介したなら邪道として紹介すべきだろうけど、なんか邪道ってほどでもないんですよね。
フワちゃんのオールナイトニッポン0
1時間枠のクロスから今年度で二部に移動した。ラジオの常識をことごとく打ち破って来たラジオだ。
この記事でも書いているけれど、本当に狂っているとしか言いようがなかった。
流した曲中に歌い出すし、ほとんど記事に書いたけれどラジオとして全部非常識なのだ。
最近は写真ありきのコーナーが始まっている、ラジオなのに。めちゃくちゃ面白いけれど。
最近は自らの飛行機乗り遅れる話とかの先天的な性質をおビョーキとか言いだしてるヤバいラジオである。フワ自身はまだしも他の芸能人のことをおビョーキと言い出すのはまだ時代が追い付いてないとは思うけれど。
リスナーは何もかも不器用なフワちゃんをいじっている。
フワちゃんの出演していたテレビにリスナーがツッコミを入れるフィードバックA面のコーナーはもう悪口の肥やし貯みたいになっている。
トークが上手くいかないとパニックになって発作(という名の大騒ぎ)を起こして本当にうるさいけれど、その様子もしっかり笑える。
トークがあるときの話は普通に面白いと思う。
日によって出来が違うからそれをメールでいじるのも楽しい。
うまくいってもうまくいかなくてもいじられるから可哀想だなとは思うけれど、面白いので割となんでもよいと思う、フワちゃんに関しては。そりゃ限度はあるだろうけれど。
深夜に騒がしすぎるのはともかく、ラジオの常識をぶっちぎってるから変化球カウントとする。
大笑いできるし、生きづらさを肯定してくれるような元気をもらえるラジオだ。フワちゃんのキャラが受け入れられるなら、一度は聞いてみて欲しいラジオになる。
三四郎のオールナイトニッポン0
・珍味ラジオ
霜降りが王道なら、変化球ラジオと言える、正直このラジオを紹介したいがために変化球のカテゴリを作ったまである。
一部に上がったり、二部に下がったりの苦労人だけれど、熱狂的なファンがいるラジオである。実際自分もこのラジオがなくなったら寂しいと、ちゃんと思う。
それに、ニッポン放送は年末の特番は毎回三四郎に担当させている。
いいように使われていると言われているけれど、要はちゃんと愛されているのだと思う。
けれど、がっつり身を入れて聞く気になれない。
そのくらいほぼ何も残らない緩さ、くだらなさが魅力だと思う、ちょっと聞き逃すと何を話してんだかわからなくなる。
ネタメールコーナーの途中で別の話題が気になってしまって、そのままそれについてのリアクションメールを読むようなラジオだ。
おさるのジョージの黄色い帽子のおじさんが気になってコーナーを途中で切り上げた回を最近では覚えている。
そんな理由もあって、このラジオは本当に二部が似合う。
本人やリスナーも自虐的に二部のことをホームと呼んでいる。でも強度の高いファンは二部が似合うと言うと怒る。
年末恒例でなかやまきんに君をゲストに呼ぶのだが、その放送はつまらない時間が二時間続く。
今年はなんか変化してたけど、去年と同じ内容を再放送される。やっぱり怒るのおかしいよ、こんな放送が一部で許されたなんて。
とはいえ、一部でもオールナイトニッポンのリスナーは納得する、そして歓迎するだろう。今の一部の面子がもう聖域レベルで固いだけなのだ。
トーク中に昔の話をよく引っ張り出すし、またラジオのファンクラブに入れば昔のアーカイブも聞き直せるようで、いつ聞いても古参になれるという点ではお勧めしやすい。
ということで変化球ラジオの筆頭として紹介することにする。
くだらなさはピカ一だと思う。個人的な聞き方としては、本当に何も考えずくだらないことで笑いたいときに聞く感じだ。
オールナイトニッポンX(クロス)
平日深夜0時の枠に入ったのが、オールナイトニッポンクロスという新ブランドだった。
現在二年目である。
この枠はなんというか担当させる人の多様性を広げている。ニッポン放送が新規顧客をここの枠で呼び込んでいるのだと思う。
ラジオが好きだったり、向いている、という人よりは、ポップカルチャーの先頭集団からパーソナリティを呼んで担当させている。フワちゃんが最初にレギュラーとして担当したのもこの枠だった。
そんな元々ファンが多い人たちがラジオを担当する、ファンがラジオ文化に触れてラジオの楽しさを知る、という循環が回り始めているのだと思う。
実際、ラジオ文化に触れたことがない人たちが、この枠に限って多く聞いている印象だ。
また、このクロスの枠は「スマホに特化したバーティカルシアターアプリsmash.」でも同時生配信でブースの様子を見ることができる。
山田裕貴のオールナイトニッポンX(クロス)
