病院で出会った本たち
読もうと思っていた本ではなく、
白い病室での気分転換のために
買った雑誌。
今は、外へは出られないからこそ
お出かけに憧れます。
人は持っていないものを望みたがる、
そんな事を身をもって体験しました。
写真が沢山ある雑誌は
心の中で私を外に連れ出してくれました。
息子が元気になって、
私のサポートがいらなくなったら
今度、あそこへ行こう!
こんな場所、知らなかったな。
新しいお店を脳内開拓していきます。
そういう発見がありました。
息子が手術をしている約40分。
患者サロンという場所で
PHSを片手に待っていました。
そこには、自由にご覧くださいと
本が置いてありました。
こういう時間に、殺人事件とかを
読む気になれず……
手に取ったのはやはり旅の本。
どれだけ、私はここから逃げたいのかと
自分で自分を笑ってしまいました。
旅先ごとの短編で読みやすく
今の私にちょうどよかったです。
まだ、PHSはなりません。
もう一冊。
何か、軽いモノを。
ほぅ、谷川俊太郎さんの詩か。
命が助かってよかった。
ギブスのお手々が早く治りますように。
そんな願いをこめながら、
何冊かの本に心を軽くしてもらいました。
ちょっと重めの現実がある時は、
少し軽いモノしか受け付けられません。
現代の忙しすぎる人たちにも
ショート動画ぐらいが丁度いい。
そんな気持ちがよくわかりました。
病院という場所にこそ、
エンタメやポップな雑誌
軽くて、明るくて、楽しい世界の本が
必要なのではないのかな。
そんなことを思いました。