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生きづらい社会の片隅で

子どもたちが生きづらさを感じる社会ーデータから読み解いてみるー

今年の10月、文科省が2019年度の「児童生徒の問題行動調査」で発表されたデータ。

昨年度、

不登校が理由で小中学校を30日以上欠席した児童生徒は18万1,272人と過去最多

いじめの認知件数は、61万2,496件と過去最多

小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒は317人


この調査結果を見ると、めまいがする。
もう、既存の学校制度は機能していないのではないか。
こんなにも多くの子どもたちが、学校という環境に居場所を持てず、苦しみ、辛い時間を過ごし、
また、命を絶ってしまう子どももいるなんて。


子どもたちに必要な場所とは

例えば、不登校の要因には3つあるらしい。
①学習が追いつかなくなる教育的要因
②思春期の体の変化や大人へなることに不安を感じるなどの心理的要因
③貧困で家庭の機能が果たせていないなどの福祉的要因

心や体についての子どもたちのケアには専門家が必要だが、特に③については、単に学習支援をしても支援する側が不登校の要因を十分に分析出来ていないケースもあるという。

要するに、居場所だけを与えても子どもを支援することにはならない。
学校がダメだからフリースクールに行くか、通信制の学校に行くかと、選択出来ても解決につながらない。
これだけの数の不登校の子どもたちについて、単に居場所を作るだけではない視点でのケアをしなければ、
抜本的な解決にならないのではないか。


子どもたちに与えられた学校以外の場所が、子どもが何ら成功体験を積めず、自信を持つことが出来る経験が出来ない場であれば、主体的に生きていくことも、将来の目標も見つけられないだろう。

学校は型にはめる場だ。
決められた要領があって、ルールがたくさんあって、やり方があって、
皆が一緒であることを求められ、個性よりも画一的であることを求められる。

でも、この不登校の子どもたちの多さ、いじめの多さは、
これまでの学校のやり方が合わないことを表しているのではないか?


失われる命がある現実


そしてこんな報道も目にした。

今年、新型コロナウィルス感染症の世界的な蔓延により、
世の中の様々な既知が未知になる現象が起こる中、
7月から9月の国内自殺者のうち、女性と子どもの自殺が増加とのこと。

経済協力開発機構(OECD) 加盟国の中で自殺率が最も高いのは韓国だそうで、今年の3月から6月にかけ、女性の自殺が急増している。
この背景には、韓国の中で若い女性を中心に失業率が高まっていること、学校の休校により家事育児負担が増加したこと、コロナ禍で社会的孤立が広がっていること、などがあるとのこと。

この報道を目にして、昨年日本でもベストセラーになった本『82年生まれ、キム・ジヨン』を思い出した。
日本も韓国も、女性はいつだって、家庭や子育て、社会の犠牲になるんだなって。

日本はというと、昨今全体の自殺率は減少しているものの、19歳以下のグループでは、2017年以降増加が続いている。
子どもの自殺は例え、それが少ない人数であったとしても、社会的には大問題だと思うのだが、
コロナの影響で、さらに状況が悪化しているという。

少子化で子どもの数が少なくなっているのに、
昔よりも手厚く目の行き届いた教育が公教育でも私教育でも出来る機会が増えているはずなのに、
いじめや不登校は信じられないくらい増え、
そして、自殺する子どもも増えている。

コロナがこれら、元々ある子どもたちの学校で抱える問題やそれ以外の様々な悩みに拍車をかけ、
心理的に追い詰められている子どもたちもたくさんいるんだろう。
休校・テレワークと、家庭で過ごす時間も増え、子どもたちが家庭内の葛藤に追い詰められるケースもあるという。


大人が子どもに出来ること・しなければいけないこと

おいおい。
家庭にも子どもは居場所がないのかよ。学校にもなくて?
何てことなんだ。
何なんだこの国は。全然豊かじゃないじゃないか。


・・・もうずっと気づいていたけど、息子が生まれてからひしひしとそう感じる機会が多くなった。
社会から、国から、行政から、子どもを産み、育てること、そのことを祝福されている感じがしない。
この国は、子どもを守り育てる気なんてないんじゃないだろうか。


もう、これは作るしかないんじゃないか。
学校でもなく、家庭でもなく、既存の枠組みによらない新しい学び場を。
子どもがそれぞれが学びたいものを学び、会いたい人に会い、多様な大人と接点を持つ学び場。
とにかく、子どもたちが自信を持って生きられる、そう確信が持てる体験が出来る場。


起業ものがたり、今日はここまで。

つづく。


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