・俳優山田裕貴が担当する一時間番組
オールナイトニッポンは芸人だけではなく、ミュージシャンも、文化人も担当する。
菅田将暉が抜け、俳優枠が少ないと感じていたところに山田裕貴が担当することになった。
本人もそこまでラジオ文化に触れて来てはいないと、担当する冒頭で言っていた気がする。
けれど、賢明な人柄は結局ラジオを通じて伝わってくるもので、いつの間にか定期的に聞くようになった。
最初は不慣れも出ていたけれど、毎週成長を感じられる面白さがある。
一年近くやってようやくラジオネームを呼び捨てで読むことにしたらしい。それまで敬称付きだったのは、初対面の年齢も分からない方へのリスペクトを忘れたくないとのことだった。
こういう人の価値観に触れられるところがラジオのよさだし、彼を好きになってしまうわけだと思う。
実際、ハガキ職人やラジオ文化へのリスペクトが感じられる放送になっていていい。
トークは面白い話だけでなく、俳優としてのシリアスな話をすることもある。感動も笑いも届けてくれるラジオだと思う。
彼がリスナーの台本で演じるコーナーは必聴だ。面白さと俳優山田裕貴の凄さが同時に味わえると思う。
緑黄色社会・長屋晴子のオールナイトニッポンX(クロス)
・バンド、緑黄色社会のボーカル長屋晴子が一人で担当する1時間番組
こちらもアーティスト枠で飛んできたのが長屋さんだ。
前年がYOASOBIのオールナイトニッポンX(クロス)はかなりの人気番組、二年目に入らなかったのが本当に惜しまれる番組だった。
そんな人気番組の枠で行うのはたまたまなのか同じくアーティストの長屋さんだった。
長屋さんもラジオは通ってこなかったらしいけれど、ラジオ文化については始まる前にある程度勉強してくれたようだった。
「適度にいじってくれていいよ」
「ラジオネームは呼び捨てでやった方がいいんだね」
そんな旨の発言を聞いただけで長屋さんに好意的になるのだからリスナーなんてちょろいもんである。
いざ始まると一人喋りが上手い。回を重ねるにつれて肩の力も抜けてきて、ラジオ特有の身内ノリ、身内ネタもできてきた。
おさ、なぜか度々登場するダンサーの天ちゃん、直近で言えば「はーだかんぼー」
彼女はほどよく素を見せて、見せたくないところには明確に、けれど見えないように線を引くのが非常に上手い。
なんというか自分の「ここには触れるなよ」というスペースには入り込ませないところがあるように感じている。
けれど、彼女の淡々と喋る口調は、リスナーに語り掛けているようで聞き心地がよい。多分、声が良いのだと思う。
「友達が少ないので友達を作りたい」とリスナーから特技等を募集して友達になりたいアピールさせるのに、淡々と友達にならないとバッサリ切り捨てていくコーナーが名物である。
なんでラジオの企画なのにあんなハードル高いんだ。友達いっぱいつくるでいいだろ。
あと忘れてはいけないのは彼女のアーティストとしての側面だ。閃光ライオットの準優勝は伊達じゃない。
ちょくちょくアーティストがゲストにきてコラボして歌っているが、やっぱりいいなと思う。世代が近いのもあって、この前BoA歌ってたのはすごくよかった。
今回紹介したラジオの中でクロスの枠は大分聞きやすい部類だと思う。
深夜とはいえまだ浅い夜だとは思うので、一度生放送で聞いてみても良いかもしれない。
終わりに
ここまで書いてあれだけど、もっと紹介したいラジオはある。
ポッドキャストやニッポン放送以外の放送局、早朝や、夕方から夜帯まで含めたらきりがない。
オールナイトニッポンだけでも、ナイナイ、オードリー、クリーピーナッツ、マヂラブだって、とても面白いラジオなのだ。
この前の岡-1は本当に過去最高の大会だったし、この前のオードリーは通常回なのに面白過ぎた。
でもこうしてお勧めのラジオを紹介しても、結局は出会ってしまうものだと思う。
なんとなくかけていたラジオから聞いたあの人の声が好きだったり、その人の価値観が好きだったり、共感を覚えたり。
そんなふとした出会いがあって、そのラジオを聞くようになるのだと思う。
少しテレビを見るのに疲れたり、YouTubeやTikTokの動画を延々見るような無駄な時間に覚えがあるのなら、一度ラジオを点けてみてはどうだろうか。
自分のやるべきこと、やりたいこと、面倒くさいけどやらないといけない作業をしながらラジオに時折耳を傾ける。
そんなときに、もしかしたら自分の人生の転換点に巡り合うのかもしれない。
この記事が、そんな出会いの一つのきっかけになってくれれば幸いである。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?